櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 604
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052020

作品紹介・あらすじ

行き先も告げず、櫻子さんが消えた…。正太郎は担任の磯崎と、櫻子の親戚の薔子と共に、櫻子さんの足跡を辿り始める。誰も居ない櫻子の屋敷を経て、層雲峡の温泉地へ向った正太郎たちが見たものは……。

感想・レビュー・書評

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  • 正太郎は、悪い方に成長している気がする。将来の道も考え直して、盲目に正義に邁進する様子は危なっかしくて、いつか、今回の人達のように道を大きく間違えるのではないかとすら感じる。櫻子さんは少し立場を変え、ストッパーになっていたと思う。あと、花房との決着はいつ着くんですかね? 話が展開しなさすぎですよー。

  • 姿を消した櫻子とばあやに、正義の為の、でも折ることの出来ない監禁と私刑。メインの後者が錯綜して寄り添えなかった。花房側になりそうな櫻子という舘脇の不安がわからず、櫻子の特殊さを違和感なく受け入れてしまう。むしろ舘脇の善悪の基準や頑なさに馴染めない。野次馬の悪意も人ってそんなにそんな人ばかりかなあ。

  • 正太郎が若干キャラが危ない、というか、やや、うっとおしい感じになってきて私としては読みにくくなってきた。櫻子さんも確かに危ういけれど、それはそういうキャラだし正そうとか、何とかかんとか、いらないと思うんだけどなぁ。2人して危ない方向にいきそうで怖い。内容はとても重い。裁判員裁判とか呼ばれたことないし、こんな風に犯罪にはしるような重い事件を担当させられる一般市民ってどうなんだろう。リアルでも裁判員裁判制度って必要か?って思うことの多いこと。ここまで精神に負荷を負わせて意見が反映されないとかね・・・。

  • 良いよ、良いよー。

  • 不在に対する不安。これは漠然とダメージを蓄積してきます。見えない部分に募る不安。不安な状況での想像はどんどんと悪い方へ。と言うような危うい状況というのを描き、読者にもこの不安定さを際立たせ、さらに次のお話では重めの良くないことの連鎖をみせてくる。すっかりこちら側は、不安定さと言うか、危うさってのが増幅していきます。クライマックスにむけて、揺さぶってきますね。

  • 突然櫻子さんがいなくなってしまったため、前半は櫻子さん探し。正太郎はすっかり死体を見ても落ち着いて対処できるようになって。。。
    本人はその気は無くても、確かに医学生でもない、まだ高校生の息子がこんな風になったら親としては櫻子さんの影響を考えちゃうわな。
    後半の事件は、被害者であるはずの山口達が本当のクズなので、犯人達の気持ちに共感。
    でも、犯人達は根っからの悪人じゃないから苦しむことに。。。難しい問題だわぁ。

  • 【再読】梅とともに失踪した櫻子を探すため、正太郎は磯崎、薔子と共に目撃情報をもとに温泉地の廃業した宿を訪れる。そこで正太郎が目にしたものは女性二人の遺体で…。正太郎が自分の将来を見据える短編の第壱骨。五年前に正太郎の心に暗い影を落としたひき逃げ事件。その加害者と関係者が引き起こした現在の事件に端を発し、救いのない結末へと進む長編の第弐骨。正義とは何か、何が善で何が悪なのかを問いかける、これまでで最も暗く重たいエピソードだったと思います。正太郎に近づく花房の見えない姿が恐ろしい。次はどうくるのか…。

  • 突然姿を消した櫻子さんと老婆や。正太郎は2人の安否が気になり探し始めるが、悲しくも不思議な事件に巻き込まれていく。花房が言われた、「正義は信念の中に存在する」という言葉を繰り返し考える正太郎。信念を貫いた先に本当に正義があるのか。あるいは、正義ではなく悪しかないのか。深く考えさせられた。

  • 元々不穏な空気がつきまとうシリーズだけど、今回はそれに加えて事件そのものがとても憂鬱。実際あの3人と同じ経験をしたら、きっと自分の無力さや事件の理不尽さに、毎日苦しむだろうなと思う。

  • このシリーズでこういった社会的なテーマを取り扱うと思っていなかったアプローチの話があり、今巻は面白かった。

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著者プロフィール

北海道札幌市出身。2012年まで旭川市在住。小説投稿サイトE★エブリスタにて作品を発表し、高い筆力で人気となる。同年、「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」にて、E★エブリスタ 電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)優秀賞受賞(Eleanor.S名義)。他に、怪盗ロワイヤル小説大賞 優秀賞、E★エブリスタ×『カルテット』小説コンテスト 大賞を受賞。著作に「昨日の僕が僕を殺す」シリーズ、「涙雨の季節に蒐集家は、」シリーズ(共に角川文庫)などがある。

「2022年 『後宮の毒華』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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