彼女の色に届くまで

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 242
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052136

作品紹介・あらすじ

『彼女は、天才画家にして名探偵。』
  
  彼女に出会ったその日から、僕の人生は変わった。
  絵画で謎を解き明かしながら僕は知る、その喜びと苦しみを。


画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり……。

ルネ・マグリット『光の帝国』、ジャクソン・ポロック『カット・アウト』、パウル・クレー『グラス・ファサード』など有名絵画が多数登場!(カラー口絵付き)
絵画をヒントに、美術にまつわる事件の謎を解け。「才能」をめぐる、ほろ苦く切ない青春×アートミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • これは良かった。「謎解き+美術+青春」という三つの要素が実にうまく絡み合っていて、読みごたえがある。三要素それぞれが、皆きっちり構成されていて引きつけられた。

    四つの章で提示される謎は、どれも不可能犯罪。しかも終章でさらに…、いやいやこれはお見事。主人公は画廊の息子で画家を志しているという設定で、事件は皆絵画がらみだ。謎解きのポイントとなる絵画は実在の有名なもので、そこもよくできていると思った。結構数多く挟まれる、美術関連の注釈も楽しい。

    主人公は比較的普通だが(比較的、ね)、彼の友人とヒロインはかなり変わっている。あまり突飛な人物設定は苦手なんだけどなあと思いつつ読んでいったが、知らないうちに馴染んで違和感がなくなり、最後にはみんな好きだなあと思えた。イヤなヤツも出てくるけど(第1章がちょっとつらい)、読後感はとてもいい。この著者の長篇は初めて読んだが、他のも読みたくなった。

  • 自分を特別と思い画家志望だった緑川が高校、芸大、勤める画廊で遭遇する絵画絡みの謎たち。平凡な現実との差異が辛すぎず自然体で、片想い相手である天才の千坂桜の話し方や行動に現れた変わり者描写は淡い鮮烈さ。筋肉を見て貰いたがる風戸もユニークで可愛い。悪魔を抱えたふたりや、ペンキによる極彩色の床が印象的。

  • 読み進めていく途中、何か変だなぁ…と覚える違和感。
    もちろん文章が稚拙で説明が不足していたり条件が詰められていなかったりする場合もあるのですが、そうでなかった場合。意図的に違和感を覚えさせるよう仕組んでいる場合。そういうオープンな、読者に攻撃的(挑戦的?)な伏線。
    「そうか! あの時の違和感は!!」って気付かされるときの瞬間が大好き。
    これって作者の、それはもう強気なオモテナシだと思うのですよ。

    今作も、そんな攻撃的オモテナシが待ってました。

    ガジェット周りだとそんな次第で秀逸だと感嘆するのですが(名画を引き合いにしたミステリという舞台設計も含め)、人物周りのドラマの部分ではいたく残酷な話でしたね。
    強烈な光に照らされ、また影も濃くなる…みたいな。
    主人公は彼女の色に届いたんだろうか。
    届かない、あるいは届いてはいけない、そんな関係に思うのです。
    不幸せでは無い。でも倖せにはなれない。
    そういうのが、私にはつらかったなあ。

  • 美術関連の日常ミステリィにしては、千坂桜の描かれ方が大袈裟だと思って読み進んでいくと、その答がそれぞれの話を連作として結び付けていた。

    雨の日、光の帝国で
    極彩色を超えて
    持たざる密室
    嘘の真実と真実の嘘
    そして君になる

  • 絵画を中心に、作者や携わっている人の思いを浮かび上がらせる連作短編集。さらに本作は主人公と天才芸術家の二人の物語で、才能の残酷さを描いており、傑作だと思いました。 物語が進むにつれて真作と贋作という主題が描かれ始めますが、その二つが天才芸術家と主人公に重なり、なんとも情緒ある物語に仕上がっています。 ラストも安易な着地を見せず、その理性的というか偏屈なオチは作者さんの他の作品でもあり好みが分かれそうですが、本作は不思議と受け入れられました。

  • 絵の話だけど、脇役の筋肉が目立つ。

  • 05/20/2018 読了。

    図書館から。

    気になっていたので、手に取りました。
    一時期、ブランチで特集してなかったっけ?
    ダヴィンチかな。

    似鳥さん、作品によってはまったりそうでなかったり…なんですが、今回は好みだった!!

    千坂さんあまり動かないけど、
    緑君とのやりとりがいじましくて…‼

  • 米澤穂信っぽい。馴染めない。

  • 4つの事件とも、トリック部分は、そんなことわざわざする?って事が続いて、苦手な部類のミステリかなと思って流し読んでたけど、最後の大オチでなるほど!と感心しました。

    語り手の緑くんが、天才ではない自覚はあるけど、それでも決して腐らずに、状況を的確に踏まえて、するべき事をする強さが好感度が高かった。
    時々友人に悪魔のようだと言われるほど、冷静に怖い事を言うのもいい。それが最後に、千坂と自分の今後の話をいい感じにまとめる所がすごく楽しかったです。
    悲壮な感じにも出来たテーマで、終始楽しく、明るい希望の中で終われたのすごく良かった。

    話題になる絵画の写真や説明があるのはとても親切だし、勉強になりました。

  • ミステリーと恋愛もちょこっと。最後に彼女の謎が明らかになる。

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著者プロフィール

似鳥 鶏(にたどり けい)
1981年生まれ、千葉県出身の小説家・推理作家。男性。千葉大学教育学部卒業。北海道大学法科大学院在学中の2006年、『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、2007年に同作品で小説家デビュー。
2012年の『戦力外捜査官』が代表作。本作はシリーズ化し、武井咲主演でドラマ化された。

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