青くて痛くて脆い

著者 :
  • KADOKAWA
3.19
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本棚登録 : 1677
レビュー : 199
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052068

作品紹介・あらすじ

就職を来年に控えた大学生の「僕」は、今はなき彼女がついた嘘を真実にするため、社会に対して叛逆を企てるーー。青春の終わりの痛みと煌めきを描いた、著者渾身の新境地。

感想・レビュー・書評

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  • 人に不用意に近づき過ぎない事を信条にしていた大学一年の春、
    僕は秋好寿乃に出会った。
    空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、
    けれども誰よりも純粋だった彼女。
    秋吉の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という
    秘密結社を結成した。
    それから3年。あのとき将来の夢を語り合った秋吉はもういない。
    ボクの心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。

    僕が、秋好が残した嘘を本当に変える。
    それは僕にとって、世間への叛逆を意味していたーー。


    田畑楓の大学入学時の人生のテーマは「人に不用意に近付き過ぎない事」
    そんな楓が講義中に自らの理想を語り、質問を繰り返し、周囲から浮いてる
    秋好寿乃と出会い「モアイ」という二人だけの秘密結社を結成した。
    秋好の大学入学時に掲げた信念は「四年間でなりたい自分になること」
    しかし、モアイにも人が集まり始め…二人の関係も…。

    読み始めから楓の一人語りで始まりました。
    楓の自分ルール…あまり人間に近づき過ぎないようする事。
    誰かの意見を真っ向から否定しないように気を付けている事。
    それを守れば、誰かを嫌な気分にしてしまうことを減らせて
    結果的に自分を守る事にもなるって考え。
    人を観察?して思った事を口にせず心で見下して?分析して?
    それなのに当たり障りのない言葉を選ぶ…etc.
    今の大学生は皆こうなのか…?
    こうでなきゃ生きられないんだろうか…?
    凄く嫌で嫌で…何が嫌かって文章も楓も何もかも…_s(・`ヘ´・;)ゞ..
    何度読むのをやめようと思った事か…半分読むのに何日かかった事か…。
    でも読むのを止めなくって良かったです(*'-'*)エヘヘ

    住野さんらしいあれって思わされる騙されたってのがあったし、
    前半平坦で退屈だった物語がラスト一気にパワーアップ
    終わり方が良かったです(*˙︶˙*)☆

    本当にタイトル通り青くて痛くて脆いお話でした。

  • きみスイから久々の作者だが、何百と読んでくると作品そのものが青くて痛くて脆いと感じる。
    これは現在の学生があまりに未熟過ぎるから余計にそう思うからかも知れないほどに登場人物が幼く感じる、それだけリアリティなんだろうなあ
    全体に浅い作りなのは全集共通で、そろそろ一枚皮を破って欲しいと願う

  • 住野さんも何作目かなぁ。
    今回は大学生です。

    2人で作った集まり{モアイ」があれよあれよ言う間に大きくなって
    居づらくなってやめてしまった楓くん。

    この楓くんが、恨みます。
    一緒に始めた子を。
    いや、一緒に始めたってより誘われただけなんだけどね。
    静かに火を燃やしながら恨みます。

    辞めてから2年半たって、就職決まって、
    潰しにかかります、この「モアイ」を。

    痛いより怖い。

    楓が怖い。
    ナイフよりも鋭利な見えない刃物で人を傷つける。
    ストーリーより何より、楓が怖い。

    最後に反省して、成長したってことになるらしいけれど
    いやいや、怖いし。
    その、なんていうの?
    意識高い系っていうの?
    もう、独りよがりで怖いんですけど。
    意識の高い人に失礼よ!!!

    んー、ちょっともう、おばさんはついていけないかなぁ。
    という感じです。

    モ:脆くて
    ア:青くて
    イ:痛い
    だそうです。

    上手いのか?これは上手いのか?
    わからん。
    個人的には「青くて、痛くて、恐ろしい」だったよ。

  • 理想論を堂々とぶちまける、秋好のイタさとか。
    だれにも一定の距離を保つ、田端のスタンスとか。
    それぞれの大学生の、繊細な心中がこまやか。

    理想をもって始めた秘密結社〈モアイ〉の行く末と、ふたりのすれ違い。
    タイトル通り、まさに青くて痛くて脆い青春小説。
    ほろ苦かった。

  • これほど若いことが気持ち悪いことだったんだと思えた本ナンバーワン。まさに「青くて痛くて脆い」。最近の大学生皆がこんなに痛いはずはないと思うけど、でも夢に向かってとか、あるべきなりたい自分であるとか、他人の幸せのためであるとか、誰も傷つけたくないであるとか。なんと自分大好きなことだろう。最近、ウォーキングデッド観てるせいか、こういうキャラのやつ一番最初に死ぬ。間違いない。気持ち悪すぎて逆に完読。

  • 好きな作家の作品のため楽しみにして読みました。
    今回は大学生が主人公の話ということで
    バイトやら就活やらサークルやらがメインの話で
    社会人暦の長い自分としては懐かしく読みました。

    主人公が思いを寄せる人物が既に他界しているかのような
    ミスリードがありますがなかなか上手いです。
    主人公の独りよがりな考え方とか俯瞰している読者には
    非常によく分かり、段々感情移入が出来なくなってからの
    最後の主人公の内面の変化が心地良い感じでした。

  • 今回、主人公が大学生男子ということで少しオトナになった青春の痛みやもやもやがどんな風に描かれているのかとても楽しみだった。今までの住野作品だと、読み始めてすぐから主人公に感情移入してどっぷり浸る感じだったけれど今回は主人公に同化するのに少し時間がかかった感じ。
    タイトル通り、主人公の4年間は青くて痛くて脆い日々で、もう、本当に読んでる方も「痛くて脆」くて辛かったね。
    住野さんらしいひっかけも健在で、あぁ、なるほどそういうことね、とにやにやしながら読んだけど、なんとなくちょっとイタ過ぎて読んだ後のカタルシスが足りなかったかな、という気も。
    それでもそのイタさが今回は読者層を広げる形になるのかな。

  • 待望の住野よるさん最新作。
    『膵臓』というタイトルにひいてしまい、最初は手に取らなかったデビュー作。
    でも、やはり気になって読んでからは彼女の大ファンになった。
    (女性と思い込んでいました)
    次に好きなのは「また、同じ夢を見ている」ラストが私にとって完璧だったので。

    そしてこの5作目ですが、期待は裏切られました。
    いい意味で。
    自分の好きなものと同じものをねだる子供のような期待をしていた感は否めない
    私をさらりとかわし、人に見せたくない部分をえぐり、さらすことで
    タイトル通り、青く痛い自分と向き合うこの作品。

    間違いなくたくさんの人にオススメできる、読んでほしい良作だと思います。
    特に特に若い人に。そしてそれは達成されるでしょう。
    痛いですよ。それは、当然なのです。
    表面だけを繕うものではないのですから。この二人は私の中にもいる。二人同時に。
    そして私は、彼女…ではなく彼の次回作をやはり心待ちにするのです。

  • 人に不用意に近づきすぎないこと、誰かの意見に反する意見を出来るだけ口にださない。そのようにして誰かを傷つけたり傷つけられることを回避しようとする田端楓。その一方「この世界に暴力はいらないと思います」といきなり受講中の講師に質問というよりか意見を言い始める秋好寿乃。正反対ともいえるタイプの2人が大学の1年生の新学期に出会い、お互いに友達も知り合いもいなかった彼らは会話を重ねるにつれ友人となり、モアイというサークルを立ちあげる。なりたい自分になることを活動のモットーとしてきたモアイはしかし、活動人数が増えるに伴いだんだんと方向を変え、最初の理想を失っていくかのように見えた…。

    物語の最初の方ではヒロインの秋好が亡くなってしまい、残された楓が秋好を偲んで、おかしくなってしまったモアイを彼女の望んでいた形に戻したいと奮闘する純愛物語なのかな?と思って読んでいたのですが、中盤から全然そうではないことに気づいて愕然とし衝撃をうけました。なるほどこいつは青くて痛いヤツだ!痛い、痛すぎる!!主人公がもう痛くて胸糞悪くて後半は突っ込みが追いつきませんでした。
    でも、そうですよね、我々ってそういう愚かなことしてしまうことありますよね。自分が正しくて、自分と違う考えや言動をする人をバカにして、独りよがりにそういう人のことを正そうとしたりするのって、ありがちですよね。批判とか意見するときには本当に我が身を振り返って自分にそういう資格があるのか、考えないといけないですよね。
    でも、なんだか、楓が残念すぎてほとほと悲しくなりました。最後は救いがあって良かったけど。それと彼の友達の董介の方が普通にいいやつで好感が持てたのが良かったかな。

  •  住野さんの本を読むと、いつも瑞々しさを感じるのは、きっと、自分たちがずっと昔に置き忘れてきたその頃の心をしっかりと持っているからだ。
     今回も心の奥底にあるものをギュッと握られるような切ない思いにとらわれながら読み終えた。

     大学1年生の楓は、ちょっと痛い女、秋好と出会う。秋好は『みんなが幸せになれる世の中』を目指し、『モアイ』なるサークルを作った。部員は秋好と楓。初めのうちは、写真展を見に行ったり、そんな活動だけをしていたが、やがて人が人を呼び、巨大な組織へとなっていった。
     そして、考えのズレを感じた楓はモアイを抜けることに・・・。それから3年後、秋好がいなくなった世界でやり残したこと。今のモアイを変えようと楓は立ち向かうことを決意して・・・。

     内容が良いとかじゃないんですよね。住野さんの場合。まあ、悪いわけではもちろんないけれど。それでも一番の魅力は心に突き刺さる透明感というか、本当に心をギュッとされているような感じ。ピュアだった頃の自分を思い出させてくれる、そんな数少ない作家さん。今後もそういった作品を描き続けていっていただきたい。

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著者プロフィール

住野 よる(すみの よる)
高校時代より執筆活動を行っていた。2014年2月ごろ夜野やすみ名義で、様々な賞に落ちてしまった小説「君の膵臓をたべたい」を広く世で読まれてほしいという願いから小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿。同作が話題となり、2015年6月双葉社から書籍化されデビュー。同作が「本屋大賞」2016第2位、「読書メーター読みたい本ランキング」1位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015」1位と高く評価され、売上面でも「2016年年間ベストセラー」総合5位、文芸書1位(トーハン調べ)、「2016年 年間ベストセラー」総合4位・単行本フィクション1位(日販調べ)となり、累計発行部数200万部を突破した。実写版映画が2017年7月28日公開、アニメ映画が2018年公開。
その他作品に、『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』がある。

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