芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2 (角川ホラー文庫)

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  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 1219
レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053294

作品紹介・あらすじ

両手両足を失い、話すことも聞くこともできない帰還軍人の夫。時子は一見献身的に支えながら、実は夫を無力な生き物扱いをし、楽しんでいた。ある日時子の感情が爆発し……表題作をはじめ9作を収録。

感想・レビュー・書評

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  • グロテスク

  • 芋虫・指・火星の運河・白昼夢・踊る一寸法師・夢遊病者の死・双生児・赤い部屋・人でなしの恋

    再読。
    妖怪を見ている気分になる。奇妙で、時に嫌になるくらい気持ち悪い描写があるにも関わらず、それでも怖いもの見たさで惹き込まれる。
    芋虫は「・・・」が多いのはもともとそういう仕様なのかと思っていたら、伏せ字だったとは知らなかった。伏せ字なしで読んでみたい。

  • 主人公の時子は、戦争で両腕両足を失くした上、話すこと、聞くことさえもできなくなった夫を、歪んだ情欲で支配する。ある日、情欲と憐れみと自己嫌悪の入り混じった昂りから、夫へ取り返しのつかない仕打ちをしてしまう。我に帰り許しを乞うた妻に、夫が遺したメッセージ。。。
    怖ろしくもあり、愛とはなんなのか、夫婦とは何なのか、を考えさせられた。

  • 江戸川乱歩の天才性がよくわかる
    解説がよかった

  • ホラーなのに観音感。

    自分なりの美しさを描いているようで話に吸い込まれていく。

  • いつも酒を飲みながら本を読んでいると言われそうですが、はい、たいていそうです(笑)。だって酒を飲みながら読書するのは至福の時間。アルコールが入っても覚醒するタイプの本もありますが、これは幻想世界に誘われて時おり眠気を催すタイプ。しかし夢うつつの状態で読むのにもまたピッタリ。鮮やかなる狂気、美しき変態とでも言いましょうか。

    装丁に惹かれて揃えた江戸川乱歩ベストセレクション。2巻目に当たる本作の表題作は『芋虫』。これをモチーフとした映画『キャタピラー』が強烈で、いまだに大西信満を見るとあの芋虫のような映像が頭に浮かび、眉間に皺が寄ってしまいます。しかし映画ではどうしようもない人柄に描かれていた「軍神様」が、この本では妻のおもちゃになっているかのよう。まるで異なるイメージに驚愕。

    今の時代のホラー作家にも乱歩を読みあさった人は多いのかも。古めかしいのに、いつまで経っても新しい。

  • 江戸川乱歩の中で一番好きな作品「芋虫」。匂い立つような陰湿な感じと卑猥さがギリギリのバランスで成り立っていると思う。

  • 表題作「芋虫」が読みたくて手に取りました。
    元々探偵小説はあまり読まないのでなんとなく江戸川乱歩も手を出して来なかったのですが、このシリーズは怪奇小説の短篇集で面白いです。
    「芋虫」は戦争で五体不満足となった夫を表現していて、腕も脚もなく這いずり回る様子がなんとも不気味でありつつ、その夫を愛でる妻が生々しく妖艶でした。
    個人的に「赤い部屋」の狂気に満ち満ちて陰鬱としていながらも幻想的な描写が、最後のトリックでパッと光を浴びる瞬間の潔さが好きです。
    また「芋虫」「人でなしの恋」など江戸川乱歩は女性の描写が上手くて、怪奇話でありながらも決して所謂心霊現象などではなく生々しい狂気の話で、その中にも幻想的耽美的な表現が多く、不気味な美しさを魅せるのが上手いと改めて感じました。

  • 陰鬱でドロッとした赤黒い感じの話ばかりで面白かった。「芋虫」はずっと読みたかったからやっと読めて良かった。

  • みんな気持ち悪いとかグロいとか言うけど、私はどっちかっていうと切なくて辛かった…。「ユルス」で涙腺がやられた。

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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