ダークタワー IV 魔道師と水晶球 下 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049686

作品紹介・あらすじ

父の密命で、ハンブリーの町で任務についていたローランド少年は、知り合ったばかりの可憐な少女と恋に落ちた。だが、町を席捲するおぞましい陰謀と魔術により、2人は想像を絶する運命に巻き込まれていく。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻に時間をかけすぎてしまった!

    機関車ブレインとのなぞなぞ合戦は意外な結末へ。
    その辺りの展開はハラハラドキドキの連続で、とても面白かった!
    しかしながら、機関車ブレインとの戦いの後、ローランドの過去を知るための長い過去話に入るため、私はその辺りで見事に躓いてしまった。
    さすがにローランドの過去の話が長すぎるかな。
    こんな悲惨な経験を味わっているから、今のローランドが形成されたのだと考えると辛いものがある。
    ローランドの過去を知った後も、変わらずに彼の隣りに立ち続けるカ・テット達に泣いてしまった。

    絆を深めるための、長い過去話。
    途中で挫折しかけたものの、最後の数行が素晴らしかった。
    私はこの数行を読むために、この本を諦めなかったんだな。
    このまま頑張って5巻も読むぞ!

  • 狂気の列車ブレインとの闘いを終えた旅の仲間たちは、〈中間世界〉から離れたアメリカはカンザス(ただしローランド以外の仲間が知るそれとは別次元世界!?)に辿り着きます。
    そこに広がる〈希薄〉からの連想により、ローランドは自身のガスリンガーとしての初の任務とその際の自身の初恋(同時に彼の生涯唯一の恋愛)を思い起こし、〈希薄〉の中で過ごす夜に彼の〈カ・テット〉にその物語を語るのです。

    時にローランドが14歳。
    ガンスリンガーになるための試練に勝った直後、偉大なガンスリンガーである父の命により、不穏な空気が漂うギリアドの宮殿から逃れるように、二人の友と共に〈男爵領内世界〉の外にあるメジスを訪れ、彼は運命の恋の相手である16歳の美少女スーザンと出会います。彼女はとある事情からローランドが恋してはならぬ相手でしたが…

    友情、嫉妬、恋愛、セックスといった要素が絡みあう少年ローランドの青春小説、恋愛小説であると同時に、若き〈カ・テット〉たちが大人たちの手を頼れない中で、力を合わせて大きな陰謀に立ち向かう冒険小説でもあります。

    男性読者はローランドに、女性読者はおそらくスーザンに感情移入して胸を焦がす苦しさや喜びを彼らと共有できると思います。
    まあ、僕自身は14歳の時にこんな生涯一度とも思えるような恋も性も経験はしてませんが(笑)

    一見のどかに見える辺境の町の裏で暗躍する敵との戦いも、我慢比べのような様子の探り合いを経て、一気に表面化し、その目まぐるしく戦況が入れ替わる様には、文字どおり息詰まり手に汗握りました(カバーしてなかったら表紙がふやけそうです)。

    そしてクライマックスでのスーザンの言葉には、誰もが涙を流さずにはおれないでしょう。

    アメリカ本国では〈ダークタワー〉サイクルの中で、最も人気のあるエピソードというのも頷けます。僕自身、新潮文庫版に続く再読でありながら、先に述べたようなすばらしい読書体験ができました。
    このエピソードを読むためだけに、「Ⅰ ガンスリンガー」から読むのもありですよ(^-^)

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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