鹿の王 2 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.10
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本棚登録 : 4126
感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055083

作品紹介・あらすじ

謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故甦ったのか。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り……!?

感想・レビュー・書評

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  • この作品はコロナ禍以前に書かれている作品だろうが、今の世の中に妙にリンクしていて、興味深く読み進められる。

    物語は2巻に入り、ホッサル、ヴァンの双方から交互に描かれる。
    物語にのめり込んでいると別視点になり、頭を切り替えてまたそれぞれの物語へ。。。
    頭の弱い私には、あれ?さっきどうなったんだったかなぁ?と何度か読み直したり(-。-;

    人物名が太郎や花子なら覚えやすいのだが、カタカナだと、これってどういう人物だったかなぁ?と。。。

    それにしても、面白いからサクサク進む。
    直ぐに3巻へ。。。

  • ムムム…壮大な世界で旅をしている気分である。
    巻頭の地図のフィールドは狭いのに(*_*)

    ここにきて読むスピードも上がってきました♪

    サエとヴァンが出会い、ユナ誘拐?
    ホッサル&マコウカンが‼︎

    またとんでもなく気になるとこで3巻への旅は続きますε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

    全巻揃えてからでよかった笑笑

    • ひまわりめろんさん
      のってきたなw
      のってきたなw
      2022/09/22
    • みんみんさん
      レベルUP‼︎
      「みんみんは馬車を手に入れた!」(`_´)ゞ
      レベルUP‼︎
      「みんみんは馬車を手に入れた!」(`_´)ゞ
      2022/09/22
  • 1巻に続き、ダレることなく楽しく読めた。
    この世界の力関係なども良くわかってくることで、登場人物の魅力がより一層引き立つ。
    シンプルで簡潔な言葉で、テンポ良く話が進んでいくのも、読者としてありがたい。かと言って、言葉が足りないとも感じないのが、著者の技量の高さを物語っている。

    また、生活風景などが見事に表現されていて、小説ならではの、想像の情景が頭に広がるのは何とも気持ちがいい。これぞ読書の醍醐味である。

    まだまだ先が読めない展開が続く。
    ヴァン、ユナ、サヤ、ホッサル、マコウカン。
    彼らの歩む道がどこで交差してくるのか。
    ワクワクしながら続きを読むことにする。


    以下ネタバレあり。

    危険な病に立ち向かう医師たち。同じ未来を見ているはずだが、価値観に違いがあった。人の技術、知恵の進化を両者の価値観に当てて見ると、割り切れない感情が湧く。

    ヴァンとユナが向かった先に現れる狼と犬の混血種らしき獣たち。その騒ぎの中、ユナの姿が消える。連れ去られたことを悟り、ヴァンは雪の山道を走る。
    そこに現れたのが、サヤ。
    かつてヴァンを追跡することを任された追手である。
    二人はユナを追うことを優先し行動を共にする。
    サヤは目的を果たすのだろうか。謎である。

    どうやら、ホッサルの義兄が怪しい?
    マコウカンの故郷に向かう途中に襲われ、ホッサルとマコウカンは囚われる。そこにいたのはマコウカンの姉。
    マコウカンの過去にはまだまだ謎がありそう。

    読了。3巻へ。

  • ついに物語が動き出した!
    1巻と違い、スピード感がある展開にドキドキする。
    ヴァン達には穏やかに暮らしていて欲しいのに、そうは言ってられない状況に。
    病気のことも分かってきた。
    だけど原因と治療法、どちらの情報もまだまだ足りない。
    病気の脅威に陰謀も絡まり始めて、ますます展開が不透明。

    あっちも心配だし、こっちも不穏な気配が…
    続きがとっても気になる!

  • 2巻。
    ついに黒狼病との戦いが始まる。そして、その特性も徐々に明らかに。
    オキの民と穏やかに暮らしているヴァンとユナにも裏返りという変化が現れる。

    そして徐々にオタワルやリムエッルの恐ろしさも現れ・・・

    しかし、治療のシーンのリムエッルの言葉
    「あきらめて治療を拒んだものがいることで、他の人々に病を広げてしまう可能性があるのだからな」というのは、当たり前なんだけど、今言われるとかなりの真意。
    3巻へ。

  • 面白い!
    またまた、こんな箇所で終わってしまいすぐに3巻へ。

    壮大なファンタジーの世界なのに、懐かしい気持ちになるから不思議。
    2人の主人公、戦闘集団《独角》の生き残りヴァンと、天才医術師ホッサルはまだ出会ってない。

    この巻は、命のあり方の多様な考え方が特筆されていた。医学的、宗教的、民族の思想など。「私共が救いたいと願っておりますのは命ではなく魂でござりまする」自分らしく最後まで生きたいことに繋がる思想が印象的。

  • 死についての多様な価値観を提示する。黒狼熱に恐怖する世情が現在のコロナ禍と同化する。
    壮大過ぎて捉えきれていない部分はあるものの、ヴァンサイド、ホッサルサイドを行き来しながら徐々に核心に迫っていく展開はハラハラドキドキです。いざ、第3巻へ参ろう。

  • 2巻では、
    ヴァンとユナがトマたちと静かで穏やかな生活を始め、
    ホッサルは黒狼熱と相対する。

    いろんな人の思惑が交差して、
    一言では言えないけれど、
    とにかくヴァンとユナに幸せになってほしい。

    一気に読み終わり、3巻購入です。

  • 「はじめは喉の痛みや倦怠感など風邪に似た症状しか出ないが、いったん発疹が出た後は、症状が激烈に進」み死に至る黒狼熱。その治療にあたるホッサルら医術師達は、徐々に疫病の正体に近づいていく。

    民族によってその致死率が違うこと(アカファ人には免疫がある?)、血漿体薬を投与した途端過敏反応が起こり得ること(スルミナは投与直後に硬直し呼吸困難に陥った)、宗教観から薬の投与を拒む民族の存在(東乎瑠の人々が信奉する清心教医術は体内に獣由来の薬を投与することを否定している)等々、設定がとてもリアル。新型コロナウイルスの治療の現状と重なることもあって、読んでいてとても面白かった。

    黒狼熱を広めたのは、どうやら黒狼と山犬の半仔(ハーフ)の一群で、その背後には半仔の集団を操る〈キンマの犬使い〉(〈火馬の民〉の中の特殊な集団)の存在が浮かび上がる。東乎瑠によって居住地を追われた〈火馬の民〉は東乎瑠に恨みを抱いているというが…。ホッサル、マコウカンの探索の行方が気になる。

    ヴァンとユナの身に起こった、嗅覚が異常に鋭くり獣達と意識が一体化していく「裏返し」という不思議な現象。これは一体何なんだろう。半仔を操る一味に連れ去られてしまったユナの安否も気になるし。第3巻が楽しみ。

  • 鷹狩りの席に黒狼たちが乱入。
    次々と噛まれたり引っ掻かれたりとしたものが、その後、病を発症し死んでいく。
    その中で、アカファ人だけは病への抵抗をみせる。
    その差が一体なんなのか、黒狼病とはなんなのか、ホッサルは立ち向かっていく。

    一方、ヴァンはユナと名付けた女の子と一緒に、途中で助けたトマの家で暮らしていた。
    飛鹿の面倒や指南をしながらも、黒狼病の噂を耳にし、また自分自身が変容している感覚にも襲われた時、
    谺主からの使者がやってきて、ユナと二人で会いにいくことになった。

    コロナ禍を過ごした日々を彷彿とさせる描写の数々。
    なんだこれは、コロナじゃないか、となんど思ったことか。
    もちろん、人から人に感染しないという点では異なるが、
    根本的な対策がなく、ワクチンを…という既視感。

    神に背く行いをしたことによる因果応報の病気、ウイルスなどによる病気、と
    宗教に則って考える医療集団と、ホッサルのように科学によって理論的に行う集団が印象的だ。
    現代社会では、科学的根拠をもとに医療を行っているわけだが、もしかしたら信じる宗教に付随した医療で精神的に救われるという患者もいるのでは?と思った。
    謎は謎を呼ぶこの物語。続きが気になる。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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