孤狼の血 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.14
  • (64)
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本棚登録 : 564
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049549

作品紹介・あらすじ

常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。

緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。いやあ、おもしろい。正統派ハードボイルドに圧倒された。
――黒川博行氏(作家)

日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説だ。
――茶木則雄氏(書評家)

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。

感想・レビュー・書評

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  • 柚月裕子『孤狼の血』角川文庫。

    文庫化されたので再読。再読しても、なお面白い。

    これまでの柚月裕子の作品とは全く違う世界のハードボイルド警察小説。ミステリーとしても面白いし、全編に渡り計算された構成が凄い。終盤間際までに自分が頭の中に描いていた結末の予想は大きく覆され、見事な仕掛けに驚かされた。

    広島の所轄署の捜査二課に配属された新人刑事の日岡は、先輩刑事の大上とともに暴力団系列の金融会社に関連する事件の捜査に当たる…

    大沢在昌の『新宿鮫』と安達瑶の『悪漢刑事』、横山秀夫の『64』、昭和のヤクザ映画の良いところをスパイスにしたような見事な作品。特に『新宿鮫』に関して言えば、鮫島のような秘密をひた隠しにする歯切れの悪さが無いところに柚月裕子の思い切りの良さを感じる。

  • 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。

  • 柚月裕子は面白いとは思ってたけど 全く毛色の違う面白さ。このひと こんな骨太のハードボイルドかけるんだー。さすがプロだね。驚いた。
    大上の魅力に引き込まれ 一気に仁義なき戦いの世界に。
    解説に 大上を評して 粗にして野だが卑ではない とあったけど まさしくその通り。こんなにこの言葉にぴったりな人がいるだろうか。
    なんといっても広島弁。カッコいいー。
    広島弁って 汚いってイメージあったけど 大上のイメージとぴったり相まって カッコ良すぎー。
    ストーリーもバツグンに面白く 二転三転。
    衝撃の結末に口あんぐり。その衝撃が消えぬ間に エピローグのすっかりたくましくなった日岡にニヤリ。
    でも何よりの衝撃は 大上の死だな。
    まさか殺るとは…。
    今後の柚月裕子ますます楽しみ。
    映画化されるんだね。キャストは全くわたしのイメージと違うケド…笑。

  • 映画を鑑賞した後、気になって手に取ってみた原作本。

    映画に比べると暴力シーンが少なく、大上のアウトローぶりや日岡の青臭い正義感もだいぶ抑えられている。ストーリーも、映画はドラマティックに演出しすぎてやや強引な展開もあったが、小説はよくまとまっていて、読者が視点を重ねる日岡の心情の推移も丁寧に描かれているため、感情移入しやすかった。煙草屋のお婆ちゃんがショートピースのカートンを持参するシーンは涙なしには読めません。

  • 柚月裕子作品を初拝読。
    文体も読みやすく、話しの構成もよかった!個々のキャラクターも魅力的に書かれていて、あっという間に虜に。笑
    終盤の衝撃的な展開に度肝を抜かれた、ハードボイルド警察小説!ほんとに面白い作品!!
    こんなハードな作品を女性作家さんが書いてるのがまた凄い!好きな作家さんが一人増えました。

  •  まさかの展開からのまさかのラストでした。ラスト真相がわかってから今までのストーリーを振り返ると(あれが実は伏線だったのか...)と気づかされるところが多々あって鳥肌が立ちました。日岡にはガミさんのようになって欲しいけど、ガミさんのようにはなって欲しくない...かな。
     ハードボイルド系はあまり好んでは読まないんだけど、ふと手に取ってみた本がまさかのおもしろさで、結末もすっきりでした。

  • 面白かった…!すごく‼︎
    久々に人にお勧めしたいと思った小説!
    最初からエピローグに至るまで夢中で読んだし、最後の興奮ね!
    私も震えたわ。
    読んで良かったー。
    *
    柚月裕子さんの本読むのは初めてなんだけど、この本女性が書いたってのにもびっくりだわ。
    極道モノの映画とかVシネマとか好きな人はたぶん絶対好き。
    私はほぼ見たことないけど(^v^;)
    *
    こちらも映画化されるんだけど、キャスト見てたら晶子さんがいないんだけどー!
    晶子さんが出てこないなんて、ちょっと納得いかない。
    …ってことは、「志乃」も無いってことでしょ?
    あれは、『相棒』で言うところの花の里なんですけどー!
    と、ちょっと不満ですが映画も気になるな。
    *
    柚月さんの本はいま本屋大賞ノミネートで話題になってる『盤上の向日葵』が読みたかったんだけど、文庫化待ち中なのでこちらを先に読んだ。
    あちらも早く読みたいな。
    他の本も気になる!

  • いわゆる「一気読み」確定である。
    広島を舞台にしたガチガチのヤクザ&警察の物語。
    ヤクザと親しくする現場警官が、行方不明事件を解明し、抗争を未然に防ごうと奔走する。
    次々と起こる小競り合いや行方不明事件の真相に近づくにつれ読むのをやめられなくなる。
    そして最後の急展開。日記のいたるところが消されていることも最後の最後に理由がわかるという。
    最初から最後まで、こころを鷲掴みにされました。

    まいりました。

  • 昨日、柚月裕子の「孤狼の血」(角川文庫)という本を夢中でよみました。
    日本推理作家協会賞、映画化されるということで本屋さんで手に取りました。
    昭和63年呉を舞台にした暴力団の抗争を描いたものです。
    そうです! この小説はあの「仁義なき戦い」を下敷きにされており、
    主人公はヤクザではなく警察官です。
    でも、あの映画を彷彿とさせるようなシーンが次々と展開され、
    一気に読むハメとなりました。
    作者は岩手県出身で広島とはあまり関わり合いがないようなのですが、
    登場するヤクザや刑事の広島弁はなかなか堂に入ったもの。
    たのしみな作家が現れたものです、しかも美人ときています。
    気になられた方は一度手にとってごらんになってください。
    最後は泣かせますよ!!!

    • hocco21さん
      生まれも育ちも広島なので、広島弁がきになりました。井上ひさしの「父と暮せば」では決して使わない広島弁が出てきてがっかりいました。この小説では...
      生まれも育ちも広島なので、広島弁がきになりました。井上ひさしの「父と暮せば」では決して使わない広島弁が出てきてがっかりいました。この小説では呉ですが、広島と呉でも微妙に違うようです。従って正当な呉弁かどうかは自信ありません(笑)
      2017/11/04
  • 初柚月。…言葉にならない。出会えたことに感謝。この気持ちを味わいたくて、読書してるんだ!続編絶対買うわ!!(絶叫

    ——と、一息ついて本作を振り返ると、やはり広島弁かな。標準語じゃここまで面白くなかったでしょうね。警察に限らず、権力は人を滅ぼす、ね。P409でだいぶ手が止まった…。次がホントに読みたくなくて——。大満足の星五つ。満点じゃ!

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プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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