ラプラスの魔女 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.60
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本棚登録 : 14242
感想 : 714
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041054932

作品紹介・あらすじ

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。検証に赴いた地球化学研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 温泉地で発生した中毒事故の隠された秘密とは… 現代に魔法使いは存在するのか? #ラプラスの魔女

    ■あらすじ
    温泉地で発生した硫化水素中毒事故。刑事と研究者は事件性を検証するために現場に訪れるが、人的な操作は不可能と判断される。
    時がたった別の日、遠くはなれた別の場所でも、同様の中毒事故が発生した。研究者がその現場を訪ねると、以前の現場でも見かけた少女と出会って…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    人と人の絆、丁寧で絵になるプロットなど、いつもの東野先生らしい作品で安心して楽しめました。

    まずね、円華が可愛い。彼女の存在が本作の肝ですね。
    過去の背景から守ってあげなきゃと思うんですが、ところがどっこい謎めいている。でも気丈で責任感の強さは伝わってくるから、悪者じゃない気がするんだけど… って感じで、惹きつけられちゃうんですよね。

    しかし真相を知ると、彼女の背負っているものが分かる。私なんかは何もしてあげられないんだろうな~、という切なくもやるせない気持ちになりました。

    本作の一番の読みどころは、事件が起きた背景、動機。
    中盤までは霧の中で、どういう話なのか全く見えないのですが、物語の終盤になると見えてきます。巻き込まれた関係者たちは確かに可哀そうでなりませんが、私はなにより犯人が不憫でならない。

    人生の生きる喜び、やる気の根源、命をも犠牲にもできる唯一無二の想い…
    こんな大切なものを奪うのは、神様もこんな罰を与えないで欲しい。

    一生懸命に人生を生きていても、ひとりひとりでは大したことは何もできない。でもこの感情があるからこそ、人は団結ができるし、成長もできるし、変化ももたらすのです。あらためて大切なこの想いを、忘れずにいたいと思いました。

    ■きっと共感できる書評
    超常現象の謎について、とても興味深かった。現代の科学なら近い将来に実現しそうな話です。ChatGPTなど、現代もなお新しい技術が生み出されています。

    まさに魔法のように。

    ただ新しい技術がでてくると、本作のようにまず最初に悪いことに利用されてしまう。最たるものは軍事利用で、ドローン兵器なんてものは、今やあたりまえにニュースで報道される。

    魔法は未来のある子供たちに夢を見せるために使ってほしい。そして世界中のどこだろうが、誰だろうが、子どもから未来は奪うのはやめてほしいですね。

  • ラプラスシリーズ第一弾

    物理学と自然現象という東野圭吾さんらしい理系の話でしたが、分かり易い説明なのでついていけました

    また登場人物がなかなか多いのですが、自作相関図でクリアです

    『ラプラスの悪魔になるには、覚悟が必要なんだ』

    脳神経外科によって作り出された悪魔達
    データに基づいて予測する悪魔達の姿は、まるで魔術師の様でした

    羽原円華という媚びないキャラが心地良く、次作にも出て来る様なので楽しみです

    しかし、読後感がスッキリしないのは
    中岡刑事も一緒なのでしょうね

  • 3/17に著者の新刊が発売された。ラプラスの魔女シリーズの最新作ということだ。が、このシリーズを読んでなかったので最初から読む。

    赤熊温泉村という温泉地で1人の男性が硫化水素による中毒で死亡した。地球化学が専門の青江修介教授は、これを事故とした場合の検証を警察から依頼され、調べることに。赤熊温泉を訪れた青江は、そこで若い少女に出会う。数ヶ月後、別の県の苫手温泉で再び硫化水素による中毒死が発生する。こちらにも調査に訪れた青江はここでも以前の少女に出会う。
    彼女の名は羽原円華。円華は何故か天気を正確に言い当てることができた。円華は青江にこれ以上関わるなと言う。納得いかない青江は独自に調査を続け、あることを発見する…。

    とても話が入り組んでいて、あらすじもいつも以上に上手く書けない。登場人物はもっといっぱい出てくるが、端折ってしまった。

    科学の話ではあるが、俄には信じれないような話。

    登場人物の1人が言った台詞「人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。この世に存在意義のない個体などない。ただの一つとして」本書の題名にもかかわる印象的な台詞だった。

  • 上司が"魔力の胎動"とセットで貸してくれて"魔力の胎動"の次に読んでみた!
    読む順番はどちらでも良いと思うけど、"魔力の胎動"を先に読んで良かったと思う。

    "魔力の胎動"よりミステリー要素多めで良かった。
    謎は途中の伏線で気づいちゃうくらいのものだったけど、それでも面白かった。
    科学とかそういうのからっきしダメな私でも楽しく読めた。
    最後どう決着つけるのかワクワクした。
    個人的にな武尾が好き笑

  • 途中から明かされていく事件の真相や犯人に驚きながら、引き込まれるようにして読んだ。物理学とか原子とか、凡人では理解できないトリック。でもどこかリアルだった。一番最後がよく分からなくて、そこだけが残念。映画になってるみたいだから見てみたいな。

  • 東野圭吾作品は、本当にストーリーのバリエーションが豊富だ。今回の作品も様々な事象が絡み合っていて、一つに繋がった時はスッキリだった。面白かったが、円華と謙人の人間性について、もっと知りたかったし、2人の関係性をもっともっと表現して欲しかった。自身の入り込み度合いがやや浅だったので星3つ。

  • SFっぽい題材なんだけど、登場人物の心情やその交わりあいは緻密に書かれているから、すんなり入っていけて、どんどん読み進めることができる。
    それにしてもいつも感心するけど、東野さんは知識(下調べ?)が半端じゃないよね。また、その知識をうまく物語に載せる才能が凄いと思います。

  • 人では感じる、考える、思考することができないことができる不思議な力。
    様々なストーリーとそれを取り巻く人々の交錯する考えが物語を一層深く面白い物に感じさせる。

    ガスの発生、気候を予測するという類稀なる力と家庭環境を倒錯し屈折してしまった少年。力を持ってしまうことによって可能になってしまったこと。

  • いい塩梅。

    ミステリーすぎず、ライトすぎない。設定も難解すぎず、ガバガバすぎない。このあたりのバランスの良さが東野圭吾の小説の魅力なのかもしれない。

    他の人も感想でチラホラ挙げているが、途中から(むしろ序盤から)展開が完全に読めてしまう。
    ただ、本小説のキモである「未来予測」を利用した殺人トリックは、あまりに現実離れしすぎているため、ラストまで引っ張ってタネを明かしてしまうと、「そんなトンデモ受け入れられるか」と、拒否反応を示してしまうと思う。
    そういう意味では、序盤から「2人には特別な才能があるんですよ」という仕掛けを明示するぐらいでちょうどいい。読者にSF設定をなじませて、世界観に溶け込んでもらい、純粋な人間ドラマに集中させる。この力の入れ具合が絶妙であり、気づけば時間を忘れてスルスル読めてしまう。これがベテラン作家の成せる業なのかな、と感心してしまった。

  • ラプラスの魔女

    「人間は原子だ。ひとつひとつは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、集合体となったとき、劇的な物理法則を実現していく。
    この世に存在意義のない個体などいない。」

    1.物語
    脳外科医が少年の手術を執刀します。
    植物人間だった少年は奇跡的な回復とともに、
    特殊な能力を獲得します。

    国家/政府が、この青年を監督下に置き、能力解明へとと進めようとします。

    そして、、、。

    2.事件
    ①ある家族の事故
    ②温泉街で発生した事故

    この二つの事故を、学者、警察そして主人公の少女がそれぞれの立場で解決に挑みます。

    3.ラプラスとは?なぜ、魔女
    タイトルから不穏な、怖くなる物語を想像します。
    しかし、読み進めれば、東野圭吾さんの世界で安心できます。
    ひとりひとりの人物描写、そして事件の動機を読者側に丁寧に示してくれます。

    まとまった休みに、東野圭吾さんの世界。

    ありがとうございますの世界です。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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