陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション (4) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 615
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053317

作品紹介・あらすじ

探偵作家の寒川に、資産家夫人、静子が助けを求めてきた。捨てた男から脅迫状が届いたというが、差出人は人気探偵作家の大江春泥。静子の美しさと春泥への興味で、寒川は出来るだけの助力を約束するが、春泥の行方はつかめない。そんなある日、静子の夫の変死体が発見された。表題作のほか、愛する女に異常な執着を示す男の物語、「蟲」を収録。男女の情念を描いたベストセレクション第4弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「蟲」が読みたくて再読。

    陰獣がいちばんすきなんだけど、
    乱歩の中でもかなり良作でビギナーにもおすすめな「陰獣」といちばんの変態作である「蟲」を一緒に収録するか!?角川よ!と思ったのだが(盲獣、闇に蠢くあたりも相当に変態だが)。まあお得ではあるかな。

    「悪魔の恋であった。地獄の恋であった。それゆえに、この世のそれの幾層倍、強烈で、甘美で物狂おしき恋であった。かれはもはや芙蓉のなきがらと別れるにしのびなかった。彼女なしに生きていくことは考えられなかった。この土蔵の厚い壁の中の別世界で、彼女のむくろとふたりぼっちで、いつまでも不可思議な恋にひたっていたかった。」(「蟲」より)

    …なんか切なくなる。

  • やっぱり、乱歩はエログロがいいわけで・・・。

    「陰獣」まぁまぁ、オチがわかったけど、
    「蟲」はすごいひきこまれた・・・
    あまりのグロさと、陰惨さに・・・。

  • 「陰獣」だけ読み終わった。「蟲」は時間切れ。

    静子の体温の描写がねちっこく病的で触ってみたい感じがする。読みにくくはないけどなんか最初から最後まで気温がおかしい。
    芍薬の大きな花束。

    江戸川乱歩を読もうと思ったのは恩田陸の「日本に乱歩がいてくれて本当によかった」からなんだけれども、なんとなくわかるような気がする。
    こういうことやってみたい、て書いてくれたっていうのは。
    パノラマ島読みたい。

  • 自身江戸川乱歩の読書デビュー作品。陰獣は正面から攻めて行くが、同本収録の蟲は嫌なところを攻めてくる感じ。蟲に感しては後半が非常にグロテスクな表現が散乱しているため、苦手な人にはオススメしない

  • 「陰獣」と「蟲」の2篇。
    陰獣。探偵小説だが、一捻り二捻りが加えられている。依頼者と恋仲になるというところ。事実関係が一転し、逢瀬を重ねていた彼女を犯人と糾弾するところ。そして最後の章、苦悩に苦しむところ。
    犯人側の心情を細やかに描写することで人の心を持っている一介の人間だと強調する。一方で探偵に淫らな行為をさせたり苦悩に苦しませたりするなど正義を与えないこともある。一筋縄ではいかないところが彼の作品の良さではないか。

    蟲。厭人性の男が人間関係の中で失敗を重ね、恋と恨みとその他を溢れかえさせるもの。一貫して男の立場から描かれている。彼のしたことは常軌を逸しており微塵も共感の余地のない残虐極まる行為だが、そこに至る彼の動機の一つ一つは理解できる。いや自分が共感してしまうものも多くあり、恐ろしく感じた。

  • 二作品とも魔性の女と翻弄される男性の話、化物屋敷のような土蔵での一時の愛とその終わり。

    芍薬の花束の中に隠れた乗馬鞭、うなじから覗くミミズ腫れ、締切った土蔵で物言わぬ恋人に語りかけ続ける男、フェチが山盛りで飽きない。
    寒川は途中で恋の夢から正気にかえりそれを悔やんでいるそぶりもあったけれど、柾木は孤独な陰獣の性根のまま、恋人の腐敗にも蟲にも負けず執着し続けこの世から退場してるさまがなんとも対照的で好き。

  • 「陰獣」「蟲」どちらも、人の多面的な性質と、発狂するに至る道程がすごく面白かった。「陰獣」のラスト、事実を決めつけず曖昧にし、不安を煽る感じがとても好き。

  • 気違い、この本で何度も出てきた言葉だが、2作ともその言葉が当てはまる異常な世界観があった。
    江戸川乱歩は、芋虫を昔読んだことがあるだけで、初めて2作一気読みをした。
    陰獣は、二転三転していく様がミステリー要素満載で、とても面白かった。きっと小中学生の時に読んでいたら理解できないような人の性癖が出ており、その欲に対する貪欲さが恐ろしかった。
    蟲は、一定の常識では理解できない異常な愛に包まれていた。
    この作品は、考察したら楽しそう。
    人間の本質は、もしかしたら誰にでもこうした気違いさがあるのかもしれない。
    もっと乱歩の作品が読みたくなった。

  • 陰獣よりも、蟲の方が面白い。

  • 高校1年のときに夢中になって読んでた。表題の淫獣は非常に面白かったと記憶している。エロとサスペンスのバランスが絶妙で長さもコンパクトにまとまっていてたはず。
    あんまし、内容は覚えてないや。

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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