櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2017年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041052020

作品紹介・あらすじ

行き先も告げず、櫻子さんが消えた…。正太郎は担任の磯崎と、櫻子の親戚の薔子と共に、櫻子さんの足跡を辿り始める。誰も居ない櫻子の屋敷を経て、層雲峡の温泉地へ向った正太郎たちが見たものは……。

みんなの感想まとめ

物語は、行方不明の櫻子さんを追い求める正太郎の成長と葛藤を描いています。正義に邁進する正太郎の姿には、危うさが漂い、彼の将来に対する不安が読者を引きつけます。櫻子の存在は、彼にとってのストッパーであり...

感想・レビュー・書評

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  • 〜プロローグ〜
     先生の言いたいこともわかる。確かに常識が通用しないけど、櫻子さんは立派な大人だ。それにすごく聡明。
     
     でも、正太郎くんの立場からしたら大切な人のひとり。
     大切な人が連絡もよこさないで消えるのは、不安で押しつぶされるだろうな。

    〜第壱骨〜
     いざ櫻子さん探しの旅へ!
     巻き込まれた先生はいい迷惑だろうな。
     それでも生徒のために渋々ながらも動いてくれる、そんな先生も素敵。
     薔子さんもまた、楽しんでそうで微笑ましかった。

     櫻子さんにどんどん近づいていく感じは、物語の世界へ一緒に入っていくみたいで読んでて楽しく感じた。

     後半のエピソードでは、正太郎くんの検死としての才能が見えた気がした。
     櫻子さんの近くにいたら、いろんな技術が学べそう。
     櫻子さんのような人の側で働いてみたいと思ってしまった。

     正太郎くんの検死の結果、安心でほっとした。
     大切な人の死ではないことに。
     それでも人の死は悲しく、胸がきゅっとなる。

     最終的には無理心中と判明。
     きっと誰にも助けを求めることが、できなかったんだろうなと思った。
     悲しい結末になる前に、誰かにSOSを出してほしい。

    〜第弐骨〜
     このお話はほんとに難しい問題だと思う。

     どうして被害者側ではなく加害者側が得をするのだろう?

     今回の話を読むたびに、法律は人を助けてはくれない、法律が守ってるのは一体何なんだろうか?

     被害者側はずっと苦しめられ、加害者側は反省したフリをすれば罪が軽くなり、刑が終わればまた悪事を働く。
     国に訴えかけたい内容のお話だと感じた。

     この話でもひとりの男性が自分の命をかけて国に訴えかけたにもかかわらず、彼が望んだ未来は果たしてやってくるのだろうか?
     たったひとりの命だけでは、何も生まれないのだろうか?

     悲しくもあり世に訴えかけるいいお話でした。

    〜エピローグ〜
     櫻子さんが消えた理由がわかった。
     でも、理由を聞くと正太郎くんには伝えてあげてほしかった。
     たとえ口止めされていたとしても、正太郎くんがすごく心配するのはわかっていたはずだから。

     ばあやさんの心配をかけたくない気持ちもわかるけど、同じ心配をかけるならほんとのことを教えてほしいと思う。

  • 正太郎は、悪い方に成長している気がする。将来の道も考え直して、盲目に正義に邁進する様子は危なっかしくて、いつか、今回の人達のように道を大きく間違えるのではないかとすら感じる。櫻子さんは少し立場を変え、ストッパーになっていたと思う。あと、花房との決着はいつ着くんですかね? 話が展開しなさすぎですよー。

  • 姿を消した櫻子とばあやに、正義の為の、でも折ることの出来ない監禁と私刑。メインの後者が錯綜して寄り添えなかった。花房側になりそうな櫻子という舘脇の不安がわからず、櫻子の特殊さを違和感なく受け入れてしまう。むしろ舘脇の善悪の基準や頑なさに馴染めない。野次馬の悪意も人ってそんなにそんな人ばかりかなあ。

  • 正太郎が若干キャラが危ない、というか、やや、うっとおしい感じになってきて私としては読みにくくなってきた。櫻子さんも確かに危ういけれど、それはそういうキャラだし正そうとか、何とかかんとか、いらないと思うんだけどなぁ。2人して危ない方向にいきそうで怖い。内容はとても重い。裁判員裁判とか呼ばれたことないし、こんな風に犯罪にはしるような重い事件を担当させられる一般市民ってどうなんだろう。リアルでも裁判員裁判制度って必要か?って思うことの多いこと。ここまで精神に負荷を負わせて意見が反映されないとかね・・・。

  • 前作に引き続き行方の分からない櫻子さん。どうなるのかソワソワした。第弐骨は難しい話だった。フィクションだけど、実際に似た事件が起こっているかもしれないし、それが善か悪か分からないし、とにかくこの話は難しかった。

  • 良いよ、良いよー。

  • 不在に対する不安。これは漠然とダメージを蓄積してきます。見えない部分に募る不安。不安な状況での想像はどんどんと悪い方へ。と言うような危うい状況というのを描き、読者にもこの不安定さを際立たせ、さらに次のお話では重めの良くないことの連鎖をみせてくる。すっかりこちら側は、不安定さと言うか、危うさってのが増幅していきます。クライマックスにむけて、揺さぶってきますね。

  • 突然櫻子さんがいなくなってしまったため、前半は櫻子さん探し。正太郎はすっかり死体を見ても落ち着いて対処できるようになって。。。
    本人はその気は無くても、確かに医学生でもない、まだ高校生の息子がこんな風になったら親としては櫻子さんの影響を考えちゃうわな。
    後半の事件は、被害者であるはずの山口達が本当のクズなので、犯人達の気持ちに共感。
    でも、犯人達は根っからの悪人じゃないから苦しむことに。。。難しい問題だわぁ。

  • 【再読】梅とともに失踪した櫻子を探すため、正太郎は磯崎、薔子と共に目撃情報をもとに温泉地の廃業した宿を訪れる。そこで正太郎が目にしたものは女性二人の遺体で…。正太郎が自分の将来を見据える短編の第壱骨。五年前に正太郎の心に暗い影を落としたひき逃げ事件。その加害者と関係者が引き起こした現在の事件に端を発し、救いのない結末へと進む長編の第弐骨。正義とは何か、何が善で何が悪なのかを問いかける、これまでで最も暗く重たいエピソードだったと思います。正太郎に近づく花房の見えない姿が恐ろしい。次はどうくるのか…。

  • 突然姿を消した櫻子さんと老婆や。正太郎は2人の安否が気になり探し始めるが、悲しくも不思議な事件に巻き込まれていく。花房が言われた、「正義は信念の中に存在する」という言葉を繰り返し考える正太郎。信念を貫いた先に本当に正義があるのか。あるいは、正義ではなく悪しかないのか。深く考えさせられた。

  • 元々不穏な空気がつきまとうシリーズだけど、今回はそれに加えて事件そのものがとても憂鬱。実際あの3人と同じ経験をしたら、きっと自分の無力さや事件の理不尽さに、毎日苦しむだろうなと思う。

  • このシリーズでこういった社会的なテーマを取り扱うと思っていなかったアプローチの話があり、今巻は面白かった。

  • 「正義とはなんだろう」と深く考えさせられた。東池袋暴走死傷事故の初公判が数日前にあったので、余計に感じたのかもしれない。

  • 行方の分からない櫻子さんと梅さんを探す正太郎、その過程で死体を発見。いく先々で死体を見つけて、コナンかお前は。秀翔くんのいい子すぎて・・・、あんなクズに親を奪われてしまって。だからこそ他の人が彼に対して申し訳なさを感じるのね。この話の裏テーマは裁判員裁判だったのね。判決の結果を背負い続けるのは重いよ。

  • 「蝶の足跡」
    彼女を追って言った先には。
    闇雲に探し回っても意図があり移動してる彼女たちを見つける事は出来ないだろうが、少しずつ近付いているようで遠ざかっているようにも感じるな。
    彼が止めたくなる気持ちも分からなくはないが、ずっと彼女の傍で死に触れてきた彼だからこそ選んだ道なのかもしれないな。

    「灰色の追行」
    自分たちで行った私刑判決。
    あの場に居た彼と彼女以外の人間には自分たちなりの正義があったのは確かだが、結果的に一線を超えて彼等と同じになってしまったのだよな。
    残された遺族に対して誰が頭を下げようが亡くなった者が戻ることはないのだから、余りにも執拗いと自分を戒める為に利用されているようで不快な気持ちになりそうだな。

  • 11作目。 うらぶれた廃墟で二人の。。。ドキドキしたけど、正太郎は冷静で、そして、なにより(^^) 裁判員制度が生み出した悪夢。何が正しくて何が正しくないか。私が高校生の頃はそんなことを考えもしなかったよ。 生活が人を大人にするのね。 さてさて、ルールとは!?次も読まなきゃって思わせぶりだわ。

  • 足音が着実に聞こえてくる。

  • 櫻子さん失踪でちょっと心配したものの無事何事もなく良かった。。。危うく最終回ばりの、まさかの花房が櫻子さんオチかと思った、、、あードキドキした、、、、笑笑

    あとは正太郎が少しづつ大人びてきているのが成長を感じさせます。

    いっぱしの男らしくなってきた正太郎のその後もうっすら見え始め、正太郎まさかの将来そっち系!?そして、正太郎、死体に慣れすぎじゃね。っていう。

    フィクションですから文句はありませんが、アニメばりの大胆さです。

    警察より死体に強い高校生。笑笑

    コナン顔負けです。

  • 櫻子さんシリーズの第11巻。この巻では、裁判員で知り合った善意の人々による正義(?)の犯罪について描かれた。しかし正太郎くんの行くところ、色々な事件に巻き込まれるものである。今回は花房がちょっと絡んでいる感じ。

  • 話の展開があまりにもご都合主義過ぎて解決編で冷めてしまった。ミステリーなのである程度は仕方ないとは思うが、あまりにも世界が狭すぎる。
    登場人物たちはやたらと犯人を憎悪していたが、結局自分たちも犯罪に手を染めて、それじゃ犯人と何も変わらないじゃないかと思ってしまった。むしろ、それが正しいと信じて疑わない分、犯人よりも悪質なのかもしれない。殺さなければ何をしてもいいのか。この登場人物たちの正義の話は酷く不快に感じてしまった。
    このシリーズも11作目だが、相変わらずストーリーが進む気配がしない。短編もいいが、そろそろ本格的に話を進めて欲しいと思う。

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著者プロフィール

北海道札幌市出身。2012年まで旭川市在住。小説投稿サイトE★エブリスタにて作品を発表し、高い筆力で人気となる。同年、「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」にて、E★エブリスタ 電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)優秀賞受賞(Eleanor.S名義)。他に、怪盗ロワイヤル小説大賞 優秀賞、E★エブリスタ×『カルテット』小説コンテスト 大賞を受賞。著作に「昨日の僕が僕を殺す」シリーズ、「涙雨の季節に蒐集家は、」シリーズ(共に角川文庫)などがある。

「2022年 『後宮の毒華』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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