笑え、シャイロック (1)

  • KADOKAWA (2019年5月31日発売)
3.50
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784041054048

作品紹介・あらすじ

傍若無人なヤクザ銀行マンと新米社員。でこぼこコンビが金融業界の闇にメスを入れる!

感想・レビュー・書評

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  • 「シャイロック」と聞けば、
    池井戸潤の「シャイロックの子供たち」がパッと浮かぶ。
    まさに、ベニスの商人ごとく、焦げ付いた債権回収のために駆けずり回る、大手銀行員が主人公。

    企業を営むには必ず、銀行の融資が必要になるし、
    利息や手数料でもって、銀行が営むことができる。
    山賀がいうように、融資をして、回収をしなければ、お金の流れが滞ってしまう。
    それは、融資を必要とされる企業にお金が回らなくなること。
    山賀がまさか殺されるとは、やっぱりミステリー小説。
    そこからの結城の成長ぶりと活躍が著しい!
    宗教法人、国会議員、ヤクザ・・・
    よくぞ闘った!
    あっぱれ!

  • ★3.5

    帝都第一銀行に入行し、都内の大型店舗に配属が決まった結城。
    そこはリーマン・ショック後に焦げついた債権の取り立て部署、
    上司となるのは伝説の債権回収マンとして悪名高い山賀だった。
    百戦錬磨の山賀の背中を見ながら、地上げ屋、新興宗教、ベンチャー企業など、
    回収不可能とされた案件に次々と着手せざるを得ない結城。
    そんなある日、山賀が刺殺体で見つかる。
    どうやら帝都第一銀行の闇を山賀が握っていたようなのだ―。

    大手銀行で順調に出世街道を走っていると自負していた結城。
    突然の債権回収をする渉外部に移動となり複雑な心境になっていた。
    しかし、「シャイロック」の異名を持つエース山鹿の下で働くうちに、
    山鹿の手腕や仕事への矜持に惹かれ始めていた。
    仕事にやりがいを感じ初めて居た頃、
    何者かに山賀が殺されてしまう。
    山賀が抱えていた、回収不能とされた案件を一人で次々と解決していく姿。
    債権回収の手法が債務者の度肝を抜くとんでもないものなので、
    毎回感心すると共に楽しめました。

    ただ、残念だったのが元祖シャイロックの山賀があまりにも
    早い段階で消えてしまった事でした。
    彼の矜持は素晴らしかったし、魅力的でもあったので
    もう少し彼の人とのなりとか手腕を味わいたかったです。

    結城の成長や社会問題をさりげなく刺している事、
    債権回収の手法を楽しんでいるうちに誰が山賀を殺したのか?
    ミステリーの部分を忘れてしまっていましたが、
    最後にすっきりと明かしてくれました。
    やっぱり、どんでん返しもありました。
    サラサラ軽く楽しめた一冊でした。

  • 順風満帆に出世を狙う銀行員の結城さん、営業部から渉外部へ突然の辞令。渉外部は花形ではないようですが、債権回収抜群の成績で全国でも名を馳せているシャイロックと呼ばれる山賀を師事して、銀行員として成長するお話...あれ?山賀さん殺された⁉︎(´⊙ω⊙`)
    かなりビックリな展開。

    山賀さんの仕事を引き継ぎ、教えを元に債権回収を頑張る結城さん、無事債権回収なるか⁉︎
    シャイロック山賀は誰に何故、殺されたのか⁉︎

    お仕事小説と思ったら衝撃的な山賀さん死亡...
    出てくる宗教団体の過去話は嗤う淑女、蒲生美智留さんの仕業の事件話ですよね?

    面白かったです(o^^o)



  • 債権回収における人間模様とそこに潜む巨大な闇を描いたストーリー。
    殺された山賀の後を継ぐかたちで奔走する結城。
    5話からなる債権回収もどんどん高額、難易度が高くなっていき。
    ストーリーを重ねて回収マンとして成長していく結城の姿が読んでて気持ちよかった。
    山賀殺人の絡む人物として予想は出来ていたけど。
    更に深いところに持っていくのはさすが中山作品。
    この作品も面白く読みました。

  • 帝都第一銀行渉外部に配属された結城。上司は優秀ながらも癖のある山賀、伝説の債権回収マンとして活躍していた。勇気は山賀と組んで学びながらも仕事を進めていたが、山賀は殺されてしまう。山賀の仕事を引き継いだ結城だが、宗教家やヤクザなど癖のある債務者ばかりで、苦労する。最後には山賀を殺した犯人を一体誰かも判明。
    銀行を舞台にして金融を描いているのが、意外でした。でも、雰囲気だけでなく、テーマ、主張が濃く出ているところがさすがです。そして、一つ一つ結城が努力し解決してゆく姿が読んでて気持ちよかったです。銀行内部の事情が強く、犯人推理はさらりとして、でも本作は山賀の色があってか楽しめましたが、どんでん返しとかどぎついものもなくさらりとしすぎ? という感も。

  • シャイロックというあだ名を持つ回収のプロについた結城
    様々な案件の関わる中、シャイロックが殺され、彼の残された案件を引き継ぐ事になり、その中でシャイロックを殺したのは誰か?

    難しい案件は、2代目社長や新興宗教の教祖、国会議員、ヤクザ
    みんな癖のある人物と対峙する結城くん

  • 池井戸潤の小説みたいですね。
    殺人事件があるか無いかの違いですかね。
    自分の好みとしては殺人事件が無い方が良かったですね。
    犯人の意外性があったのに取り立てのインパクトに負けていると思いました。

  • 倍返しのような話かと思ったら、2話目でまさかの急展開。殺人事件と債権回収の二頭を追う主人公の奮闘ぶりが面白い。債権回収のそれぞれのエピソードがリアルで、どれも面白かった。最後のどんでん返しもいつも通り楽しめた。

  • ピアニスト、弁護士、法医学者、保育士、もちろん刑事も。
    著者の主人公はバラエティーに富んでいて,その引き出しの多様さに感心するばかり。
    そして、今作は、銀行員!
    債権回収部門に配属された主人公結城が、上司の山賀の背中を見ながら、回収困難とされた案件に次々着手し、見事に成果を上げていく。
    上司の殺人事件の謎解きがメインといえる推理小説ではあるが、池井戸潤ばりの金融小説と言ってもいいか。
    専門家から見れば、こんなに都合よくにはいかないよ、との指摘もあるだろうが。
    しかし、山賀の次の言葉には、共感する面々が多いことだろう。
    「バブル崩壊の責任の一端はその時々の回収担当者にもある。そいつらが自分に課せられた仕事をこなし、先送りになんかしなかったら、あんな崩壊の仕方はしなかった。金融に身を置く者の無責任さと他力本願が日本経済を崩壊させたんだ」

  • 読んでいる途中で、作者は中山さんだっけ?と思ってしまいました。
    殺人事件が発生しますが、犯人捜しというよりは、銀行マンの成長ストーリーといった方がいいかも。おもしろかったし、読後感も悪くないです。
    なんとなく、銀行が舞台ってことで池井戸作品に似た雰囲気と感じてしまいました。

  • 債務回収の若手行員の猪突猛進、成長小説。ちょっぴりミステリー。
    回収手法はバラエティに富んでいて面白いが、今時、仕事に使命感感じてシャカリキ働く社会人は相入れず白けてしまう。彼女の存在も希薄で、本当に必要?と思ってしまう。遅かれ早かれ2人の関係は破綻するでしょう。
    余談だが、表紙のイラストが中居くんに見えてしまうのは私だけだろうか。

  • 私が読んでいる限り、著者初の銀行を舞台にした作品。
    シリーズものではないので、発売から少し時間を空けてから読んでみた。
    帝都第一銀行の渉外部に転属になった結城は、伝説の債権回収マンと呼ばれる山賀の元で、一癖も二癖もある債権者から詐欺まがいの手口で債権を回収していく。
    そんなある日、山賀が何者かに刺され、遺体となって新宿中央公園で発見される。
    その山賀が抱えていた債権回収を、山賀の手法と共に引き継ぐ結城。相手が宗教団体でもヤクザでも、相手を上回る悪知恵で焦げ付き間際の債権を回収していく…
    やはり、バンカーの小説と言えば「半沢直樹」。タイミング悪く、ドラマの開始と同時ぐらいに読んでしまい、銀行小説ならではの面白みに欠ける気がした。結城はバンカーではなく、詐欺師にしか思えず…
    山賀を殺した犯人探しも同時進行していくのだが、最後に犯人が判明しても、作者ならではのどんでん返しも期待したほどでなく。全体的に何となく微妙だった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    帝都第一銀行に入行し、都内の大型店舗に配属が決まった結城。そこはリーマン・ショック後に焦げついた債権の取り立て部署、上司となるのは伝説の債権回収マンとして悪名高い山賀だった。百戦錬磨の山賀の背中を見ながら、地上げ屋、新興宗教、ベンチャー企業など、回収不可能とされた案件に次々と着手せざるを得ない結城。そんなある日、山賀が刺殺体で見つかる。どうやら帝都第一銀行の闇を山賀が握っていたようなのだ―。“どんでん返しの帝王”が放つ、ノンストップ・金融ミステリー!




    銀行モノの小説といえば 池井戸潤さんを思い浮かべるけど この作品は殺人犯を追うというミステリーも含まれていて面白かったです。
    小説や映像化により 知らなかった銀行の内部が少しは知れたと思います。
    ベテラン債権回収マンの山賀があっけなく殺されてしまったのがちょっと残念です。
    もうちょっと結城との絡みを読みたかったと思いました。
    キャッシュレス決済が少し浸透してきているけど 銀行に何か影響はないのかな?
    ひと昔前は銀行に就職したい人が多かったですけど...

  • 焦げ付きそうな債権を回収するという、渉外部。
    ほんとうにお金を捻出できそうにないケースもあれば、開き直る債権者もいて、どれも難しく、厳しいミッション。
    それを軽々とこなしていく〈シャイロック山賀〉のキャラクターと回収手法がおもしろかったので、あっという間にいなくなってしまったのは、残念。

    あとを継ぎ、たくましくしたたかに成長していく結城。
    殺人事件というミステリ要素はあるものの、債権回収というお仕事小説の方がメインに感じる。
    おもしろい金融小説だった。

  • 【収録作品】わらしべ長者/後継者/振興衆狂/タダの人/人狂/エピローグ
     銀行員の成長譚。珍しく、真相も、物語の進み方も素直。

  • 債権回収が仕事の銀行マン。
    ないものは返せないと開き直る債務者からいかに取り立てるか。
    非情ではなく、お互いが納得する方法を探り出す。
    そんなお仕事話に、殺人事件も絡んで、中々に面白かった。
    銀行の表と裏をみた感じもした。

  • これは中山七里版半沢直樹かな思ったらあっさり殺しちゃって後は後輩の結城が引き継ぐことになる。殺害の犯人はこの作者のこれまでの作品の流れから大体は想像がつくが、今回は池井戸潤ばりの銀行小説がメインと言えるだろう。新興宗教の話はあっさりと公明党批判も織り交ぜて、おまけに宗教本で騙された話は「ふたたび笑う淑女」の手口と一緒だったので同一団体かとも思ったがそれはなかったようだ。もう一つ政治家の話は民主党をクソミソに貶しており参議院選挙にも影響がありそうだ。あとは今だにヤクザとの付き合いが切れない銀行批判かな、これじゃ更に銀行への就職希望者が減りそうだ。続編も期待したいが、シャイロック山賀の方の前日譚もありじゃない、だって死んだ要介護探偵や元判事のおばあちゃん探偵も活躍してんだもの。

  • 山賀さんがメインの前半がとても面白かった。山を越えるのが大変なのは、作品中の仕事面もそうですが、山賀さんが魅力的に描かれ過ぎたのかなぁ、とも思われ。シャイロックの異名を継いで、結城が成長していく姿が読めればまた違う感想かもしれません。意外な真相と犯人は中山さんならでは。そこに辿り着くまでの債権回収のアレコレは銀行も大変なんだなぁ、と。危ういながらもなんとか回収していく過程はハラハラしました。この宗教団体、他作品にも出てきていて、やっぱりとんでもない団体でした。

  • 中山七里の小説はスーパーな主人公が出てくるが、この話もしかり。
    安定な面白い展開で、あっという間に読んでしまう。

  • 銀行の回収係、いわゆる取り立て屋さんの連作。
    なのだが、そこに事件事件も絡み、一気に面白くなる。
    おまけに勉強になる。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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