完全版 1★9★3★7 イクミナ (上) (角川文庫)

著者 : 辺見庸
  • KADOKAWA (2016年11月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049525

作品紹介

1937年中国で父祖たちはどのように殺し、強姦し、略奪したか。いかに記憶を隠蔽し口をつぐんできたか。自分ならその時どうしたか。父の記憶をたぐり、著者は無数の死者の声なき慟哭と震えに目をこらす。戦争の加害にも被害にも責任をとらず、総員「忘れたふり」という暗黙の了解で空しい擬似的平和を保ってきた戦後ニッポン。その欺瞞と天皇制の闇を容赦なく暴きだした衝撃作。文庫化にあたり大幅加筆、新章を加えた完全版。城山三郎賞受賞作。

完全版 1★9★3★7 イクミナ (上) (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いわゆる「南京事件」などをが起こった「1937年」という時代について、堀田善衞『時間』に対する考察などを中心に、言及した作品。安倍内閣が進める安保法制や「共謀罪」に対して危機感を覚えている点など、おそらく著者とわたしは軌を一にしているとは思うが、しかしどうにも共感できない面も多い。それは著者が天皇とくに昭和天皇に対してかなりの嫌悪感を示しているということに同意できないということもあるが、しかしそれだけではないだろう。文章の全体を覆っている雰囲気のようなものに、あまり共感できないのである。「南京事件」に対する同時代評のようなものを知れたことはよかったが、しかしもとよりこの事件が一部の右派が主張するような虚構でないということはわかっていたので、あらたに発見があったというわけではない。とくに得るものもなく、「1937年」を「肴」としてひたすら愚痴を聞かされているような感覚になる。第3回城山三郎賞を受賞しているようだが、評価された理由もわからない。戦争について読書を通して学ぶということはきわめて大切だと思うが、類書の多いジャンルでありわざわざ本作を読む必要はないと思われる。

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