いつか春の日のどっかの町へ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 133
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053782

作品紹介・あらすじ

40歳になった年、8年間活動を休止していた筋肉少女帯が再結成。その後、フジロックやロックインジャパンフェスティバル、アニメロサマーライブにも参戦し、音楽活動では人生何度目かのピークを過ごしながら、心の中には常に「アウェイ感」がつきまとう。このままでようのだろうか、この先どうしたらよいのだろうか。これまでの人生でやり残したことはないのか。それが見つかるのだろうか―ー思い悩んだ挙げ句、楽器店でギターを購入した大槻ケンヂの挫折と挑戦と成長の日々。
「有限の人生の中で、でもどこからでもいつからでも人は新しいことを始めることがきっとできるのだと思うし、そう思った方が楽しいよ、という、おせっかいです」Byオーケン
笑えて泣ける、私小説!

感想・レビュー・書評

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  • まえがきにて、「いつもの調子でサクサク読める」「お風呂につかりながらや寝しなに、サッと読める」と述べられてますがまったくその通り。いい塩梅でのほほん、サクサクと読めてちょっと笑えます。

    ギターとか音楽あまり知らないよ、という方でも楽しめると思います。大槻ケンヂ(オーケン)もそれらに詳しいわけではなく、難しい理論や説明は全然出てきません。でもなぜかライブの描写は読んでて景色が浮かぶんですよね。グッとくる。不思議。

  • 40過ぎになってギターを始めたオーケンのエッセイ。あるいは私小説。

    オーケンの本を読むのは久しぶり。ギターのことはよくわからないが、1日で一気に読んでしまった。読みやすい。

    若い時は、自分の内側から湧き出る衝動を原動力に、一人でも新しいことを始められると思う。しかし、いい歳になって新しく何かを始めるには、それだけでは足りないと感じる。人との出会いや別れ等、外的な要因が補助エンジンあるいはスターターとして必要なんじゃないか。この本では人との死別に行動が後押しされていると感じた。

    正直、それはオーケンだからできるんだよね、と思ってしまう部分もある。あとはやはり人との関わりだなと思った。でなきゃ、ライブできないし。表現者でなくとも、ライブでなくとも、それ続けるために人前に出るなり自分を晒すなりすることは必要だろうな、とも思った。

  • 人間の芯のところは、歳をとっても変わらない。
    傷つきやすいキラキラしたところが
    扉の向こうにちらっとみえるから、
    気になるし、もっと知りたくなる。

  • ちょっとしゃべるギターいいな。

  • 始まり方と終わり方がすごく好き。
    文章の造りがほんとうに上手で、"少しだけしゃべるギター"とか、今までの話の伏線を本当に綺麗にまとめてあって、完璧にすきです。タイトルも、表紙も、いいなあ。
    というか、もう、大槻ケンヂさんの文章の書き方がツボ。思っていたよりも暗い話は多かったけれど、新宿渋谷しんじゅく!のとことか声出して笑ったし、文章から大槻ケンヂさんの優しさが滲み出てて、読んでて優しい気持ちになった。
    わたしも何か始めてみたい。わたしも10代でギターを諦めた人間だったけど、またギターもいいな。四半世紀も生きてないわたしなんて、まだまだ、なんでもできちゃうんだろな。

  • 20190213

  • 永遠も半ばを過ぎて 中島らも 「四十にして惑わず」とは、言わずもがな孔子の言葉である。 声は潰れ『犬神家の一族』の"スケキヨ"のようだ。 それはプログレッシブ・ロックの名盤『タルカス』であった。 実に厳しいこれは小学生ピンクレディー大喜利である ガッドとは羊などの腸のこと 覚え方としてジャンジャカを『新宿』、ジャガジャを『渋谷』と歌うと覚えやすい。 高石ともや ゴダン ギルドのD-25 憂鬱とはつまり、集中力なのだ。 性欲の代替行為なのかもしれないよなぁ… ギターを抱えた大仁田厚以外の何者でもなかった 薫陶 石川浩司 46歳の通過儀礼の旅が 遠藤賢司 戸川純 いんぐりもんぐり 大阪泉大津フェニックス 高田馬場のヘッドロックカフェという小さなバーである やつらの足音のバラード ギターコードは短歌や俳句のようにある程度の型がある それこそギターを始めたばかりの中二の少年のように 谷山浩子 Jの理論 妄想愛娘とギター散歩 あの大槻ケンヂでさえ40代ともなれば父性に目覚めるということなのであろうか 少しだけ喋るギター 40代半ばにして突然、弾き語りの練習を始めた男の持っていたギターが、この先、どういう経緯なのか高校生くらいの、滅茶苦茶にうまい少年ギタリストの手に渡る可能性だってないことはない。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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