彼女の色に届くまで

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 228
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052136

作品紹介・あらすじ

『彼女は、天才画家にして名探偵。』
  
  彼女に出会ったその日から、僕の人生は変わった。
  絵画で謎を解き明かしながら僕は知る、その喜びと苦しみを。


画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、期待外れな高校生活を送っていた。友人は筋肉マニアの変わり者一人。美術展の公募にも落選続きで、画家としての一歩も踏み出せず、冴えない毎日だった。だが高校生活も半ばを過ぎた頃、僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。その窮地を救ってくれたのは、無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、それから僕の日々は一変する。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり……。

ルネ・マグリット『光の帝国』、ジャクソン・ポロック『カット・アウト』、パウル・クレー『グラス・ファサード』など有名絵画が多数登場!(カラー口絵付き)
絵画をヒントに、美術にまつわる事件の謎を解け。「才能」をめぐる、ほろ苦く切ない青春×アートミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • これは良かった。「謎解き+美術+青春」という三つの要素が実にうまく絡み合っていて、読みごたえがある。三要素それぞれが、皆きっちり構成されていて引きつけられた。

    四つの章で提示される謎は、どれも不可能犯罪。しかも終章でさらに…、いやいやこれはお見事。主人公は画廊の息子で画家を志しているという設定で、事件は皆絵画がらみだ。謎解きのポイントとなる絵画は実在の有名なもので、そこもよくできていると思った。結構数多く挟まれる、美術関連の注釈も楽しい。

    主人公は比較的普通だが(比較的、ね)、彼の友人とヒロインはかなり変わっている。あまり突飛な人物設定は苦手なんだけどなあと思いつつ読んでいったが、知らないうちに馴染んで違和感がなくなり、最後にはみんな好きだなあと思えた。イヤなヤツも出てくるけど(第1章がちょっとつらい)、読後感はとてもいい。この著者の長篇は初めて読んだが、他のも読みたくなった。

  • 絵画を中心に、作者や携わっている人の思いを浮かび上がらせる連作短編集。さらに本作は主人公と天才芸術家の二人の物語で、才能の残酷さを描いており、傑作だと思いました。 物語が進むにつれて真作と贋作という主題が描かれ始めますが、その二つが天才芸術家と主人公に重なり、なんとも情緒ある物語に仕上がっています。 ラストも安易な着地を見せず、その理性的というか偏屈なオチは作者さんの他の作品でもあり好みが分かれそうですが、本作は不思議と受け入れられました。

  • 絵の話だけど、脇役の筋肉が目立つ。

  • 05/20/2018 読了。

    図書館から。

    気になっていたので、手に取りました。
    一時期、ブランチで特集してなかったっけ?
    ダヴィンチかな。

    似鳥さん、作品によってはまったりそうでなかったり…なんですが、今回は好みだった!!

    千坂さんあまり動かないけど、
    緑君とのやりとりがいじましくて…‼

  • 米澤穂信っぽい。馴染めない。

  • 4つの事件とも、トリック部分は、そんなことわざわざする?って事が続いて、苦手な部類のミステリかなと思って流し読んでたけど、最後の大オチでなるほど!と感心しました。

    語り手の緑くんが、天才ではない自覚はあるけど、それでも決して腐らずに、状況を的確に踏まえて、するべき事をする強さが好感度が高かった。
    時々友人に悪魔のようだと言われるほど、冷静に怖い事を言うのもいい。それが最後に、千坂と自分の今後の話をいい感じにまとめる所がすごく楽しかったです。
    悲壮な感じにも出来たテーマで、終始楽しく、明るい希望の中で終われたのすごく良かった。

    話題になる絵画の写真や説明があるのはとても親切だし、勉強になりました。

  • ミステリーと恋愛もちょこっと。最後に彼女の謎が明らかになる。

  • 1月20日読了
    画廊の息子で美術部員(部員は一人のみ)の緑川礼、緑川が才能を見いだした千坂桜、美術部に無関係なのにやたら顔を出す風戸翔馬。緑川が巻き込まれる密室不可能犯罪を千坂桜が解決するミステリー連作短編集。何より、犯罪が起こるのが絵にまつわる場所で、いろいろな実在の作品が時に解決するヒントとなってくるのがとても興味深く面白かった。もう一つ、一貫しているのが才能を持たない者の持っている者に対する嫉妬、羨望。悩める主人公を書きたかったそうだ。しかし、そのテーマは重くドロドロすることなく、しかし共感できる描き方でとても良かった。

  • 好きなものを、好きなように書いていいと言われたあの瞬間、彼女の世界は一瞬にして変わったのだろう。
    誰かに定められた世界から、自分自身で自由に飛び回れる世界へ。
    そして、その扉を開けた彼は、彼女にとってとても輝いて見えたのだろう。

  • 注釈が専門的な事柄の説明をしっかりしてくれるうえで、笑いもあって楽しい。一枚の絵画をヒントに謎を解明するスタイルも良かった。主人公の葛藤が物語に仄かな苦みと最後に温かみを添えてくれる。

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プロフィール

似鳥 鶏(にたどり けい)
1981年生まれ、千葉県出身の小説家・推理作家。男性。千葉大学教育学部卒業。北海道大学法科大学院在学中の2006年、『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、2007年に同作品で小説家デビュー。
2012年の『戦力外捜査官』が代表作。本作はシリーズ化し、武井咲主演でドラマ化された。

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