彼女の色に届くまで

著者 : 似鳥鶏
  • KADOKAWA (2017年3月29日発売)
3.76
  • (9)
  • (31)
  • (22)
  • (1)
  • (0)
  • 205人登録
  • 40レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052136

作品紹介

『彼女は、天才画家にして名探偵。』
  
  彼女に出会ったその日から、僕の人生は変わった。
  絵画で謎を解き明かしながら僕は知る、その喜びと苦しみを。


画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり……。

ルネ・マグリット『光の帝国』、ジャクソン・ポロック『カット・アウト』、パウル・クレー『グラス・ファサード』など有名絵画が多数登場!(カラー口絵付き)
絵画をヒントに、美術にまつわる事件の謎を解け。「才能」をめぐる、ほろ苦く切ない青春×アートミステリ!

彼女の色に届くまでの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • これは良かった。「謎解き+美術+青春」という三つの要素が実にうまく絡み合っていて、読みごたえがある。三要素それぞれが、皆きっちり構成されていて引きつけられた。

    四つの章で提示される謎は、どれも不可能犯罪。しかも終章でさらに…、いやいやこれはお見事。主人公は画廊の息子で画家を志しているという設定で、事件は皆絵画がらみだ。謎解きのポイントとなる絵画は実在の有名なもので、そこもよくできていると思った。結構数多く挟まれる、美術関連の注釈も楽しい。

    主人公は比較的普通だが(比較的、ね)、彼の友人とヒロインはかなり変わっている。あまり突飛な人物設定は苦手なんだけどなあと思いつつ読んでいったが、知らないうちに馴染んで違和感がなくなり、最後にはみんな好きだなあと思えた。イヤなヤツも出てくるけど(第1章がちょっとつらい)、読後感はとてもいい。この著者の長篇は初めて読んだが、他のも読みたくなった。

  • 1月20日読了
    画廊の息子で美術部員(部員は一人のみ)の緑川礼、緑川が才能を見いだした千坂桜、美術部に無関係なのにやたら顔を出す風戸翔馬。緑川が巻き込まれる密室不可能犯罪を千坂桜が解決するミステリー連作短編集。何より、犯罪が起こるのが絵にまつわる場所で、いろいろな実在の作品が時に解決するヒントとなってくるのがとても興味深く面白かった。もう一つ、一貫しているのが才能を持たない者の持っている者に対する嫉妬、羨望。悩める主人公を書きたかったそうだ。しかし、そのテーマは重くドロドロすることなく、しかし共感できる描き方でとても良かった。

  • 好きなものを、好きなように書いていいと言われたあの瞬間、彼女の世界は一瞬にして変わったのだろう。
    誰かに定められた世界から、自分自身で自由に飛び回れる世界へ。
    そして、その扉を開けた彼は、彼女にとってとても輝いて見えたのだろう。

  • 注釈が専門的な事柄の説明をしっかりしてくれるうえで、笑いもあって楽しい。一枚の絵画をヒントに謎を解明するスタイルも良かった。主人公の葛藤が物語に仄かな苦みと最後に温かみを添えてくれる。

  • 絵画をテーマにした連作ミステリ。
    画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)、筋肉マニアの風戸、天才的な美術センスをもつ美少女 千坂桜とともに事件の真相を解き明かしていく。
    高校、大学、社会人までの7年間。最後に明らかになる千坂桜の謎が面白かった。
    (図書館)

  • 市図書館にて。

  • 画廊の息子と天才画家の少女の関係、どのように変わっていくのか謎めいていてドキドキしながら読む

    「青春アートミステリ」だそうでアートに疎い自分としてはイメージしにくい場面もありましたが
    筋肉フェチの友人が登場するたび和みました

  • 画家ミステリ。主人子は画家を目指す画廊の息子。そんな主人子がある女の子に出会い絵画に関係するトラブルに巻き込まれる。
    登場人物が一緒のミステリだが時代は高校時代、藝大時代と年を重ねていく。
    キャラクターが面白く油断してたら最後にヤラレた。絵画の小ネタも面白かった。

  •  絵画をモチーフにしたミステリ短編集。
     画廊の息子で自らも絵の天才と自惚れていた緑川礼は、同じ高校に通う千坂桜という不思議な少女の画力に圧倒される。絵にしか興味のない千坂は、引っ込み思案な性格ながらも、その独特の発想力と観察眼で身近で起きた不思議な事件の謎を次々と解いていく。

     ちょっと不思議系の天才美少女がホームズ役で、その世話をする主人公が嫌々ながらワトソン役となって解説していく日常ミステリは、ライトノベル的なありきたりの設定で読んでいて我慢を強いられるところ。
     有名な絵画のモチーフに引っかけたトリックは珍しくて最初興味を引くが、そのトリックを成立させるためだけの動機や設定に無理がありすぎて、終始しらけてしまった。あとがきを読んでも、作者だけが楽しんでいるのがわかる。

  • トリックひとつひとつというよりも全体の構成が最後にまとまる作品。美術に興味がある人にも無い人にも読みやすくて面白いと思う!

全40件中 1 - 10件を表示

彼女の色に届くまでのその他の作品

似鳥鶏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

彼女の色に届くまでを本棚に登録しているひと

ツイートする