五時間目の戦争 (4) (角川コミックス・エース)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 85
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051153

作品紹介・あらすじ

瀬戸内の島に訪れた冬。「戦」の中で次々と失われていく級友たちの命。残された朔と都に与えられたのは、唯一で聖なる、そして最もありふれた「武器」だった――。 感動の完結巻!

感想・レビュー・書評

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  • 全四巻いっき読み。瀬戸内の青島に突如落とされる「蜘蛛の糸」と言われる正体不明の敵からの攻撃。もう五年も人間は戦争を続けていて、この田舎の島でも、金曜日には中学生の彼らも一日づつランダムに戦場に行くことになった。

    毎週訪れる軍国調ではないけど、当たり前のようにお国に命を捧げる生徒たち。やがて、次第と歯が抜けるように級友たちがなくなってゆく。

    全体の世界観に、どうしても不自然さが目立つ。最後の方の展開で「彼ら」が残るわけだが絶対生活していけない。ラストは相当無理しないとやっていけない。また、そこに至るまでの大人の対応がおかしい。また、敵の論理も破綻している。

    ということをおいといて、2014年6月号「ヤングエース」から今年の3月号に至るまで、こういう作品が連載されていたことに驚きを禁じ得ない。優はこれが人生初のオリジナル漫画連載だったらしいが、絵柄は誰かの影響をモロ受けているし、ストーリーは「進撃の巨人」のソフト版のようにさえ感じる。それでも、赤紙到来から出征、戦死、遺族の今後のことなどが、当たり前のように漫画化されている現代という時代を、10年前の私は想像出来ただろうか。2014年連載ということは、戦争法成立以前なのである。作品は決して褒められた出来でない。作者に現代を批判的に観るトータルな世界観があるのかも疑問だ。けれども、漫画は時代のカナリアなのだということをヒシヒシと感じる。カナリアはなぜ自分が炭鉱の奥で死ぬかは知らない。けれども、その存在が我々に未来を知らせてくれる。
    2017年4月23日読了

  • 戦争の目的は「新地球が旧地球を古き良き地球としてコピーするため(新人類が旧人類を削除することが新地球では義務化)」だった。

    戦争の発端は、旧地球の人類たち(※生殖活動をできない欠陥あり。新人類が旧地球をコピーした際に、その設定を組み込む。)の中に、バグ(※生殖活動ができる)が生まれたから。新地球らの人類が旧地球の神社に“みのかみ様”と称した安全装置を設置し、進化や人口増加を防ぐ仕組みも設けていたがバグが生まれたことで崩壊した。

    主人公とメインヒロインが出征できないのは彼らが生殖活動ができるバグ(※旧人類にとってセックスが唯一無二の武器)であり、唯一、新地球の人類に対抗しえるものだからだった。新地球の人類らは、そのバグ持った旧人類の自分を削除しようとしていた。その様は、まさに戦争(知恵の輪を模した怪物が印象的。)だった。

    結局、主人公はサブヒロインを追うために新地球に出征。ヒロインは主人公との生殖活動の上に子が生まれたが、旧地球にはヒロインとその双子しか残っていなかった。メインヒロインらは旧地球で生活することを決意した。

    主人公の選択「サブヒロインを追って新地球に向かうこと」に父親としての無責任さを感じ、胸糞悪さを抱えてしまった。主人公が旧地球に残って、メインヒロインらと終末的に生活していく展開であれば、胸糞悪さは拭えたはずだ。

  • 都と朔の物語も最終巻。
    戦争は最終局面へと急速に歩みを進め、物語は悲壮感を深めてゆく。そして明かされる真実、都と朔の選択は。

    真実が明らかになってからおしまいまでの流れは、朔の駄目男っぷりも含めて、女の人の感じ方だなあと思った。男には書けない。

    設定の突っ込みどころは多々あれど、そんな細かいことは置いておいて、ほろ苦い青春の物語を味わえばよし。お父さんのかぼちゃと、お母さん(のお母さん)のから揚げ。母は強し。

  • 主人公の最後がクズ過ぎていいわ。
    ただ、同情はする。

  • えーーーそんな設定だったのかーという急展開。
    なんだか切なかったです。

  • 全4巻読了。
    終わり方が哀しすぎる…。
    都ってとても献身的でいい子すぎて、ものすごく強いなと思った。
    失恋。振った人が自殺。兄弟たちの死。ひとりぼっち。
    全部乗り越え家族ができて良かったのかもしれないけれどきつかった。
    戦争の真実は予想外だった。

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