孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 1046
レビュー : 105
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053348

感想・レビュー・書評

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  • 江戸川乱歩氏の小説の面白さをわたしに教えてくれた本。
    短編集で「芋虫」を読んで、
    乱歩はあわないかなとおもってそれっきり敬遠していたけれど、とあるきっかけで読んだらものすごく面白かった。
    文章が扇情的で、ぐいぐいと引き込まれる。先へ先へとよませるミステリーだと思った。
    最後の一文が、なんとも胸にぐっと来る。

  • 「傴僂」という今はもう使われなくなった言葉が、この物語の不気味、異常さ感じた。

  • NHKの深読み読書会「江戸川乱歩“孤島の鬼”」が放映されるのを機に読了。
    番組で言われていた「(乱歩ワールド)全部入り」「本格探偵小説と怪奇冒険小説のキメラ」という紹介になるほどと思う。
    長編の乱歩も良かった。

  • 問題作であり衝撃作。
    身体に障がいのある方が読んだら、また違った感想が出てきそうです。
    ナイーブな問題をテーマにしてありますが、そこはそこ、優しい。
    しかし胸が痛む。
    昔はこんなにも虐げられていたのかと連想してしまう。
    敢えてテーマにしたのは、内容の流れから言えば乱歩の優しさだと思います。
    誰が犯人か分からず、右往左往させられました。

  • 主人公の美青年と美少女が恋に落ちるのはまぁ普通のことだし良く分かる。しかし、そこにさらに美青年が美青年に恋をしてぐるぐるした人間関係と、密室殺人などが絡んできた。もう一人の同性愛者で美青年の諸戸道雄さんが可哀想でした。これで年末の読書会番組にそなえられた感じで楽しみです!!

  • 主役かと思っていた探偵が突然死ぬところから謎解きが始まる。江戸川乱歩は少年団・冒険譚の話が中心かと思っていたが、同性愛や障害者を生々しく描く。ほのおどろおどろしさから、読めない漢字も何となく読めてしまう。

  • 学生T、高校時代の後輩からのおススメ。「中学時代の私でも読めたのでホラーが苦手な人でも読めるはずです。話も一つ一つが短いので、読みやすいですよ」

  • ひさびさの乱歩。しかも初の中篇。あいかわらず乱歩しか書きえない世界。衆人環視での殺人事件など謎解き要素があるのでミステリに入れているけど、個人的には幻想文学だと思っている。
    あまりの恐怖体験のため一夜にして白髪になってしまった蓑浦。彼の回顧録という形で語られていく異様な物語。婚約者の初代が殺され、蓑浦は自分に懸想していた諸戸道雄を疑う。友人の探偵深山木に調査を依頼するが、真相を掴んだと彼が告げた直後、衆人環視の海水浴場で殺されてしまう……

    とまあ、ここまでを書いても面白い展開なんだけど、ここからさらに蓑浦は諸戸とともにある島へ乗り込んでいくことになる。そこへ行くきっかけとなる手記の内容もすごい。

    今の時代だと逆にいろいろ引っかかって書けないものを題材としている。差別的表現も頻発するし。でもそれさえ気にしなければ、とにかくめくるめく面白さ。ラスト近くは冒険小説のような展開にもなる。

    この作品の面白さは蓑浦と諸戸との同性愛的関係が描かれているところだと思う。諸戸は物語上、重要人物でもあるけれど、かなり蓑浦に都合のいいように描かれている気がしないでもない。肩入れするほど好人物とは言えないが、最後まで読むと気の毒に思った。

  • 江戸川乱歩の傑作集が気に入ったので他の作品も、と思い購入。傑作集の、人物心情描写巧みな推理ものとは一線を書くものを読んでみた。
    現在ではこのような話は出版できないだろう。主人公簑浦の婚約者が殺害され、謎を解いていくところまではよくある話。簑浦に対する同性愛的な恋情を抱く諸戸の登場。自らに対して非道な行いをした者への恨みとして健常者を撲滅する目的で奇形の者を人工的に産み出す諸戸の「父親」、それを金儲けではなく自らの悲願として地に手をついて息子に協力を頼むところが個人的に一番ゾッとした。
    読んでいくとゾッとする中で、諸戸の簑浦に対する恋情とそれを知ってて振り回している❨ようにしか見えない❩簑浦のやりとりの一種の耽美性と歪みとがとても際立つ。その意味もあり、読後はぼーっとしてしまい、普段自分は同じ本を続けて二度読むことはないが、2回目をじっくり読むほどであった。

  • おそらく高校生頃から読もう読もうと思ってずっと読んでいなかった本。
    その間に漫画も3種類かな?でて全て手に入れて2作読んでからとうとう読んでみた。さすがに何種類も読んでると漫画化にあたって削られた部分も違う作家さんによって補い合われていてそこまで発見はなかったがそれでもなるほどそういうことかと思う部分もなくはない。親方が諸戸の両親の実の息子だとか。
    あと漫画でもどう解釈していいのかわからなかった君の頭、真っ白だよ。の部分の道雄の笑顔。「道雄はそういって妙な笑い方をした。それが私には泣いているように見えた。」の文が印象的。面白がってる笑顔でもなく悲しんだ顔をするわけでもなくこの笑顔はなんだろうと思っていた部分。文で読んでもはっきりとはわからなかったのだけどあの絵は泣いているような笑顔を表したのね、と。これは漫画を読んでいなかったらさらっと読み流してしまったかも。
    初めて原作を読む江戸川乱歩。ちょっと見慣れずに読めない漢字がでてくるものの文章自体は想像以上に読みやすかった。面白かったー

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著者プロフィール

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
1894年10月21日 - 1965年7月28日
日本を代表する小説家・推理作家。三重県生まれ。ペンネームの江戸川乱歩は、小説家エドガー・アラン・ポーに由来。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任した。代表作に『D坂の殺人事件』、『陰獣』、『孤島の鬼』、『怪人二十面相』、『幻影城』、『探偵小説四十年』など。少年探偵団シリーズは絶大な人気を博した。

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