芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2 (角川ホラー文庫 え 1-2 江戸川乱歩ベストセレクション 2)
- 角川グループパブリッシング (2008年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041053294
作品紹介・あらすじ
両手両足を失い、話すことも聞くこともできない帰還軍人の夫。時子は一見献身的に支えながら、実は夫を無力な生き物扱いをし、楽しんでいた。ある日時子の感情が爆発し……表題作をはじめ9作を収録。
感想・レビュー・書評
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『江戸川乱歩異人館』って漫画から江戸川乱歩に入りました(漫画も狂ってて最高)芋虫。タイトル見た時から嫌な予感はしてたけど大当たりしてしまった。絶対みちゃダメよ!って言われてるものを覗き見している気分で読んだ。時子のきもちはわからんでもない。あんな閉塞感のある生活してたらああなる可能性は誰にだってある。短編なのに強烈な読後感。たまらんです。
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どの短編集も怪奇染みてて、超常現象なのでは無くて人間の異常な心情模様が描かれていた面白かった。
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乱歩の怪奇幻想の世界が描かれた短編集。『赤い部屋』『芋虫』は2回目だが、再読でも飽きずに読むことができた。『指』『火星の運河』『白昼夢』『踊る一寸法師』は特に怪奇趣味が全面に出ていた。
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「芋虫」もはや最高の愛のような気がしてきた。
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なんと奇怪な物語なのだろう、なんでこんな描写ができるのか…ゾワっとする心理的描写ごとても恐ろしい。人間椅子もそうだが、江戸川乱歩はやっぱりすごい!是非読んでほしい物語です。
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キャタピラーの原作。ユルス、のとこでちょっと泣ける。とても短い話なのに胸が詰まる。短いのに恐ろしく深い。
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乱歩の怪奇幻想小説集。大変おすすめな巻。表題作芋虫が有名ですが人でなしの恋が乱歩では一番好き。それは単なる夫のピグマリオンコンプレックスではなく、妻すらも嫉妬に狂って打ち殺してしまうほど美しい女性であったのである。
「人でなしの恋、この世の外の恋でございます。」 -
江戸川乱歩ベストセレクション第二弾『芋虫』です。
芋虫 他8編収録。
個人的におススメは標題の『芋虫』、『赤い部屋』、『人でなしの恋』ですね。
どんなホラーよりも一番怖いのは人間の狂気。
江戸川乱歩の作品を読んでいるとそんな思います。 -
やはり標題の「芋虫」が素晴らしい。
妻の倒錯した心理がヒシヒシと伝わる。
何気にこんな世界に憧れている自分もいる。 -
ヤンデレな子は気持ちがわかって好きだと思う
江戸川乱歩の中でも難しい話じゃなくて読みやすい -
独特な世界観かつ着眼点がおもしろい。
芋虫、赤い部屋、人でなしの恋 がお気に入り。 -
★3.5。
現在ではアウトな設定・描写が幾つかあることは否定できない事実ではありますが、書かれた時代を考えると、むしろこの作家の反逆性が際立つというもの。
また、こういう作品の扱いには「品」が問われるという気がする。例えばこの作家の作品の映像化の幾つかは、それを物語っているかなと。裏返して言えば、作家の上品さが作品をぎりぎりのところで止めているかと。 -
初めての江戸川乱歩小説。
って、最初からレベル高すぎた…?コワイコワイ(∩´﹏`∩)
ご飯時にふと思い出してウッ…となる。
でも中毒性ある。。長編にも手をだしたい!
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怖い。変な夢を見そう。でも読んでしまう。「赤い部屋」は以前にも読んだことがあったけど、やっぱり面白かった。次はもう少し長めの話が読みたい。
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小説でこんなに恐ろしい体験をできるのか。
戦争で手足を失った夫を介抱する妻。芋虫みたいになり、植物状態の夫を称えろという周りの人間。戦果中の同調圧力が気味が悪かったのと、芋虫みたいになった夫に対する妻の心情変化が最も恐ろしい。人間の根源的傲慢さ、ドス黒さをこれでもかと感じられる。戦争だけでなく、その中にいる人間が恐ろしい。 -
江戸川乱歩の作品の中でも、ミステリ色ではなくホラー色の強い作品が詰まった一冊。
乱歩の描くホラーには、体の内側を這うようなねっとりとした気味の悪さがある。それでも読み進めてしまうのは、どこか共感してしまうからではないだろうか。読んでいると、平生では片鱗さえみせない感情が刺激され、顔をむくりむくりとだしてくるのである。そして芽生えてきた、共感できてしまう自分にもまた恐ろしさを感じるのである。しかし私はその恐ろしさすらも愛おしく思ってしまうのだ。
私は、『赤い部屋』が1番のお気に入りである。
偶然を操り人を殺めていく語り手。自分にもできてしまいそうな、そして自分も同じように殺されてしまいそうな、そんな身近さを感じる。
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江戸川乱歩の入りとしては最適だった…気がする。
江戸川乱歩に持っていたイメージがそのまま文章になっていた。
短編全てが面白いわけではないけど、気にいるものは必ずあるはず。 -
はじめて江戸川乱歩の作品を読んだ。思っていたよりも読みやすく、かなり夢中になって読んだ。「芋虫」「指」「火星の運河」「白昼夢」「踊る一寸法師」「夢遊病者の死」「双生児」「赤い部屋」「人でなしの恋」の9つの話からなる短編集であり、そのなかでも「夢遊病者の死」と「赤い部屋」が好きであった。「夢遊病者の死」では夢遊病にかかっている彦太郎と父は仲違いをしており、ある朝、起きてみると父が亡くなっていたという物語であった。「赤い部屋」は全ての物事に対してつまらないと感じているT氏が赤い部屋の中で娯楽のために犯してきた罪を話す物語であった。江戸川乱歩の小説だけあって、「すっきり解決!」するような話が多いと思っていたが、むしろすっきりしないような、少し気持ち悪いような話ばかりだった。しかし、それはそれでとても面白く、また彼の作品を読んでみたいと感じた。
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いつも酒を飲みながら本を読んでいると言われそうですが、はい、たいていそうです(笑)。だって酒を飲みながら読書するのは至福の時間。アルコールが入っても覚醒するタイプの本もありますが、これは幻想世界に誘われて時おり眠気を催すタイプ。しかし夢うつつの状態で読むのにもまたピッタリ。鮮やかなる狂気、美しき変態とでも言いましょうか。
装丁に惹かれて揃えた江戸川乱歩ベストセレクション。2巻目に当たる本作の表題作は『芋虫』。これをモチーフとした映画『キャタピラー』が強烈で、いまだに大西信満を見るとあの芋虫のような映像が頭に浮かび、眉間に皺が寄ってしまいます。しかし映画ではどうしようもない人柄に描かれていた「軍神様」が、この本では妻のおもちゃになっているかのよう。まるで異なるイメージに驚愕。
今の時代のホラー作家にも乱歩を読みあさった人は多いのかも。古めかしいのに、いつまで経っても新しい。 -
表題作「芋虫」が読みたくて手に取りました。
元々探偵小説はあまり読まないのでなんとなく江戸川乱歩も手を出して来なかったのですが、このシリーズは怪奇小説の短篇集で面白いです。
「芋虫」は戦争で五体不満足となった夫を表現していて、腕も脚もなく這いずり回る様子がなんとも不気味でありつつ、その夫を愛でる妻が生々しく妖艶でした。
個人的に「赤い部屋」の狂気に満ち満ちて陰鬱としていながらも幻想的な描写が、最後のトリックでパッと光を浴びる瞬間の潔さが好きです。
また「芋虫」「人でなしの恋」など江戸川乱歩は女性の描写が上手くて、怪奇話でありながらも決して所謂心霊現象などではなく生々しい狂気の話で、その中にも幻想的耽美的な表現が多く、不気味な美しさを魅せるのが上手いと改めて感じました。 -
みんな気持ち悪いとかグロいとか言うけど、私はどっちかっていうと切なくて辛かった…。「ユルス」で涙腺がやられた。
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昔読んだ芋虫がどうしても読みたくなりまた読みました。
芋虫って題名が好きすぎる・・・
あの状態を芋虫と表現するとは・・・。
赤い部屋の感じ結構好きだな!
あのちょっとクトゥルフっぽい感じww
全体的にやっぱりこの人の文章はなんか気持ち悪いww
やっぱりポーさんぽい! -
江戸川乱歩は小学生の頃少年探偵団シリーズを夢中で読みあさって以来で何となく懐かしく読みました。
イメージ的にはエログロなイメージだったんですが表題作の芋虫には正直心臓をわしづかみにされた位衝撃を受けました。
須永中尉のとてつもない優しさとユルスの文字。
それを書いた時の須永中尉の気持ちを考えるととてもやりきれない気持ちになりました。
また人でなしの恋はとても切ない悲しい物語でした。
乱歩の懐の深さを伺い知れる短編集だと思います。 -
怖かった…
芋虫よりも、めくらの男が次々とキレイな女をさらって殺していく『盲獣』が怖かった。 -
ベストセレクション2。表紙が違うけれど。
手に取ったのは結構直接的なイラストでした。
いくつかの短編集。
解説 三津田信三氏
『ほとんど超常的な現象が扱われず…いわゆるサイコ・ホラーである。』
ソレダ!!ホラー(日常系?)とか、自分の語彙力の無さに凹む…。
だからこそ物語が終わってもその後を色々考えてしまい、じわじわとしたものが残る。実際起こり得そうな話だからこその怖さがある。
是非読んでくださいね。
では~
是非読んでくださいね。
では~