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本 ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784041052068
作品紹介・あらすじ
人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。
それから3年。あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。
「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」
それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。
青春の煌めきと残酷さを痛烈に描ききった、著者渾身の新境地!
感想・レビュー・書評
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ひとりぼっちの大学生2人が「世界を変える」という大きな理想を掲げてサークル『モアイ』を設立する。その数年後、サークルから抜けていた主人公がある理由で『モアイ』を壊していく話。
自分が正しいと思っている青さ、独りよがりの痛さ、傷つきやすい脆さ。全編通してタイトルの意味を感じさせる物語。
恥をかいても傷ついても怖くても、逃げずに真剣に向き合うことが大切。それを乗り越えていくのが大人になるということ。その痛々しい青春を垣間見れて良かった。 -
大学時代のまさに青くて痛くて脆い追憶が私には良く刺さってきました(笑) はるかに昔の我が大学時代には恥ずかしながら こんなに自分を見つめることが無かったので半ば羨ましく半ば残念にも感じながら結構真剣に読みましたよ。今どきの大学生の生態を知りつつ、とりわけ後半の展開には没入しながら読み終わりました。これほど面白いと感じるのは自分はちっとも成長していないんだとも実感しながら読了。良かったです。
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大学生の話。そこに流れる空気感がとてもリアルで、大学時代の自分やキャンパスの風景が思い起こされた。
「人を傷つけること」について考えさせるストーリーだった。
信頼し仲良くしていた友人が、自分だけを見なくなり、次第に変化したことに対して面白く思わなかった楓。その友人と大切にしていたものを壊してしまい、結果自分の本心を知り後悔し「傷ついたから、傷つけていいなんて、はずがないのに」という気付きを得るまで。
感情の描写が非常に丁寧で、特に秋好と楓の言い合いのシーンでは若さのエネルギーがびしびし伝わって来た。
SNS時代のネットでの誹謗中傷への警鐘のようなものも感じた。 -
本作を読んで、これはデジャブなのかと思ったのはわたしだけだでしょうか…?
楓や秋好の様な体験をしたことがあるという人は居ますか?
わたしだけなんじゃなないのかなぁと凄く不安です。
居たら教えて頂きたいです、DMでも構いません。
お話を伺いたいです。
何かを作ろうと志した。
二人で始めたのに気がついたら一人だった。
残された方の立場にも、その場から立ち去った立場にも、どちらにもなったことがあります。
秋好と楓の様に。
だから読んでいて涙が止まらなかったです。
傷つけてやろうなんて思っていなくて
ただわかって欲しくて
相手のことなんて考えていなくて
相手を傷つけて…
はたまた、どうしてこの場から去っていったのかわからなくて
何度も引き止めたり、理由を訊こうとしたけれど、相手にして貰えなくて
虚しくて、辛くて…
この場にあなたが居てくれたらどんなに良かったのになんて思ったりして
自分の気持ちを素直に表現出来なくて歯痒い…
あの気持ちを
あの痛みを
ほんの少し傷付いただけで怯む脆さを
こうして文章として書き上げ小説にした佐野よるさんは本当に凄いです!!
自分が思うこと
相手が思うこと
やっぱり、勇気をだして訊かないと、伝えないと
人間はすれ違ってしまう
でも、その歪みから拡がった「距離」を
「誤解」を
何よりも大切な人(相手)を取り戻せるかどうかは、その人次第。
大人になるほど一度ダメになった関係を修復するのは難しい。
だから、そっとするのもありだし
取り戻しにいくのもありだと思う
人間関係って繊細ですね。
素晴らしい作品でした✨
今のところ今年1です!
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住野さんも何作目かなぁ。
今回は大学生です。
2人で作った集まり{モアイ」があれよあれよ言う間に大きくなって
居づらくなってやめてしまった楓くん。
この楓くんが、恨みます。
一緒に始めた子を。
いや、一緒に始めたってより誘われただけなんだけどね。
静かに火を燃やしながら恨みます。
辞めてから2年半たって、就職決まって、
潰しにかかります、この「モアイ」を。
痛いより怖い。
楓が怖い。
ナイフよりも鋭利な見えない刃物で人を傷つける。
ストーリーより何より、楓が怖い。
最後に反省して、成長したってことになるらしいけれど
いやいや、怖いし。
その、なんていうの?
意識高い系っていうの?
もう、独りよがりで怖いんですけど。
意識の高い人に失礼よ!!!
んー、ちょっともう、おばさんはついていけないかなぁ。
という感じです。
モ:脆くて
ア:青くて
イ:痛い
だそうです。
上手いのか?これは上手いのか?
わからん。
個人的には「青くて、痛くて、恐ろしい」だったよ。 -
青くて痛くて脆い。主人公のことですね。途中まで共感もできなくて、読むのが苦痛でしたが、ラストの方で自らの愚かさ(?)に気づいたあたり、言葉を駆使して主人公の気持ちを説明するあたりが、よんでいてやっとスッとしました。
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理想論を堂々とぶちまける、秋好のイタさとか。
だれにも一定の距離を保つ、田端のスタンスとか。
それぞれの大学生の、繊細な心中がこまやか。
理想をもって始めた秘密結社〈モアイ〉の行く末と、ふたりのすれ違い。
タイトル通り、まさに青くて痛くて脆い青春小説。
ほろ苦かった。 -
きみスイから久々の作者だが、何百と読んでくると作品そのものが青くて痛くて脆いと感じる。
これは現在の学生があまりに未熟過ぎるから余計にそう思うからかも知れないほどに登場人物が幼く感じる、それだけリアリティなんだろうなあ
全体に浅い作りなのは全集共通で、そろそろ一枚皮を破って欲しいと願う -
1度読み始めたら止まらなかった。私自身が大学生であるのもあるが、この本には読者を夢中にする要素が沢山詰まっている。
いわゆる青春とは乖離した意外性のあるストーリーや、至るところに散りばめられた美しい表現。著者の作品を読んでのはこれで4冊目になるが、期待通りの良作であった。
一方で、本作は好き嫌いが別れる作品でもあろう。
登場人物に親近感を感じにくいからだ。彼らの心情は鮮明に伝わってくるが、正直自分の思考回路とはかけ離れていた。主人公の男女2人がいわゆる悪い性格の持ち主だということは、著者の主著「キミスイ」と大きく異なる点だろう。
逆に大学生活のリアルを描き出しているとも言えるが、終盤の罵倒し合うシーンなど、その分読んでいて良い気がしない箇所が多い。
しかし、これらの点を差し引いても、「新しい青春小説の形」であると十分評価することができるだろう。
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これほど若いことが気持ち悪いことだったんだと思えた本ナンバーワン。まさに「青くて痛くて脆い」。最近の大学生皆がこんなに痛いはずはないと思うけど、でも夢に向かってとか、あるべきなりたい自分であるとか、他人の幸せのためであるとか、誰も傷つけたくないであるとか。なんと自分大好きなことだろう。最近、ウォーキングデッド観てるせいか、こういうキャラのやつ一番最初に死ぬ。間違いない。気持ち悪すぎて逆に完読。
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心に刺さりそうなんだけどちょっと浅い。題材が自分よりだいぶ年下の大学生だからかな、青臭く思えてしまって、共感とまではいけなかった。
誰かを傷つける理由が、自分が傷ついたからでいいわけないし、主人公の田端楓がなぜそんな簡単な初歩的なことに気付けなかったのか。モアイと戦うことから董介が手を引いたのは、楓が理想を追うことに意地になったためにモアイを潰すことが目的になり、最初に手を組んだ時の感情とずれが生じたんじゃないかなぁ、と思う。楓は当事者だったから視野が狭くなってしまった。
後半にいくにつれて、楓自身の方が痛いヤツだった。出会った頃は秋好のことを痛いと思ってたくせに皮肉なもんだね。 -
大学生の田端楓くんと秋好寿乃さんの2人で結成した
理想を追いかけるサークル、「モアイ」。
でも、そのモアイは月日が経ち、就職活動斡旋サークル的に
なり、田端くんとしては納得がいかん!!
だから、もとのモアイに戻すべく、奮闘する話。
読んでて、なんだか痒かったー笑
秋吉が授業最中に「質問してもいいですか?」と言い
質問でもない自分の意見を言う所とか、
田端くんが結成当時のモアイに恋い焦がれてる所とか…。
タイトル通りに、「青くて痛くて脆い」って感じだった。
どの登場人物にも感情移入できず、
たんたんと話を読んでしまった。
自分がもう少し若かったら、違う気持ちになれたかなぁー。-
未読の作品です。
でも、どうしても感情移入できないという感覚!めっちゃわかります。
なんでそうなる! という感じでイライラするんですよね...未読の作品です。
でも、どうしても感情移入できないという感覚!めっちゃわかります。
なんでそうなる! という感じでイライラするんですよね。笑
だって、読者も人間だから好き嫌いあるし。笑2021/12/31
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著者プロフィール
住野よるの作品





