コモリくん、ニホン語に出会う (角川文庫)

著者 : 小森陽一
  • KADOKAWA (2017年6月17日発売)
4.20
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  • レビュー :3
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051856

作品紹介

「皆さんは国語の授業が好きでしたか?」
帰国子女という言葉すらなかった時代。
コモリくんは書き言葉で話す、周りとちょっと違う小学生。そのためにみんなと“仲間”になり切れず、国語(特に作文!)が大嫌いになったコモリくん。
そんな彼は日本語と格闘し、海外で日本文学を教える側になり、ついには日本を代表する漱石研究者にまでなってしまう。
米原万里氏ら多くの作家も笑賛した、自伝的エッセイの名著。
言葉という不思議なものを巡る冒険の書。
解説は『日本語が亡びるとき』の水村美苗氏。

<もっと詳しい内容紹介>
帰国子女という言葉すらなかった頃、コモリくんはクラスで浮いていました。
両親の仕事の都合によって、チェコのプラハで幼少期を過ごしていたコモリくんは、日本に帰国してから、日本語をいちから覚え直していくことになります。
一生懸命、日本語を学んで、おかしくないように話しているはずなのに、コモリくんが話すたびにクラスメイトに笑われます。

「ミナサン、ミナサンハ、ボクノニホンゴノ、ナニガイッタイ、オカシイノデショウカ?」

帰国子女・コモリ君は、文章語で話す小学生でした。そのため、周りからはおかしな子と思われてしまっていたのです。
日本社会の異分子として日本語に出会い、格闘したコモリくんは、『吾輩は猫である』の猫に感情移入して読書感想文を書きあげますが、先生に誤読と言われてしまいます。
さらに、高校で書いた『こころ』の読書レポートでは、Kと先生の奥さんがその後どうなったかを想像し、力を入れて書くも、学校の評価は散々で、気になっていた女の子にも「小森くんて、センスないのネ」と言われ……。
そんなコモリくんが学生運動を経て、深く日本文学を愛し、海外でも日本語を教える側になり、文学研究の第一人者となり、日本語と格闘し続けた記録です。
大学の先生になってから、小学校・中学校・高校で出張授業をして、日本語の可能性・言葉の面白さを生徒と一緒に体感した記録も収録しています。

コモリくん、ニホン語に出会う (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 生の小森陽一さんに3度出会ったことがある。と言っても、3度とも講演会なので、一方的なのではあるが。何れも緊迫する情勢を受けての、時事問題を扱う会だったので、この本の趣旨(日本語論)とも、ホントの内容(小森さんの数少ない自伝)とも、かなり違っている。つまり、小森さんの全く新しい面を知れて、この本とても面白かった。

    小森さんの講演を1度聴いたことのある人はわかると思うが、同じ時間で、おそらく普通の講演会の内容の2倍の量を喋っていると思う(メモし難くてブロガー泣かせでもある)。つまり早口なのだ。そこから分かるのは、小森さんの頭の回転の速さ、そして早口でもなおかつ最後まで飽きさせない日本語の達人だったということだった。

    しかし、勘違いしていた。コモリさんは、対象の観客と場所によって、喋り方を工夫していただけであり、なおかつずっと日本語にコンプレックスを感じていたからこそ、あそこまで「達人」になれたということだったのだ。

    帰国子女の悩みに真正面からぶつかり、なおかつ、決してエリート畑だけを歩いて来ていないからこそわかる世界を見ていた、コモリくん。文庫本あとがきで、びっくり。在プラハソヴィエト学校の米原万里さんの2年後輩だったなんて。含蓄のある「あとがき」に、私はまだまだ小森さんを知らなかったのだなぁ、と思ったのでした。

    まさか、小森陽一の文学アプローチが、構造主義からだったなんて、全く知らなかった。

    もちろん、日本語論としてもたいへん優れている。私の「こころ」解釈は、小森氏とも、高校生のそれともかなり違うが、教科書とだいぶ違っていて良かったんだ、と改めて思ったのでした。
    2017年8月15日読了

  • いやはや。自分が「勉強」にどう向き合ってきたのか、妙にしんみり考えさせられたw

  • 国語という科目は、何をする科目なんだろう。入試に必要なだけの科目だろうか。国語の教科書で習ったことはほとんど覚えていない。受験勉強もほとんど時間を掛けなかった。旧ソ連では、文法を習う科目と、古典の名作を読む科目の2つに分かれていたそう。古典の名作を読む授業は、ちょっと羨ましい。

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