本日も教官なり

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 115
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053904

作品紹介・あらすじ

S字、クランク、ロックンロール!

豊士の教習車には今日もさまざまな人が乗り込む。カレシに飲酒運転をさせまいと教習所に通う佳世。就職先で免許が必要な大学四年の七八。孫娘の幼稚園送迎のため69歳で免許取得を目指すしの。彼ら教習生に対し紳士的に接することを心掛ける豊士。だが、それどころではなかった。17歳の娘が妊娠したというのだ。若い男女の教習生は、ついつい娘とその相手に見えてしまう。加えて現カノジョ・万由とは徐々に疎遠に。元妻・美鈴との再会がそれを加速させる!? どうなる、ロック中年・豊士!!

感想・レビュー・書評

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  • 11年前に離婚した教習所の教官益子、別れた妻と暮らす高2の娘が妊娠したという。
    元夫だけれど父親、娘に会えるのは嬉しいが、現実にブルーにもなっていた。

    益子がとにかく魅力的。
    著者の作品に登場する多くの男性の様に、ゆるい雰囲気をまとっているのに、一本芯が通っている。
    教官としても、生徒達との距離感がとてもいい。
    こんな教官の元で免許取りたかったなと思います。

    娘の問題にもきちんと向き合い、程よい距離感で助け船を出す、そんな姿に好感が持てます。
    父親はどんなことがあっても娘を嫌いにならない、そんな深い愛情にもグッときました。

    著者の作品にはハズレ無し。
    胸の奥がポっと暖かくなるような、素敵な作品でした。

  • 自動車学校の教官、益子。
    妻と別れ、転職し、職場と自宅と行きつけのバーを回遊するような生活を送る45歳。

    ある日、別れた妻から電話がかかってくる。
    「美月が、娘が妊娠した」

    相手は誰?産むつもり?学校は?


    別れた元夫である自分に相談してくれた事実を嬉しく思いつつ、そして再び娘に会えたことを喜びつつ、少しでも娘を支えたい、守りたいと奮闘する益子。
    さらに、自動車学校には様々な弱点を抱える生徒が益子を指名してくる。
    カーブで膨らむ35歳女性。
    孫のために免許に挑む69歳の女性。
    サッカーにかける男子大学生(就職間近)。


    完璧な人間ではない益子ですが、娘に対して、そして元妻に対して真摯に向き合っている姿に感動しました。
    自分が悪かった、と思えば子供相手にもしっかり頭を下げて謝罪できる度量の広さや、言い難いことも誤魔化さずに伝える強さは、この作品の大きな魅力だと思います。

    ただ、欲を言えば、もう少し「教習」のシーンを掘り下げ、じっくりと描いて欲しかったな、とも思います。

  • さくさくさくっと読めました。
    高校2年の娘に子供ができたという
    なかなか大事件で始まったにもかかわらず、
    そこはすすすーっといくのです。

    それ以外も全部すすすーっといくのです。
    年末、読むにはもってこいでした。
    重い話はできれば読みたくないので。

    でも、しのさんという高齢者の方とのやりとりは
    なかなか考えさせられました。
    教習所の教官という立場を超えて、
    相手を思って言う男気、ロックですね。
    私もそうありたいものです。

  • 自動車教習所の教官の益子さんが主人公。
    大きな事件もなく、教習所に通う人たちの事や益子さんの家庭の事情が書かれているのですが、読んでいるうちにホッとするというか、いい結末でした。
    私が通ってた頃は怖い教官ばかりで優しい人がいると女の子たちは指名してたなぁとその時の教官と益子さんが重なって懐かしくなりました。

  • すいすい読めた。

    昔はヤンチャな、良太や七八のようなタイプを好きになっていた。

    でも、大人になって、歳をとると
    主人公のような、真面目で筋のとおった人がいい
    と思うようになった。

    今の私の歳で読んだからこそ、
    色々感じられる事があったのだと思う。

  • 初読みの作家さんでした。
    とても良かったです。

    血の繋がりなんて…
    と思っている私でもホロっときました。

  • 「ポーグスの気分 」YouTubeで聴いて、分かった!
    なるほど、そういう気分か。
    便利な表現方法だと思うけど、言葉で表してこそ
    作家ではないのか。

  • ロックの心はわからないけど

  • さっくり読め面白かった。
    娘(離婚した妻と暮らす)の妊娠から始まり教習所での生徒さんとのやりとりなどなど。
    わりと希望を持てる感じで終わって良かった。

  • ほっこりするような感じですね。
    暖かい気持ちになります。
    女の人母親は強いですね。

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プロフィール

小野寺 史宜(おのでら ふみのり)
1968年千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。2008年『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。2018年、『ひと』で「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」2位。
著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『カニザノビー』『牛丼愛 ビーフボウル・ラヴ』『ホケツ!』『ひりつく夜の音』『太郎とさくら』『本日も教官なり』『リカバリー』などがある。本作は『その愛の程度』『近いはずの人』に続く「夫婦三部作」のラストを飾る作品である。

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