鹿の王 3 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 751
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055090

作品紹介・あらすじ

攫われたユナを追い、火馬の民の族長・オーファンのもとに辿り着いたヴァン。オーファンは移住民に奪われた故郷を取り返すという妄執に囚われていた。一方、岩塩鉱で生き残った男を追うホッサルは……!?

感想・レビュー・書評

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  • 火馬の民の哀しみと苦しみ。キンマの犬、犬の王。色々な民族の思いと人の思い。生まれ育った土地を無理矢理奪われた強く深い哀しみと怒りが後戻りのできない狂気へ。ケノイの現実の姿と裏返った時との差が痛々しい。

  • そうか、そうだったんだ。
    ようやく見えて来た陰謀の全容は、単なる個人の犯行ではなく、思っていた以上に深く広いものだったんだね。
    支配した国とされた国。
    その民たちの想い。
    そしてキンマの犬という、ある意味特別な力。
    それらが重なり合った末の出来事だったんだ。
    こういう重層的な物語は、うん、さすがは上橋さんだなあ。

    ユナを追うヴァンは次々と重要人物と出会っていく。
    自分を追っていたサエを助け、共に道行き、
    陰謀の主導者たちの元を去り、逆に追いかけ、
    そしてついに、ホッサルと出会った。
    二人の出会いは、この先どんな新しい展開を産んでくれるのだろう?
    物語の終盤に何があるのか。
    もう一度国を揺るがすような展開が待っているのか?
    すごく気になる。
    皆にとって幸せな大団円があることを祈りたい。

    そういえば谺主とか、投げっぱなしの伏線があるんだけど、ちゃんと回収されるのかな?

  •  幼いユナを追うヴァンは、ついにホッサルと出会い、謎の病の秘密が少しずつ明らかになっていく。

     1,2巻続けて読み終わり、この3巻が出てくるのがとても待ち遠しかったです。

     前巻まで追われる者ヴァンと追うものホッサルの物語がそれぞれ進んでいましたが、この巻でやっとこの二人が出会うことで、物語のスケールがさらに大きくなった感じがしました。

     独特の世界なのに、今のこの社会の矛盾を映し出しているかのようで、自分を取り巻く世界と比べながら考えさせられました。

     次巻の結末がとても気になってしょうがありません。

  • 借り物

  • 読んだ直後の感想、
    あわれマコウカン…!!

    故郷に戻れば吹き矢で襲われ、軟禁され、
    めっちゃ心配してたのに、サエに一服盛られるし、
    サエとヴァンはもう夫婦みたいだし(一服盛られてるから知らないだろうけど)
    不憫…!でも吹き出しちゃう(笑)

    黒狼熱にかかる者とかからない者の違いを食生活から割り出そうとするホッサル達。
    狼に噛まれた自分達の体に起こった異変に不安になるヴァンに対する説明がすごく分かりやすかった。
    敵兵の判別と、病み済みと呼ばれる症状で、免疫について説明するホッサル。
    裏返る変な発作=病原菌による脳の障害または病原菌との共生という説!!
    これくらい分かりやすい説明をしてくれる医者はどれ程いるだろう…!
    イザムに後遺症が残った理由もこれで説明がつく!

    病気の原因がわかった所で、誰が保菌した狼を使って襲わせたのか?という謎は残る。

    鹿の王もここで登場。

  • 支配する側とされる民
    それぞれの想いと、狂気。

    だんだんと明かされてきた病気の謎。
    てきた物語は一気にクライマックスへ

    この世界観はすごいなぁ

  • 顕微鏡が出てきたことに驚く。我々の世界では、顕微鏡で病原菌の観測が始まったのは17世紀頃ということなので、なんとなく時代を重ねてしまい、往時の人たちの病気との戦いに想いを馳せてしまった。

    ファンタジー世界に密やかにはびこる伝染病。治療をし、原因を突き止めようとする医師たちと、それを利用しようとする者たち。民族間の諍いや入植者への怨念などが絡み合い、よりいっそう、ファンタジーながら我々の世界と地続きであるような錯覚を感じてくる。

    少しずつ明かされる背景とともに、最終巻へ。

  • なるほど、医療小説だわ。
    そして、そこも伏線⁈
    早く続きをよまなくては!

  • 大国とそれに支配される少数民族。
    独自の文化、文明が薄れていく悲しみ。
    弱者の武器である生物兵器。
    人の世の根本を問いかけるファンタジーなのかも知れません。

  • <内容紹介より>
    何者かに攫われたユナを追い、<火馬の民>の集落へ辿り着いたヴァン。彼らは帝国・東乎瑠の侵攻によって故郷を追われ、強い哀しみと怒りを抱えていた。族長のオーファンから岩塩鉱を襲った犬の秘密と、自身の身体に起こった異変の真相を明かされ、戸惑うヴァンだが……⁉一方、黒狼熱の治療法をもとめ、医術師ホッサルは一人の男の行方を追っていた。病に罹る者と罹らない者、その違いは本当に神の意志なのか――。

    ――――
    ヴァンの体に起こったこと、そしてアカファ王の「魔が差した」ことをうけた少数部族の波乱。
    神の意志と信じて、帝国にゲリラ攻撃を仕掛ける<火馬の民>、帝国に露見したテロ行為を「なかったこと」にしようとするアカファ王、病に挑むホッサル、ユナをさがして旅するヴァン。
    それぞれの思惑が次第に交錯し始めます。

    個人的には、ついにヴァンがユナを見つけ出したことに安心しました。

    様々な立場の人々の、それぞれの思惑が込み入っていて少しわかりにくい印象もありますが、戦いの描写やストーリー全体の展開なども歯切れがよく、ストレスなく読み進めることができます。

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プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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