深海の寓話

  • KADOKAWA
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041054017

作品紹介・あらすじ

元刑事の鯨井義信は、環状線で黒服集団に囲まれた柚木雅子を、同じく定年後の常連と協力して救ったことをきっかけに、私製の正義の実現を目指す。数多の犯罪の芽を摘んだ鯨井たちは、「正義」への考えを新たにする。

感想・レビュー・書評

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  • リタイア組。私刑。私的な正義の執行。
    棟居刑事がちょい出演。
    説得力がない。「いいことしている」という思い上がりが鼻についた。痛い目に遭えばいいと思ってしまった。

  • ちょっと疲れた中年が活躍するお話。
    してやったり、という場面があるが全体としては少し掴みに欠けるかな、と感じました。

  • 仕事一筋で、定年まで駆け抜けた後の男性は、リタイアしたら、どう残りの人生を有効に使うのか?というような提示をしている本である。

    わが父も、会社様様であった、家庭よりも、仕事一途で、役職に向かって、人生の1/2を費やした。
    作者森村誠一氏も きっとそうであろう。

    主人公の鯨井義信も、刑事を退職して、自由という反社会的なこと以外は、何をしても、時間も、思うままできるのに、何かをするという目的が無いと、無意味であることを知って茫然と、してしまった。
    環状線に乗った時に、変な黒服の男に絡まれているOLを助けたことが縁で、自分と同じような5人の男性と知り合いになる。

    北風、忍足、笛吹、万葉、井草の5人と、「私製の正義」を目標に、現役時代にかなわなかった、信念を貫き通す。

    「必殺仕事人」ではないが、悪に立ち向かう6人は、皆特技や、前仕事で、培ったものが、役に立つ。

    ストーカーっぽい話から段々巨大権力ヘの暴露と逮捕へと発展していく。

    鯨井元刑事の手足となり、協力してくれる棟居刑事が、居ることが、大きなポイントであるが、棟居刑事の言葉として書かれずに、主人公の鯨井元刑事で、物事が進行していく。

    最後の西部劇の「シェーン」のラストのシーンを描くところは、やはり、この世代の人の好きであった、映画のⅠシーンであると、思った。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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