人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)
- 角川グループパブリッシング (2008年5月24日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041053287
作品紹介・あらすじ
貧しい椅子職人は、世にも醜い容貌のせいで、常に孤独だった。惨めな日々の中で思いつめた男は、納品前の大きな肘掛椅子の中に身を潜める。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派な屋敷に運び込まれ…。椅子の皮一枚を隔てた、女体の感触に溺れる男の偏執的な愛を描く表題作ほか、乱歩自身が代表作と認める怪奇浪漫文学の作品「押絵と旅する男」など、傑作中の傑作を収録するベストセレクション第1弾。
感想・レビュー・書評
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念願の「押絵と旅する男」を読めた。
ビブリア古書堂の事件手帖で紹介されているのを読んでから、ずった気になっていた乱歩の一作。
気味の悪さはないが、奇妙で独特の雰囲気の漂う恋物語。
最後に、恋人二人が恥じらいながら挨拶をしたシーンがなんとも可愛らしい。二人の感情表現は、この一文しかないが、それだけで二人が幸せだと十分伝わってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
叙情的ホラーの短編集。
端的に言えば“狂ってる”人がたくさん出てくるし、よくよく考えてみれば有り得ない話ばかりなのに、どうしてか納得してしまうのは、その心情がなんとなく理解できてしまうせいなのか。
実際…自分のことは“まとも”だと思い込んでいるけれど、他人から見たらそうじゃないのかもしれないし、私自身この人ぶっ飛んでるなー何か境目にいるような人だな、と思うような人と知り合ったこともあるから、人間はどんなきっかけで一線を超えるかなんてわからないと思う。
想いが哀しい。そういう物語が多い。
奇妙な悲恋だったり、現実的に交わらない想いだったり。
最初は唯の恋、であったものが、偏って偏って哀しい結末を迎える様は、私も目にしたことがある。
表題作のほか、「断崖」「鏡地獄」「押絵と旅する男」が好き。でも全部おもしろかったです。 -
SNSでオススメしていた投稿を見かけ、江戸川乱歩という名前は知っているのに、作品は読んだ事が無いなと思い読んでみました。
1つの話の小説ではなく8つの短編物語が載っている推理小説でした。
"人間椅子"という章を読むのが目的で買いましたが、"目羅博士の不思議な犯罪"という章が1番面白く、興味深かったです。 -
短編集です。
表紙が牡丹?で美しいです。
「人間椅子」、「目羅博士の不思議な犯罪」、「断崖」、「妻に失恋した男」、「お勢登場」、「二廢人」、「鏡地獄」、「押絵と旅する男」の八編です。
気に入ったのは「人間椅子」、「目羅博士の不思議な犯罪」、「断崖」、「鏡地獄」、「押絵と旅する男」です。
人間椅子ってあらすじは何となく知っていましたが、本当は入れ子式のお話だったのですね。
「断崖」、「二廢人」は捻りが効いていて面白かったです。
年に数度、歯医者へ行くと口を開いたまま、目を閉じてしまうのですが、「妻に失恋した男」を読んでしまったからには、今後、絶対に目を閉じるわけにはいきません(笑) -
古い文体で読みづらい部分もありますが、それを補って内容に引き込まれます。狂気の描き方、また、オチもえっそうなるの?というものがあり、とても楽しかったです。
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めちゃくちゃ気味が悪いけど、すごいなと思った。
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相変わらずの気持ち悪さ。
これがいい感じ。 -
江戸川乱歩の短編は、あまり読んだことがなかった。
ひとつひとつの作品は、非常に良くできていると思うが、長編に比べると少し物足りない。
だが、これまで何回も読んだことがある『押絵と旅する男』は、非常にいい作品である。 -
本好きの父親の本棚に多く並んでいた江戸川乱歩。子どもには幾分こわかったはずなのに、好奇心を抑えられずに読んだことを思い出します。今になって再び読みたくなり、どこの出版社のどの文庫にしようかと迷って、大槻ケンヂ解説の本書を選択。収載されている8編に登場するのは皆なにかに魅入られた人。椅子の皮を隔てた感触、鏡の向こう、押絵の中の女性。こんなものを思いつく乱歩こそが変態だったろうと思うのですが(笑)、どうにも面白い。人間椅子にはちょっぴり座ってみたいけど、半殺しにされた蚤を顕微鏡で見ることだけはしたくないなぁ。
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人間椅子と、鏡地獄が一番 記憶にのこってる
もっと 江戸川乱歩ってホラーなのかな?と思ってたけど、今も変わらないものが 感じられる 良い物語ばっかりでした
著者プロフィール
江戸川乱歩の作品






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