後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041051986

作品紹介・あらすじ

大陸の強国、金椛(ジンファ)帝国。名門・星家の御曹司、遊圭は、ひとり呆然と立ち尽くしていた。
皇帝崩御に伴い、叔母が皇后に選ばれ……。
「皇帝に外戚なし」の法のもとに、星家は一族すべて殉死を命じられたのだ。
一家の療母(薬師)、胡娘(コジョウ)の助けにより、一人逃げ延びた遊圭は、町娘の明々に出会う。
明々はかつて遊圭に救ってもらったことを恩に感じており、遊圭を匿ってくれた。
その矢先、明々の後宮への出仕が決まる。
再びの絶望的状況に、明々はからりと言う。
「あんたも、一緒に来るといいのよ」
――かくして、小柄で女子にも見える体躯を生かし、
少年・遊圭は女装して後宮へ出仕することに。
しかし美貌の宦官・玄月に正体を疑われ……。
つぎつぎと襲いかかる試練に、対抗できるのは己の知恵と仲間だけ。
理不尽すぎる世の中で、少年は生き抜くことができるのか。
傑作中華風ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー小説はあまり読んでこなかったけれど、こちらはすごく面白かった!
    中国の秦王朝、漢王朝の時代の文化を元に作られた舞台。
    フィクションではあるものの、当時の中国の文化や王朝の慣習、雰囲気が想像できて面白い。
    当時のファッションや今では馴染みのない語彙がかなり登場するので、密かに勉強になってる。笑
    遊圭を取り巻く胡娘や明々、玄月とのやりとりや駆け引きも繊細でハラハラする。
    薬草や医薬に関する描写も興味深い。

    11巻まであるみたいなので、続きも読みたい。
    unlimitedにならないかなぁ…。

  • 古い時代の中国を思わせる架空の国が舞台の傑作シリーズ、1作目。
    女官として後宮に入り込んだ少年の運命は。

    大陸の強国、金椛(ジンファ)帝国。
    名門である星家の末っ子・遊圭は、ひとり生き残った…
    叔母が新たな皇后に選ばれたため、「皇帝に外戚なし」という法のもとに、一族全員の命が突然奪われてしまったのです。

    療母(薬師)の胡娘(コジョウ)に助けられ、からくも逃げ延びた遊圭は、町娘の明々に出会います。
    匿ってくれた明々が後宮へ出仕することになり、遊圭も女童の遊々としてついて行くことに。
    病弱で世間知らず、追われる身の遊圭は、とうてい一人では生きていけない。
    小柄で少女にも見える美形なので、当分は大丈夫そうだったが、いつまで続けられるか?

    育ちから教養があり、まっすぐな気性の遊圭は、生き延びるためにも知恵を働かせ、ひっそり隠れている予定がしだいに目立ち始めます。
    美貌の宦官・玄月に正体を疑われながら、さらなる試練に立ち向かっていくのでした。

    設定がほかの大抵のシリーズよりもしっかりしていて、描写も緻密です。
    登場人物は若々しいけれど、軽過ぎはしない。
    必死だが自分を見失わない遊圭、素直な明々、優秀だが鬱屈した玄月。
    遊圭を育てた頼りになる胡娘や後宮で出会う人たちも、個性がはっきり描き分けられています。
    これは面白い!と嬉しくて、一読後すぐに読み返したお気に入りです☆

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    評価の高い「塞王の楯」や「国宝」上巻が全然頭に入らず、ピンと来なくて、ラノベ行ってみよー!と思い聴いてみた。
    初めはこれもいまいち乗れなかったけど、半分過ぎたあたりから面白くなってきた^_^
    続きも聴こう♪

  • 2周目。
    最初の方の町の酒場の調理場を覗き見る場面が美味しそうでそそられる。この世界の食べ物本当、美味しそう。
    遊圭のこどもっぽさに時々イライラしながらも(子供なんだからしょうがない。)がんばれー!と応援してしまう展開。美貌の玄月の黒ーい内面を感じるたびに彼が過ごしてきた過去を思ってなんともいえない気持ちになる。。幸せになってほしい。。

  • 族滅から逃れた病弱な男の子、星遊圭。彼の手にあるのは、ごく少数の信じられる人と、ちょっとの知識と頭の良さと素直さ。
    ドキドキでもワクワクでもない、ちょっぴりハラハラしながらも、誰かを信じられる物語。

  • 面白かった!
    帯に「中華ファンタジー」と書いてあるが、ファンタジーというより、ジンファという架空の王朝を舞台にしたお話で、思っていたファンタジーではない。フィクションという感じ。
    ファンタジー苦手な人も読めると思う。

    中国の後宮用語が読み慣れなくて難しいけれど、それでも内容は面白い。ハラハラさせられる。
    シリーズ物なので続きを読むのも楽しみ。

  • 「後宮小説」と銘打ってあるとつい、手に取ってしまうのだけど、なかなか「当たり」作品には出会わなくて悶々とすること多々だったのだけど、久々に
    「当たったーー!」
    と快哉を叫んでしまいました。

    特に『後宮に』の3冊はとてもおもしろかった。
    比べては申し訳ないけど『八咫烏』シリーズよりも読みやすいし、リズムもわたしに合うし、かといって「ラノベ」と括れない重厚さもあって、とてもよかった。
    ただ新章である『幻宮は』は「後宮小説」からははずれてきてしまったっぽいのがちょっと残念?


    ※『後宮に』のほうで、遊圭(主人公・少女にも見まごう美少年)と玄月(敵か味方かカウボーイ、的な立ち位置のイケメン(でも去勢されてる))に、BL的展開を期待してしまったわたしの根底にはやはりお腐り申し上げる血が流れているんだわ、とおもいました。

  • 名門の御曹司が生き延びるため後宮に潜り込む中華ファンタジー。
    心やさしくまっすぐな仁の人遊圭と、名前の通り明るい明々の会話は読んでいて気持ちが軽くなる。胡娘のたのもしさも素敵。
    星公子の先行きから目が離せない。

  • 中華ファンタジー。薬草の知恵なんかもあって面白い。玄月さんは敵か味方か、続きも読みたい。

  • よくできたストーリー
    続きはどうなるかな?
    気になる❗️

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著者プロフィール

1966年島根県生まれ。神田外語学院卒業。プログラマー、介護職などを経て、現在ニュージーランド在住。2013年、第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、受賞作を改稿、改題した『天涯の楽土』でデビュー。著作に「座敷わらしとシェアハウス」「金椛国春秋」「親王殿下のパティシエール」シリーズ、『狩猟家族』『蒼天の王土』『マッサゲタイの戦女王』『霊獣記 獲麟の書(上・下)』がある。

「2023年 『蒼天の王土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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