無貌の神

著者 :
  • KADOKAWA
3.73
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本棚登録 : 324
レビュー : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052693

感想・レビュー・書評

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  • もう終わってしまうのか…と思わず声に出る不思議な余韻が漂う短編集、幻想的なフィクションとわかってはいながら逢魔が時にふと迷い込んでしまいそうな現実感こそ夜市をも彷彿とさせるこれぞ恒川ワールドなのだろう。
    明治維新や太平洋戦争など日本の歴史物かと思いきや古代から近未来へそして世界中を駆け巡るバラエティパック、根底に流れるテーマは"解放"だろうか。
    作品の性格上爽やかな…とは言い難いがそれでも明日への風が吹き抜けるような六つのラストシーンは正に職人の技、巧いなと思う。
    だがやはり雰囲気程度にしか浸れない短さは惜しい

  • この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇!

  • はーお腹いっぱい。恒川さんの編み出す幻想的な世界観が大好物な一読者としては嬉しい新刊でした。帯に暗黒童話とありましたが、実際童話と呼ぶのに相応しい軽いタッチの読みざわりで、各話作品の雰囲気を楽しむものでした。個人的には恒川節の濃ゆ〜い倒錯的な幻想譚を読みたかったのですが、これはこれで。「死神と旅する女」や「廃墟団地の風人」がコンパクトで読み易かった。「カイムルとラートリー」はお得意の空想上の生き物(獣)もので、ラストにかけての話の運び方はお見事!の一言に尽きます。装丁がめちゃくちゃ綺麗なのも◎です。

  • ノスタルジック系もあり、西洋を彷彿されるような話もありな短編。
    無貌の神、青天狗の乱、死神と旅する女が面白かった!

  • 10:あああ好きなやつ……。幻想、怪奇、人の世と紙一重のところにある異界、異質さ。ヒトの愚かさや汚さ、どうしようもなさ、無常さが描かれる一方で、情や理性が輝いて見えるのかなと感じました。「カイムルとラートリー」、好きやわあ……。

  • 恒川さん、ジャンルとしてはホラー小説家ですね。私は原則としてミステリーとホラーは手を出しません。でも何人かの作家さんは例外的に手を出していて、恒川さんもその一人です。

    ホラー小説とは「恐怖を主題として、読者に恐怖感を与えるため(恐がらせるため)に書かれた小説。」だそうですが、恒川さんの作品はちょっと違うようです。確かにホラー的な残虐さは有ります。でもその残虐さは恒川さんの物語の世界感を浮き立たせるためのもので、後に残らないようなのです。ですからホラー小説と言うより幻想譚と呼んだ方が相応しい気がします。

    「無貌の神」「青天狗の乱」「死神と旅する女」「十二月の悪魔」「廃墟団地の風人」「カイムルとラートリー」の6編。連作ではなく、それぞれ独立した短編です。
    読み始めると直ぐに夫々の世界に引きずり込まれます。説明的な文章も無いのに、いきなり異世界にしかも何の抵抗も無く入らせてくれる。これが恒川さんの腕なのです。また、各短編が充分に長編化出来そうな異世界を持っているのに、詰め込む事をせずにかなりサラリと描かれます。「余白の美」のような気がします。
    もっとも印象に残ったのは「カイムルとラートリー」。柔らかく暖かなエンディングが一冊の締めくくりに相応しく感じました。

  • 短編集。以前読んだ本と似たような内容があったな。

  • 残酷さ、不条理さと優しさが同居する、深い余韻の残る幻想短編集。神話や伝説、民話を彷彿とさせる世界観に引き込まれ、まさに別の世界を旅している気分になる作品ばかりで、ずっと浸っていたくなる。
    連作というわけではないのだが、イメージは繋がり、囚われた人々の生きる上での選択が描かれる。
    『無貌の神』と『死神と旅する女』が特に好みでした。

  • ★4.0
    「かいむる、あぶなくない〜」

  • 残念ながら全く好みではなかった。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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