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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784041054703
作品紹介・あらすじ
食事は、口の中だけで行われれているのではない。私たちが食べ物から得られる喜びは、想像できるよりもはるかに大きく、私たちの主観に左右される。本書を読むことで、あなたは「ガストロフィジクス(食の最新科学)」のすばらしい世界に足を踏み入れることになるだろう
――ヘストン・プルメンタール(英国三ツ星レストラン「ザ・ファット・ダック」シェフ)
食の喜びは、心で感じる、口ではない。
この考えを突き詰めると、なぜ料理が
――たとえそれがどれだけ完璧なものであっても――
必ずしも心に残らないのか説明がつく。
何が食事を楽しく、刺激的で、
そして記憶に残るものにするかを知るには、
“そのほかの要素”
の役割を理解しなければならない。
【目次】
アミューズメント・ブーシュ
第一章 味
第二章 香り
第三章 見た目
第四章 音
第五章 手触り・口当たり
第六章 雰囲気
第七章 ソーシャルダイニング
第八章 機内食
第九章 記憶
第十章 個人食
第十一章 新しい食体験の世界
第十二章 デジタルダイニング
第十三章 未来派への帰還
GASTROPHYSICS : The New Science of Eating by Charles Spence
感想・レビュー・書評
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著者はイグノーベル賞の受賞者。ポテトチップスのパリパリという音で美味しく感じられるという研究をしていた人と聞いたら、ポテチ好きとしては手に取らずにいられなくなる。
著者はガストロフィジクスという学問を提唱している。真面目に科学的にアプローチしており、五感だけでなく、機内食や一人メシ、グルメのインスタ映えなども扱われているので飽きが来ない。
筆者が指摘する重要な概念は以下の二つ
クロスモーダル(統合感覚)
マルチセンソリー(多感覚)
これらを用いてあらゆる感覚を脳内で処理して、おいしさを判断するというのは人間の脳はどうなってるのか??と好奇心が湧いてくる。
いちばん面白かったのは機内食。高度1万メーターでは味がよくわからなくなるので味は濃いめになる、とはふむふむと読んだ。そしてフリードリンクは地上ではそんなに飲まないトマトジュースを頼みがちな自分がおかしくなってきた。良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
味覚以外の感覚で「おいしさ」を科学的・実証実験などを交えて解読していく一冊。五感以外にも機内食やソーシャルダイニング、個人食といった章の構成があるところも興味深い。
特に手触り・口当たりについては今後食のキーワードになっていく(むしろもうなっている)ように感じている。
自分が料理をすることが割と好きなのも「イケア効果」によるものだったり、そもそもも「おいしさ」の探究に興味があるからなんだと思う。 -
著者は、ポテトチップスをパリパリという音を聞きながら食べると美味しく感じる、ということを発見してイグノーベル賞をとった人。
食の喜びは味覚だけではなく人間の五感すべてが影響して脳の中で生まれることを多角的なアプローチで解説している。嗅覚や視覚が影響するのは知っていたが、音やカトラリーの手触りなども重要な要素であることは知らなかった。特に音との関係は面白く、新たな知見がたくさん得られた。
後半のモダニスト・シェフたちの、食事の提供を超えて総合芸術といえる試みは興味深いが、あまり体験してみたいとは思わない。 -
イグノーベル賞を受賞した知覚研究者による、単純な味覚以外の要素で料理の味が変わる研究について
「ソニックチップ」という、ポテトチップの食べる時の音を操作するだけで、よりサクサクで新鮮に感じるといったように、食べ物それ自体の要素以外で食べ物の味の感じ方が変わる実例がたくさん記載されていて、飲食店経営者にとっては一読の価値はあると思う
人間の感覚は、いい加減というか複雑というかといったことの示唆に富んでいて、味覚以外も同様だと考えるととても凄い内容である -
旅行先で気になった本が図書館にあったのでさっそく借りてみたシリーズ。
タイトルがミスリードで別に「錯覚してる/させてる」みたいな話ではなく、おいしさって味覚以外にもいろんな感覚器官で感じるんだよみたいな話し。こういうウンチみたいな邦題嫌い。
ということで前述の通り、おいしさって味覚だけじゃないよね?なんなら嗅覚のほうが大事だよ?みたいな感じの話が展開されておもろかった。
ただ一番おいしいのは好きな女の子が作ってくれた手料理だよね?っておじさんは思うのであった。 -
味覚についての真実が書いてある本。
味覚というのは、他の感覚からの影響が大きく、人間は味覚だけでおいしさを感じているわけではない。
著者のチャールズスペンスはポテトチップスの噛み砕く音を増幅することで美味しく感じるという研究でイグノーベル賞を受賞した。
それだけ聞くとくだらない印象を拭えないが、この本の文脈ではとても意味のある研究であることがわかる。
スタバのような「個人化」もおいしさを増幅する一因で、個人化によって満足度が増幅するのは味覚だけでなくあらゆる業種につながることが示唆的であると感じる。 -
前半は面白かった。
実生活にも役立てられそうな内容もあった。
ただ、後半に行くに従って、奇妙喜天烈な食を試す先進的すぎる人々が登場して、「奇妙だなぁ」としか思わなくなった。 -
前半は人がどう味を感じるのか?や些細な変化で味が変わる。などといったマーケティングに役立つことがかいてある。
後半は様々なレストランの取り組みを書いてある。
結局それぞれの地域や国の慣れ親しんだ「安心」する食事が1番なんだと思った。日本で言うなら白米、味噌汁、焼き魚を家族で食べる。の様な。
参考列が全く馴染みのないものばかりなので全然想像できなかった。
なんとなくわかっていることばかりであまり参考にはならなかった。
個人的には変な事はせずいわゆる「普通」が1番いいんだと思った。 -
めっちゃ面白い。
最近は、小説以外は少しビジネス寄りな本しか読んでいなかったのですが、この本のように、日常で過ごす時間が楽しくなるような本も大好きです。
こんなにドッグイヤーをつけたのは、『物価とは何か』以来ですね。
毎日する食事ですが、どれだけその食事に意識を向けていないのかに気づけました。
食事は単なる栄養摂取だけではない。
それでいて楽しいものにするための科学的な実験や研究もすごく面白かったです。 -
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ガストロフィジクス=食の最新科学
ニューロ・ガストロノミー=神経食科学
メモ
気分が食事体験を左右する
スイス デニスマーティン
同じ飲み物でも場所で20%評価に差が出る
味とフレーバーは異なる
味蕾すべてが5つの味感じられる。
舌の中央には味蕾はない。
メニュー名改名による販売促進
偽りの価格の脳影響
味に対する感度は遺伝
超味覚者な16倍の乳頭あり
苦味が最もも個人差あり。有毒かを判断するため
ブロッコリーの苦味など
ロンドン ザファットダック
赤色 甘く感じる 10%
青は売れない、自然界にあまりない。モニターロンドンジンカンパニーは青い飲み物で成功 -
これは邦題が悪く,原題は“美食物理学--新しい食の科学” というようなもので,「錯覚」を扱うものではない。興味深い知見は多く,日本料理との親和性も高いと感じた。
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「『おいしさ』の錯覚」https://kadokawa.co.jp/product/321611000841/ 味の判別には味覚だけでなく五感すべてが影響していることを理解はしててもあまり実感がない。咀嚼音、カトラリーの素材、お皿の形、BGM, 椅子の座り心地、照明、食材の色(青いステーキ) etcetc。味とはすべて錯覚でしかないと言っても過言ではないな
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香り、色、音、皿の形、音楽など、下の感覚以外の刺激によって料理の味がどんな影響を受けているのかを、いろんな実例とともに紹介されている。
ガストロフィジックス(食の物理学)というよりは認知心理学や行動科学に寄った内容のように思う。
ほお、なるほどと思うような話から、章を進むにつれて内容は前衛的になってゆく・・・
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随所に顕れる例えやジョークがハマっていておもしろい
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OPACへのリンク:https://op.lib.kobe-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2002302739【推薦コメント:「おいしさ」を形成するのは味覚だけではなく、五感すべてが密接に関わっている。本著がその謎を解き明かしてくれそう。】
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食事のおいしさは皿の外で決定される
味覚とは舌のみで感じるものではなく、視覚、聴覚、触覚によりマルチセンサリーな行為
面白かった -
普段何気なく感じている美味しさ、実は味以外の様々な要因に影響を受けているということを、実際の事例を交えて教えてくれる本。
美味しいものが溢れた時代、飽食の時代に、新しい価値をつけるならば、ガストロノミーは必須なのかもしれないと思った。
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