無貌の神

著者 :
  • KADOKAWA
3.73
  • (22)
  • (68)
  • (43)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 323
レビュー : 79
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041052693

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 久しぶりに初期の頃の恒川さんみたいな雰囲気を味わえて良かった。

    どこかにありそうで、やはりない世界。今の世界と同じようで、違う世界。
    破滅的になるのか救いがあるのか、緊張感がたまらない。
    表題作の「無貌の神」、「死神と旅する女」「廃墟団地の風人」「カイムルとラートリー」が好み。

  • こちらもファンタジーっぽくホラーっぽい短編集。

    ・代替わりしていく神様の話。その連鎖を終わらせたい決意とその結末。
    ・流刑地の復讐鬼の話。天狗のお面。
    ・なぞの男に使われる無垢な暗殺少女の話。なぞの男の意図する絵を書くための絵筆は少女。
    ・影の男に追われる男の話。囲われた町と影の男たちに監視される主人公の真実。
    ・空から落ちた風の精霊の話。精霊が人になるための決断と,大事な友達。
    ・人語を話せる神獣と心を許した王女の話。カイムルかわいいよカイムル。

  • ★2017年3月18日読了『無貌の神』恒川光太郎著 評価B+

    短編6作品 それぞれの関連性はない。やはり表題作が出色か?!
    恒川氏らしいミステリアスで良質な作品が並んだ。彼の作品は、高レベル安定。ただ、前作のスタープレイヤーやヘブンメイカーのような新境地も積極的にさらに広げていって欲しい気がする。

    1.無貌の神 戦中から戦後の田舎にあった貌のない神様に支配された村

    2.青天狗の乱 江戸時代の伊豆諸島流刑地に現れた青色の天狗が悪役人に天誅を下す。

    3.死神と旅する女 死神の手先となって約束の77人を殺害したフジとその死神が描いた未来図とは?

    4.12月の悪魔 影男に自分の思い出を食われた男女は、実は社会から抹殺された無期懲役または要注意人物だった。

    5.廃墟団地の恩人 風に戻れなくなったサブロウは、唯一の人間の友達裕也を助けて犯罪者の肉体を乗っ取る

    6.カイムルとラートリー 人の言葉を話す崑崙虎のカイムルと彼を誕生日プレゼントとして貰った第三皇女のラートリーのお話

  • 「スタープレイヤー」シリーズも楽しんでいますが、作者の神髄といったらやっぱりこういうホラー系統の話、だと私は思っているので、今回の短編集はとても楽しみで、かつ読んで大満足でした。
    日常と非日常がひそやかにまじりあっている世界観、グロテスクばかりではなく、大きな暗い穴を覗きこまされているような茫漠としたおそろしさ。一見淡泊な文章に紡がれたその奥行き知れない異世界が、とても魅力的なのです。
    表題作の人知を超えた無慈悲さ、死神と少女の奇妙な旅道中、とらわれた獣と少女の半生…短編で描かれるのはどこもこの世にはないものであるはずなのに、気が付けば情緒を感じ、この世界の裏側にひそやかに佇んでいるような、そんな質量を感じました。
    とても素敵な、そして恐ろしい、お話たちでした。

  • 晴らしい!!
    恒川さんは新刊出るたびに絶対買う作家さん。
    今回は従来の恒川ワールドで
    読み終わった後『夜市』を読んだ時と同じような感覚になった。
    美しいホラー小説。
    幻想的で文章が美しい短編6話…
    恒川さんならではの作品ヾ(≧∇≦)〃。

    個人的にはこの3編がお気に入り→
    『青天狗の乱』噂話、真相は誰にも分からない。
    『死神と旅する女』死神の絵筆となった女の子、その後の顛末。
    『廃墟団地の風人』一人の寂しい少年と意識がシンクロした時…
    この話は想像がついた終わりだけど表現が美しくw(*゚o゚*)wおぉと思った。

  • 短編集。
    表題作の無貌の神は、べつにクトゥルーの神とは関係なし。

  • 短編集。
    少しブラック。大人の童話。
    よく考えると少し怖いといったところ。
    すっと読めた。

  • 伝奇ホラー短編集。幻想的で美しい雰囲気を持ちながらも、案外と残酷で凄惨な物語が多いです。でも嫌な感じよりもむしろ神秘的な印象が強いかも。
    お気に入りは「死神と旅する女」。一見とてつもなく恐ろしい物語のように思えたのだけれど。「死神」の目的を考えてみると、こういうのがあってもいいのでは、と思えてしまいます。フジの成長も読んでいてすっきりさせられるし。
    表題作「無貌の神」も印象が強い作品。「神」も怖いのだけれど、なんの疑問も持たずに暮らしている人たちの姿がとても怖く感じました。でもこれは、現実に当てはめてみてもあることなのかもしれません。

  • 貌のない神は、喰う。赤い橋の向こう、世界から見捨てられたような禁断の地で、代々受け継がれている奥義とは? 暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す暗黒童話全6篇。

    最近作風が変わってきた恒川光太郎だけど、この短編集冒頭の表題作はかつての作品を髣髴とさせる暗い、救いのない短篇で、「これは私の好きな恒川作品に近い!」と感じさせるものだった。他の作品も怪談専門誌「幽」に連載されたものだけあって、どれも趣のあるものだった。
    (A)

  • 「夜市」は超えられない

全79件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

無貌の神のその他の作品

無貌の神 (角川ebook) Kindle版 無貌の神 (角川ebook) 恒川光太郎

恒川光太郎の作品

ツイートする