作品紹介・あらすじ
噎せ返るほどの血の臭い。人の残骸。その傍に立った彼女は極めて冷静な表情でわたしを見つめた――。 サワメグとアズの出会いを語る、「おにぎりスタッバー」前日譚。
感想・レビュー・書評
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おにぎりスタッバーの前日譚.前作では明るく見えていたサワメグの壮絶な過去を描いている.前作はファンタジー要素が強く,独特な文体も相まってサクサク進む,コミカルな作品という印象だったが,本作はうってかわっていじめや離婚,また友人が殺人被害者になるということもあり,テーマとしても死が重要なものとしてあることから,内容として重い印象を受けた.記憶と人格の連続性などやや哲学向きな問題にも焦点が当たっている.前作の内容を知っているからこそ展開が読めないところがあり,うまく作られている作品だと思った.
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「おにぎりスタッバー」の前日譚かと思ったらそうでもない。魔法少女サワメグを語り手とする彼女の物語。サワメグがどのように生まれ、魔法少女となり、鬼娘アズと出会ったかが語られます。改行も殆ど無く隙間なくページを埋める文章もすいすい読めるのは、大澤氏の力量と引き込まれる物語の魅力ゆえなのでしょう。前作もそうでしたがエピローグがとても綺麗。良い小説でした。続いてくれるといいな。
大澤めぐみの作品