孤島の鬼 (角川ホラー文庫 24-7)

  • KADOKAWA
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053249

感想・レビュー・書評

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  • 表題作のほかに「湖畔亭事件」も収録。
    初読。乱歩の長編で未読のがあったとは迂闊だった。
    前半は密室殺人で後半は孤島での冒険。純愛+ミステリ+BL+フリークス+暗号と盛りだくさんな内容で、読み終わってみると偶然が重なり過ぎとか色々展開に疑問はあるが、乱歩の真髄が詰まってる感じでおどろおどろしく、(良い意味で)気持ち悪い。
    やはり乱歩はすごいね。

  • 本当は創元文庫版を買おうと思っていたんですが、レビューで「素晴らしい挿絵がかえって読み手のイメージを固定してしまう」みたいなコメントがあったので、あえて角川文庫版にしました。

  • 上質な密室トリックあり恐ろしい島と風習がありページをめくる手が止まらなかった。

  • 江戸川乱歩。初めて読んだかも?
    すっきりした文章書く人なのか。
    もっと読みづらいのかと読まず嫌いだったのでこれから読んでいきたい。

    孤島の鬼ー前半の殺人事件と後半の冒険談で雰囲気が変わり楽しめる。
    湖畔亭ー静養先のホテルの一室でやらかしてしまい、こそこそする羽目に陥る主人公が可笑しい。

  • エドガー

  • 震撼。
    読中、読後、
    まるで主人公の恐怖が滲んでくるように、
    なんとも形容しがたい感情に捕らわれます。
    何かに監視されているような…。
    夜中に読まない方がいいですね。
    また、
    乱歩の作品には完成された美が横たわっているような印象を強く受けますが、
    この作品も正にそれです。
    素晴らしい作品であることに間違いはないので、
    読書を溺愛する方なら避けては通れない作品でしょう。
    ただし、
    ホラーなんかが苦手な方は避けた方がいいです。
    きっとしばらく夢でうなされます。
    終始緊迫感に溢れる一作でした。

  • 綾辻行人「フリークス」を読んで以来、それがこの作品に対してのオマージュだったという事で気になっていた作品。友成純一氏は某所で猟奇小説の課題図書wにあげていたし。
    ミステリー仕立のこの作品、怖いというより気色悪い話で、乱歩のグロテスク、フリークス嗜好が堪能できる。

    角川ホラー文庫でも現在(2012年)には乱歩ベストセレクションとして再版されているみたいだが、創元推理文庫版の方が、当時のままの挿絵が入っていて、より気分が出るのかも。

  • 主人公から恋人へ、親友から主人公への、愛の表現に読む快感を覚える。葬式のシーンとラストが好き。また、前半のトリックの面白さ、後半の冒険小説のようなハラハラする展開は秀逸。ただ、現代の倫理観からは外れた表現、グロテスクな表現もあるので、好き嫌いは分かれる作品だと思う。

  • 鳥羽などを舞台とした作品です。

  •  若くして老人のような白髪の主人公と、不思議で大きな傷痕のある主人公の妻。他人からよく訳を聞かれるが、話してもなかなか信じてもらえない。また、長い話なのでいっそ本にしてしまおう――そんな触れ込みで始まる「孤島の鬼」
     ある宿で起きた、被害者も容疑者も消え失せてしまった不思議な殺人事件の真相を語る「湖畔亭事件」
     この2つのお話が収録されたのが本書である。

     すごいよ乱歩!と素直に喝采を送りたいミステリ作品。
     「孤島の鬼」、前半はいかにもミステリらしく殺人事件の謎解きが中心だが、後半は頭脳だけでなく肉体も駆使し、さしずめちょっとした冒険モノになっていて、わくわくどきどきしっぱなしだった。
     登場人物も、特徴のある変わりものの魅力的な人たちで、とても良い。
     現代でこういう話を書こうとすれば、「差別的だ」とかいって弾圧されちゃうのかな。「孤島の鬼」だけなら間違いなく星5つ付けてた。

     「湖畔亭事件」、主人公は逗留している宿で、ある仕掛けを使い、"覗き"を愉しんでいた。しかしある時その仕掛けから飛び込んできた映像は、男の持つ短刀とその凶器に倒れる女性だった。あわててかけつけるが、そこには何もなかった……と、不思議な殺人事件という点で共通しているから同じ本に収めたのかな。
     こちらは「孤島の鬼」ほどスケールは大きくないし、すべてがわかってしまえば単純なものだけど、それをうまく謎にして、楽しめるようにしてある。

     いやはや、本当にさすがは乱歩!脱帽しました。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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