地獄の道化師 (角川文庫 緑 53-12)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053126

作品紹介・あらすじ

赤地に白い水玉模様の衣装に身を包み、三日月型に裂けた大きな唇に無気味な笑いを浮かべる「地獄の道化師」。残忍な猟奇殺人を重ねる犯人に、冷静な推理で対決する名探偵明智小五郎。抜群のトリックで魅了する本格的推理の傑作!

感想・レビュー・書評

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  •  車から落ちた裸婦像。その中に封じ込められた女の死体。 そんなショッキングな場面から始まる表題作。まさしく乱歩の世界。 同様に像の中に死体を封じ込める描写はいくつかの作品で見かけたはず。また、美しい男女を剥製状にしてコレクションする作品もある。 ピグマリオンという言葉を知ったのも、乱歩を読んでいたからこそだが、このような形の愛着は、当時よりももっと一般的になってきているのではないか。 フィギュア。美容整形の一般化。男女を問わない肉体の改造指向。 現代版黒蜥蜴がどこかに美の屋敷を持っていても荒唐無稽とも言えない。  「猟奇の果」はSF仕立てでどこかに子孫的作品がありそうな内容。 解説では、出版社側の無理強いで登場となった明智小五郎の存在が作品を首尾一貫しないものとしてしまったとある。 他の作品にも言えることだが、連載の途中での路線変更を感じる場合があり、矛盾や竜頭蛇尾の思いを抱くこともしばしば。致し方ないことと思いながらも、より高度に昇華した「完全版」を求めてしまう。 さすがに、まだ子供には読ませられない一冊。

  • やっぱり江戸川乱歩は短編が好き。更に言えば、個人的には明智小五郎が出て来ない話が好き。収録されている「猟奇の果て」は最初は楽しかったものの、明智小五郎が出て来てからは何だか不自然。前半と後半で違う話みたい。

  • 表題の作品よりも、『猟奇の果て』が気になる。少々後半が詰まっている気がするが、雰囲気が好き。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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