ダークタワー V カーラの狼 下 (9) (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049709

作品紹介・あらすじ

凶悪な装備を誇る〈狼〉とはいったい何者なのか?キャラハンが封印する水晶球の恐るべき力とは?奇異な振る舞いを続けるスザンナの真意は?いくつもの謎が複雑に絡み合い、旅の仲間の運命を変えていく。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻では新しいキャラクターも登場し、伏線を張り巡らせ、全体的に作り込むために時間をかけているような印象だった。
    しかし、それがあるからこそ下巻が上手く機能する。
    ひたすら面白くてこんなにページをめくっているのに全然読み終わらなくて、でもそれが幸せだった。
    映画に例えるなら西部劇。
    ローランド一行がとても格好良いので終盤のアクションシーンに注目してほしい。
    描写が映画を観ているように非常にリアルで、一生忘れたくない……!と思えるシーンが結構あって、夢中になって付箋を貼った。

    それぞれが傷ついたり、成長したり、決してハッピーな展開ではないが、ローランドが運命を信じ、このメンバーでチームを組んだからこそ、乗り越えられるものもきっとあるんだと思う。
    新しくチームに加入したキャラハンがどんな風に関わってくるのか、楽しみである。
    頑張って6巻も読みたい。

  • ローランドの過去の思い出が語られてから一転、流転を続ける現代!?に舞台が移っての第5部です。

    暗黒の塔への旅路を再開したローランド一行は、カーラと呼ばれる農業と牧畜業を主とする町に足を踏み入れ、そのカーラを一世代に一度襲撃し、双子の子供の片割れを攫っていく〈狼〉と呼ばれる者たちがいること、攫われた子供たちは知能が低下した状態で戻された後、身体だけが異様な大きさに成長するルーントと呼ばれる状態になること、〈狼〉の襲撃が間近に迫っていることを住民から聞かされ、助けを求められます。
    一方、我々の世界のニューヨークでは、暗黒の塔と重要な関わりを持つと思われる一輪の〈薔薇〉と、それが生えている空き地に危機が迫ります。
    さらに、一行の一人スザンナの新たな人格〈ミーア〉の出現と彼女が身籠もる得体の知れない赤ん坊!?などなど、今回も一行に様々な困難が降りかかります。

    これまで同様、ローランドと彼の〈カ・テット(運命により強く結ばれた仲間)〉の物語ではあるのですが、本作は、カ・テットの中の最年少で、ガンスリンガーとなっていやが上でも大人の男へと変わっていかざるを得ない、少年ジェイク・チェンバースに多く焦点が当てられているように思いました。
    指導者であるローランドとも対等に真剣に話し合い、時に意見する姿は、過去編で語られたかつてのローランド自身、あるいはそのカ・テット、アランやカスバートとダブり、頼もしさと同時になんとも言えない寂しさややるせなさも感じさせられました。だってまだ小学6年生くらいなんですから。

    また、キングファンにとってはお馴染みの、「呪われた町」のあのキャラが登場したり、他の作品世界とのリンクがちらほらと見えてきて、そういった面での楽しみも増してきました。
    とは言うものの、この大作だけを読んでいる読者でも充分に楽しめる内容です。
    ラストに待ち受ける驚きのラストには、誰もが読み終えてすぐに次巻に手を伸ばしてしまうことを保証します。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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