The MANZAI 十六歳の章 (角川文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041050620

作品紹介・あらすじ

父親の看護のためにアメリカに行った秋本のことを、高校生になった歩は全く気にしていないつもりだったが、やはり心のどこかに引っかかっていた。ある晩秋本の夢を見た。翌朝幼なじみのメグも、『ロミジュリ』サポートメンバーの高原も…。案の定、秋本は帰ってきた。少し背が伸びて。でも、開口一番で言ったのは『ロミジュリ』の再活動。しかも、高校生の漫才甲子園に出場するのだという。何を勝手に、と反発の言葉を口にしても少しだけホッとする歩だった。もう子どもではない、大人の手前の十六歳。若さに揺らぐ気持ちを笑いと涙で描く、大人気青春小説の書き下ろし、続編登場!

感想・レビュー・書評

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  • [1]最初の一歩。ぼくは、それをいつ踏み出したんだろう。(p.214)
    [2]会話じたいが漫才になっているこのシリーズ、あさのあつこさんの中でじつはいちばん好きやったりします。また出会えて嬉しいですが高校生編として続くのでしょうか。
    [3]歩のひとり漫才から始まりいつもの面々との漫才に続きついに秋本が帰ってきて少し大人になったように思える彼に歩は少し焦るがロミジュリは再開する。

    ■ロミジュリについての簡単な単語集(十六歳の章のみ)

    【秋本有紗/あきもと・ありさ】秋本母。お好み焼き屋「おたやん」経営。離婚している
    【秋本貴史/あきもと・たかし】歩を理想の相方と見定めて漫才の沼に引きずり込んだ。スポーツマンだった。森口いわく《秋本はしつこいでぇ。》p.95。歩に漫才だけでなく私的なパートナーにもなってもらいたがっているかもしれない?
    【秋本の父】彼の暴力がもとで有紗さんとは離婚している。湊第一高校校長の佐伯琢子先生の兄。手術のために渡米した。罪滅ぼしをしたいとか言ってたらしいが中身は全然変わっていなかった。
    【アコワイ】メグに憧れつつもちょっと怖いので「アコワイ」ている男子生徒は多い。
    【歩/あゆむ】瀬田歩。語り手の主人公。記述は特にないが可愛いタイプの美少年なのではないかと思われる。素でも天才的な? 突っ込み力を持つ。一歩引くタイプだったが秋本に引きずり出された。《ぼくは独りが好きだ。独りでいるとほっとする。身体の力が抜けて、とりとめない思いに浸れる。だから、独りでいることを単純に淋しさやミジメサニ結びつけないで欲しいと思う。》十六歳の章p.87。《独りでいられる幸福と誰かと過ごす豊穣。/ぼくは、湊市でこの二つを手に入れた。》十六歳の章p.88
    【歩の母】夫と娘(歩の姉)が死んで途方に暮れていたが実の兄の勧めで歩を連れて故郷に戻ってきた。当然「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【大野】マンションの管理人。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【おたやん】美味しいお好み焼き屋。秋本の母、有紗さんが経営している。企画会議などがワイワイ行われる。
    【勝手にロミジュリを応援する会】「歩くんをあゆちゃんと読んで応援する会」(通称「あゆ呼び会」)から発展した。
    【神尾幸久/かみお・ゆきひさ】歩の高校での同級生。がっしりした体躯だが美術部。
    【きのこ汁】ライバル? の高校生漫才コンビ。隣の市の進学校、衛藤学園高校一年。メンバーは清澄透(きよずみ・とおる)、木村和成(きむら・かずや)。
    【校長】→佐伯琢子
    【古賀】歩の高校での同級生女子。陸上部で色黒で凛々しいタイプ。
    【ことぶき餡】和菓子の老舗。ご主人の三瀬さんは幼いころ餡子樽に落ちて死にかけたという壮絶な体験があり実は洋菓子のほうが好き。若奥さんは「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【佐伯琢子/さえき・あやこ】湊第一高校校長。有紗さんご離婚した秋本の父親の妹。大事な話は理科室の人体解剖図の前でする。色彩感覚が物凄い。
    【篠原友美/しのはら・ともみ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。隣市の高校の音楽科に進学した。
    【瀬田歩/せた・あゆむ】→歩
    【高原有一/たかはら・ゆういち】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。神童の誉れも高くどんな高校でも進学できただろうが森口と同じ学校、歩たちと同じ湊第一高校を選んだ。
    【多々良覚/たたら・まなぶ】中学の同級生。母は市立病院看護師長で「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【とりあえず】《とりあえずでいいんだ。〝とりあえず〟は、大切なんだ》十六歳の章p.82
    【名前】《名前を知って一人一人を知ってしまうと、もう〝年寄り〟でも〝高齢者〟でもなくなる。スゲさんはスゲさん、森江さんは森江さん、栗原さんは栗原さんだ》十六歳の章p.178
    【萩本恵菜/はぎもと・めぐな】→メグ
    【蓮田伸彦/はすだ・のぶひこ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。隣市の商業高校に進学しサッカー部に所属。篠原に恋している。
    【羽田/はだ】商店街婦人部。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【藤川】えらの張ったでかい顔、顔つきも体格もごつくて逞しい。「おれ、小学生の時から三十ぐらいに見られてた」十六の章p.83。声は抜群に美しい。その声で中学の文化祭を盛り上げてくれた。
    【漫才甲子園】第一回漫才甲子園が大阪のいちゃもんホールで開催される予定。地区予選を突破しなければならずそれは女性陣が夏休みに水着を披露するために行く予定だった美砂海岸健康ランドで実施される。
    【湊市】舞台となる地。歩の母の故郷。モデルとしては堺市ではないかと睨んでます。みんなが関西弁っぽいのと名前からして海の近くやし漫才ということで。関西弁ぽいとこは関西以外でもあるし確信はないですが。まあ、神戸でも和歌山でも志摩市でもどこでもいけるけど。
    【メグ】萩本恵菜。超絶美少女。性格もよい。秋本の幼馴染で一途に想い続けており歩クンには渡さないわと思っている。トンボ体質で回るものを見てると目が回る。剛力の持ち主。
    【森口京美/もりぐち・ことみ】「チーム・ザ・ロミジュリ」の仲間。涙もろくて優しいが心根は強靭で活発な美少女。妄想癖のあるところが致命的な欠点。将来の夢は「愛と恋とエロに満ちたファンタジー冒険小説」を書く小説家。指を鳴らすのが上手い。
    【八木】商店街婦人部。「勝手にロミジュリを応援する会」メンバー。
    【山下】日系三世。有紗さんがアメリカに持っていってたたこ焼き器でたこ焼き屋を始めた。
    【ロミジュリ】秋本と歩のコンビ名。歩はジュリの方で女装されられることも。

  • このシリーズを読み始めた時は中学生でした。まさか、アラサーになって高校生になった彼らと再会できるとは、、、びっくりしました!図書館でこの本を見つけたときは感動しました。おもしろく、テンポよく読みやすかったです。これからも、学生の方々に読み継がれてほしい作品。続編待ってます!

  • 「The MANZAI」シリーズの続き。ってこれまだ続きがあったのかー。あさのあつこはやはり中高生の心理を書かせるとすごいなーって思う。
    ただこのシリーズは主人公たちの普段の会話からして漫才みたいで面白いのだけれど、それが高じてなかなか話が進まないところが玉にキズ。

  • かるーく、サクッと読了。 あいかわらずだなー。
    しかし、歩の恋はどうなるやら笑

  • 久々。面白かった〜。

  • 『The MANZAI』の新装版出てると思ったら、新作も出ていた。
    ピュアフル文庫版を、小学生の息子と読んでいた記憶。
    久々の「チームロミジュリ」全く変わっていなくて、でもちょっと成長してもいて懐かしかった。
    しかし、ライバル登場ということは続きがあるということ?!
    今後のロミジュリも楽しみです!!

  • 「やっぱり、変わらへん。どんな観客だろうと、おれらは笑わすだけや。女子高校生も緩和病棟の患者も同じくらい手強い」(秋本)

    The MANZAIの続編。中学生だったチームロミジュリも高校1年生。相変わらずの雰囲気で懐かしかった。
    この後の続きも楽しみ。

  • 2018年7月31日購入。
    2018年11月5日読了。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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