- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041050668
作品紹介・あらすじ
男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。しかし、やっかいなものを拾う”体質”は、そのままで……
大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)
匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
感想・レビュー・書評
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左近の桜シリーズ、第3弾。
以前はもう少し夢おぼろな感じで巻き込まれていた記憶がありますが、今作はあちらも少し強引なような。
醒めない夢が常にそうであるように、醒めたと思えばまた夢の中、何度も舞台が変り、自分が何者だったかさえ見失ってしまう。
黒い犬はちょっとグロテスク。
土砂降りの雨、水はやはり、あちらとこちらを隔てるものであり、また境目をあいまいにするものでもある。
本が旅の扉を開くことはたまにある。
また犬?怖い!…と思ったらいい話でした。
第一話 その犬に耳はあるか
第二話 この川、渡るべからず
第三話 ありえないことについての、たとえ
第四話 その犬の飼い主に告ぐ
特殊な体質(能力)とはいえ、闇雲に引きずり込まれるわけではなく、やはり"縁あるもの"が、助けを求めて呼んでいると思われる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第一作や第二作の装丁をがらりと変化させた第三作。シャンパンピンクの箔押しと桜色のブックリボンが可愛い。第四作はもういいかも。
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ドキドキする、、、
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甘美で幻想的な異界への誘い――匂いたつかぐわしさにほろ酔う連作奇譚集。
男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。しかし、やっかいなものを拾う”体質”は、そのままで……
大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)
匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
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似たようなパターンが繰り返されるので、ちょっと飽きて来たかな…現実の人間同士のお話の方が好きだったりする。
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犬に姿を変えられたつくろい師、死者の衣を剥ぐお婆、曰くつきの私家版の稀覯本…霊界の異形のものたちとの交わりを円熟味増す筆で紡ぐ、甘美で幻想的な異界への誘い。陶酔感あふれる「左近の桜」シリーズ第3弾!
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シリーズ3冊目。
続巻が出るとは思っていなかった。
相変わらずの不思議なお話。読んでいるうちに(あれ?)ってなるけれど、それも世界観として納得してしまう。
大学生になった桜蔵、高校生の千菊の成長ぶりも読者(特に女性読者)としては微笑ましいが、何と言っても父親である柾さんが素敵すぎる。
また、続きが読めたら嬉しいな。
長野まゆみさん、お願いします! -
左近の桜シリーズ3作目。短編集。
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シリーズ第3弾。長らく新作が出なかったので、シリーズ完結かと思ってた。
前作から少し時間が流れ、桜蔵が大学生になっているが、相変わらずの拾いもの体質。
道端で、旅先で、この世のものではないモノを拾い、惹きつけ、この世とあの世の境をさまよう。-
2017/12/04
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このシリーズ、久々の新刊でしたが、妖しくも美しい独特の世界観は健在でした。ぜひ読んでみてください!このシリーズ、久々の新刊でしたが、妖しくも美しい独特の世界観は健在でした。ぜひ読んでみてください!2017/12/04
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読みました!第3話、4話が凄く良かった!
桜蔵、千菊くんももちろんだけど、柾さんが素敵すぎました。ありがとうございます!読みました!第3話、4話が凄く良かった!
桜蔵、千菊くんももちろんだけど、柾さんが素敵すぎました。ありがとうございます!2017/12/20
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甘美で幻想的な異界への誘い――匂いたつかぐわしさにほろ酔う連作奇譚集。
男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。しかし、やっかいなものを拾う”体質”は、そのままで……
大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)
匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
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左近の桜シリーズ第三弾。
今回も桜蔵(さくら)は、妖しいものを引き寄せている――というか、引き寄せられていると言った方がいいのかもしれない。この世とあの世の境をあっさり越えて、見えないはずのものに翻弄されているような桜蔵を見ていると、読み手のこちらが消耗してくる気がする。やはりこういうのはあまり得意ではない。自分の輪郭が曖昧になっていくような錯覚に陥るので、あちらの世界に取り込まれそうになる。桜蔵は慣れていてどうということもないのだろうか。そんなこともないだろう。ともかく、現実世界のひずみに迷い込んだような一冊である。 -
装丁が美しすぎる…❤︎