本日も教官なり

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 411
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053904

作品紹介・あらすじ

S字、クランク、ロックンロール!

豊士の教習車には今日もさまざまな人が乗り込む。カレシに飲酒運転をさせまいと教習所に通う佳世。就職先で免許が必要な大学四年の七八。孫娘の幼稚園送迎のため69歳で免許取得を目指すしの。彼ら教習生に対し紳士的に接することを心掛ける豊士。だが、それどころではなかった。17歳の娘が妊娠したというのだ。若い男女の教習生は、ついつい娘とその相手に見えてしまう。加えて現カノジョ・万由とは徐々に疎遠に。元妻・美鈴との再会がそれを加速させる!? どうなる、ロック中年・豊士!!

感想・レビュー・書評

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  • 自動車教習所の教官が、離婚して離れて暮らす妻と娘と娘の妊娠を機に接点を持つようになり、教習所の生徒たちとの会話を通して、人生や家族について考え進んでいく話。

    読みやすく、温かく、元気をもらえるような話であり、表現だった。
    45歳のオジサンといいつつ、若い人にも負けない真っ直ぐな気持ちと、誰に対してでもキチンと謝れる潔さや、言いにくい事でも真摯に向き合い提案する誠実さで、周りの人達からの信頼も厚い。
    ギクシャクしてた娘との関係も、徐々に良くなっていく。
    こんな人味方にいたら、強い気持ちを持てるなぁ。
    完璧なわけではないけど、人に対する接し方が優しく心がこもってるのが伝わるから、相談したくなるんだろうな。

    きっとお孫ちゃんが産まれた後も、離れている家族とはいえ、距離感良く、上手く関係性を築いていくんだろうな。

    どんな時でも味方になってくれる家族がいることは、自分を強く前向きにさせてくれると思う。


  • ① この本を選んだ理由
    筆者のファンなので。
    筆者の作品は全部読みたいなと思っています。


    ②あらすじ 
    45歳のバツイチの教習所教員の物語。
    日々の新しい出会いの中で、ゆっくりと前へ進んでいく。


    ③感想
    豊志の心の声が面白い。離婚しているわけではないが、同年代ということもあり、いろいろなことを考えるあたりが自分に重なった。


    ④心に残ったこと
    やはり、この年齢になると、何か一つでも好きなもの、知識が長けているものがあると、かっこいいな、と思った。、


    ⑤登場人物 
     
    益子 豊志 45歳
    岡 美鈴 元妻
    岡 美月 子ども

    万由 44歳 豊志の恋人
    高梨 妻の恋人

    深谷 陸
    深谷 修子
    深谷 基行

    (四つ葉自動車教習所)
    近藤所長 53歳
    加島 51歳
    津村 良太 28歳
    小西 陽南子 26歳


    (ソーアン)
    吉野 草安 55歳
    冬香 38歳

    (教習生)
    林田 佳世
    川口 成巳
    野地 萌花
    池沢 蘭
    麻生 七八

  • ロックをこよなく愛する45歳 益子豊士
    11年前に離婚した妻から、突然の電話で高校2年生の娘が妊娠したことを知らされる
    「教官は、紳士たれ」をモットーとしているが、さすがに動揺は隠せない

    11年ぶりに再会し、その成長ぶりにドキドキしながらも、何とか娘の力になってやりたい、娘第一に考えてやりたいという親心、でも、うるさがられはしないか、嫌われはしないかと、距離感をどう保てばいいのか戸惑う益子さん
    娘に対する父親ってこんなものなのだろう

    でも、娘の高校を訪ねた帰り、益子さんは言った
    「美月、胸を張って、産めよ」

    「大人ってのはさ、バカなんだよ。どうでもいい肩書に見事に振り回されたりする。中卒よりは高卒をエラいと思ったりする。バカなのを自分でわかってたりもする。でも、ほぼ全員がそうだから、世の中がもう、そういう仕組みになってる。それは変えられないんだ」

    「おれも高校生のころは、大人は大人だとおもってた。なってみて、わかる。大人って、言うほど大人じゃねえんだよ。最低限のルールは守るようになるくらいで、それ以外は大して変わらない

    高校をやめ、シングルマザーとして出産することを決断した娘に対して、これからいろんな世の中の常識や好奇の目と闘わざるを得なくなる娘に対しての父親からの心からのエールの言葉なのだろう

    益子さん、ロックだぜー!

    自動車教習所の教官としての益子さんの姿勢にも、誠実な人柄が滲み出ていた

    最初の方は、文章がブツブツ切れて読みにくく、挫折しそうになったが、他の方のレビューを読んで、もう少しもう少しと読み進めたら、最後には、すっかり益子豊士さんのファンになっていた



  • 11年前に離婚した教習所の教官益子、別れた妻と暮らす高2の娘が妊娠したという。
    元夫だけれど父親、娘に会えるのは嬉しいが、現実にブルーにもなっていた。

    益子がとにかく魅力的。
    著者の作品に登場する多くの男性の様に、ゆるい雰囲気をまとっているのに、一本芯が通っている。
    教官としても、生徒達との距離感がとてもいい。
    こんな教官の元で免許取りたかったなと思います。

    娘の問題にもきちんと向き合い、程よい距離感で助け船を出す、そんな姿に好感が持てます。
    父親はどんなことがあっても娘を嫌いにならない、そんな深い愛情にもグッときました。

    著者の作品にはハズレ無し。
    胸の奥がポっと暖かくなるような、素敵な作品でした。

  • 冬香さんの息子がすごくよかった。

    免許合宿のときのこと思い出す。
    みんなで王子って呼んでた教官もいた。
    懐かしい。

  • 43しっかりとした大人のお話し。こんなに冷静な人でありたい。孫かわいいやろうなあ。

  • 先日『ひと』を読んで気になった小野寺さん、途中までは「どうかな~」という気で読んでました。
    離婚後11年会っていない主人公の17歳の娘が妊娠したというのが物語のメインの流れなのだけど、その対応をあっさり決断しすぎて納得できない。どこか気力乏しく漫然と生きている主人公が、突然怒りを発したり、正義感を発露したり、人物像が揺れる。
    本当は良くない事のだけれど、途中で他の人がどんな感想を持ったのかを調べたら「自動車教習所(主人公の仕事)に通う人必読」「ロック好きにお勧め」なんてものが多い。それだけの話なのか。。。
    しかし、最初はチグハグだった登場人物たちがお互いに思いやる気持ちだとか信頼感を持つようになって行く姿が描かれた最終盤でぐっと持ち直しました。
    主人公の趣味がロック鑑賞と言う設定で、各章に懐かしいロック曲のタイトルが付けられ、中でも様々な紹介がされています。私は興味が無いので判りませんが、ロック好きの人にはもっと堪らない話なのかもしれません。

  • 自動車学校の教官、益子。
    妻と別れ、転職し、職場と自宅と行きつけのバーを回遊するような生活を送る45歳。

    ある日、別れた妻から電話がかかってくる。
    「美月が、娘が妊娠した」

    相手は誰?産むつもり?学校は?


    別れた元夫である自分に相談してくれた事実を嬉しく思いつつ、そして再び娘に会えたことを喜びつつ、少しでも娘を支えたい、守りたいと奮闘する益子。
    さらに、自動車学校には様々な弱点を抱える生徒が益子を指名してくる。
    カーブで膨らむ35歳女性。
    孫のために免許に挑む69歳の女性。
    サッカーにかける男子大学生(就職間近)。


    完璧な人間ではない益子ですが、娘に対して、そして元妻に対して真摯に向き合っている姿に感動しました。
    自分が悪かった、と思えば子供相手にもしっかり頭を下げて謝罪できる度量の広さや、言い難いことも誤魔化さずに伝える強さは、この作品の大きな魅力だと思います。

    ただ、欲を言えば、もう少し「教習」のシーンを掘り下げ、じっくりと描いて欲しかったな、とも思います。

  • さくさくさくっと読めました。
    高校2年の娘に子供ができたという
    なかなか大事件で始まったにもかかわらず、
    そこはすすすーっといくのです。

    それ以外も全部すすすーっといくのです。
    年末、読むにはもってこいでした。
    重い話はできれば読みたくないので。

    でも、しのさんという高齢者の方とのやりとりは
    なかなか考えさせられました。
    教習所の教官という立場を超えて、
    相手を思って言う男気、ロックですね。
    私もそうありたいものです。

  • 車校の先生が主人公。
    職場、家、ロック音楽の流れるバー
    の三拠点で生活しながら老若男女と関わっている。

    離婚して別居中の娘(17)の妊娠報告にとまどいもあったが、車校の生徒の子達の発言やバーで働くフユの言葉で自信を持ってポジティブに捉えられるようになっていく。

    出てくる人みんないい人たちだった〜
    娘に学校辞めてこどもを産むことを後悔しないか尋ねたときに「してもいい」と答えたところがかっこよかった。「後悔しない」ではなくて後悔はする。それでもいい!と。

    読み終わった後にゆっくり表紙を見たら、どれが誰のイラストかちゃんと分かって楽しかった(^^)

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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