鹿の王 4 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055106

作品紹介・あらすじ

ついに生き残った男――ヴァンと対面したホッサルは、人類を脅かす病のある秘密に気づく。一方、火馬の民のオーファンは故郷をとり戻すために最後の勝負をしかけていた。生命を巡る壮大な冒険小説、完結!

感想・レビュー・書評

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  • 今の時代にピッタリな小説なのではないか?

    ファンタジーではあるが、単なる御伽噺などではなく、ウイルスに立ち向かう医師と、人を守るために戦う男のバックに広がる壮大な世界観。

    物語としても面白いし、文章力は圧倒的に素晴らしい。
    キャラクターも魅力的で、のめり込んで読んでしまう。
    文章力がかなりあるのに、小難しいわけではなくて、情景が思い浮かべやすく、物語も加速していく。

    なるほど本屋大賞なわけだと納得。

    ファンタジーは苦手な私だが、心掴まれる物語だった。

  • なんて壮大で心奪われる物語なんだろう。気になっていたけど予備知識なしで読み始め3巻まで一気読み。
    今出会えたからよかったのかも。
    4巻では政治的な問題も孕んで悲しい展開に

    謎の疫病
    現代の世界で起きているいろんな悲しい出来事を予見していたかのような物語で、悲しみや恐ろしさと今、目の前で起こっているような感覚から、世界に引き込まれていった。

    2015年本屋大賞受賞作
    ファンタジー作品では初だそう

  • これまで、タイトルの意味が謎だったけれども、ついに4巻で鹿の王という単語が登場する。
    しかもその意味も奥深い…

    3巻では予想もしてなかった展開が続きが、まさかこうなるとは…とビックリした!
    一矢報いる為に死を選ぶ彼らが悲しく、しかも物語の中で見せた愛情深い一面を知っているだけに心が痛い。
    無関係な人まで殺した悪い奴ら、とはとても思えなかった。

    最後はここで終わっちゃうのかと思ったけど、でも希望を持っていられる終わりで安心した。
    きっとユナちゃん達がいれば大丈夫なんじゃないかな。
    欠け角として孤独にあったヴァンが幸せになれますように!

  • 主役はヴァンであるが、ホッサルの物語でもある。
    物語は最後、混沌の中に小さな光を見出す。それは希望であることを願う。
    ホッサルの信念が最後までブレないのはあっぱれ!
    ヴァンは過去のことを引きずり、自分の生きる意味や、成すべきことを模索し続けている。

    命を投げうってまで守るべきものとは一体。
    自分にそれが出来るのか。
    仲間の危機を命を懸けて救う存在。人々は、その一頭を鹿の王と呼んだ。
    作中には、その死を賛美する価値観を問う場面も出てくる。生き残った弱者の英雄思想が鼻につくのだ。

    守るべきものを守るために、ヴァンは飛鹿と共に命を懸けた。一人だった彼は、ついに家族を手にしていたのだ。
    ホッサルは巻末にて、治療薬の手がかりを掴み、確信に近い感情を抱いている。

    飛鹿の活躍がちょっと地味に描かれているので、もっとアクション要素が欲しかった。
    世界の危うい均衡に、人の駆け引きや策略。
    複雑に絡む事情は、くだらないと言いたいものも沢山あるが、人の世の常であることで納得する。

    とにかく登場人物が魅力的だ。
    ホッサルとマコウカンの二人が好きです。
    ヴァンは闇が深く、主人公であるが、最後まで掴みどころが無い感覚だ。逆に言うとそれが魅力でもある。

    さすがにこのボリューム。フーっと一息。
    良い読書ができました。

    読了。

  • 面白かったです‼︎
    壮大なファンタジー作品と思いきや…
    リアルに心に迫ってくる内容でした。
    ずーっと切なかった。


    戦争、侵略、迫害、差別…
    そして医療における倫理…

    最後に鹿の王の本当の意味を知り
    なるほど!さすが本屋大賞‼︎
    と二重に感動です( ^ω^ )


    注文がひとつだけ…
    もうちょっと地図をリアルに描いて欲しかった笑
    ファンタジーは地図が大事(〃ω〃)



    • 松子さん
      みんみんさん、ひまさん
      おはようございます(^^)

      みんみんさんの漫画週間たのしみっ
      レビュー参考にさせて頂きます♪

      鹿の王、あっという...
      みんみんさん、ひまさん
      おはようございます(^^)

      みんみんさんの漫画週間たのしみっ
      レビュー参考にさせて頂きます♪

      鹿の王、あっという間に読了
      すごいです!
      地図の話、わたしも思いました
      模造紙半分ぐらいの大きさの、おっきい地図がほしいぃー(´∀`) で、色々付箋に書いて貼っていく。ふふふ

      ひまさん、いつかお願いしたいことが…
      十二国記とその他色々ある積読が
      もうちょっと落ち着いたら
      ひまさんの、おすすめ教えて欲しいです。

      ひまさんのオールタイムベストと
      私が読んだら、これは間違いなくまるんじゃない⁉︎という
      二方向からのおすすめを、ぜひお願いしたいんです。(ずうずうしいかな⁉︎とちょっと悩んだ)

      いまは十二国記山、登山中なので、
      改めて、ひまさんの本棚にお願いにいきまーす
      (^^)
       
      2022/09/23
    • ひまわりめろんさん
      わかったよー

      オールタイム・ベストって言われちゃうと金田一耕助とかシャーロック・ホームズとか、『あすなろ物語』みたいな古いのになっちゃうん...
      わかったよー

      オールタイム・ベストって言われちゃうと金田一耕助とかシャーロック・ホームズとか、『あすなろ物語』みたいな古いのになっちゃうんで新しめのやつで考えとくね
      2022/09/23
    • 松子さん
      ひまさん、ありがとう‼︎(^^)
      楽しみですっ‼︎
      頂上まったく見えないけど…(・_・;
      ひまさん、ありがとう‼︎(^^)
      楽しみですっ‼︎
      頂上まったく見えないけど…(・_・;
      2022/09/23
  • 鹿の王の意味が明らかになる最終巻。

    ようやく、ヴァンと医術師ホッサルが出会う場面。二人の会話は、まるで昔からの知り合いのよう。お互いを尊重し合う姿勢も良かったです。

    ホッサルの話は、自分の体を構成している細胞の一つ一つについて考えさせられます。一つの体でも、一つ一つの臓器でもなく、もっと小さな人の細胞についてです。
    私は以前、本で読んだ、がん細胞の事を思い出しました。がん細胞は、健康な人でも持っていて、それを自分の免疫細胞が攻撃して、がんにならないように毎日戦ってくれている。目には見えないけれど、私たちの体の中では、そんな小さなものたちが休まず戦っていて、体を整えてくれている。

    この本を読み終えて、まさか人の体について、こんなに考えさせられるとは思いませんでした。題名からも、表紙の絵からも想像できません。ファンタジー小説と、一言では言えない、たくさんの要素が詰まった本でした。

  • タイトルの〈鹿の王〉は、ヴァンの語るところによれば「飛鹿の群れの中には、群れが危機に陥ったとき、己の命を張って群れを逃がす鹿」がいて、「たいていは、かつては頑健であった牡で、いまはもう盛りを過ぎ、しかし、なお敵と戦う力を充分に残してい」て、「群れを支配する者、という意味ではなく、本当の意味で群れの存続を尊むべき者」のこと。自己犠牲精神に溢れた老兵ということであり、物語ラストで〈欠け角のヴァン〉がその役を演じることとなる。

    第4巻の前半、ホッサルやミラルが黒狼熱の由来やヴァンの身に起こった変化についてヴァンに仮説を語る部分が一つのクライマックス。ただ、仮説の域を出ず、以降深堀りはされない(もう少し医術の部分に焦点を当てて欲しかった気も…)。その後、火馬の民の長オーファンやシカンの〈キンマの犬〉を用いた襲撃の企てを阻止すべくヴァンが行動するサスペンスとなって一気にラストを迎える。

    本作、一部に不思議な現象は描かれているものの、派手な魔法や超能力の類いは出てこない。異世界の物語であるにも関わらず、リアリティーを追求しているところが良かった。変にドキドキ感を煽ることがなく、淡々と読み進められるストーリー展開も、自分に合っていると思った。

    著者の他の作品も読んでみようかな。

  • すごく久しぶりにファンタジーの長編小説を読んだ気がします。
    最初は、この壮大な世界観についていけるかなーと少し不安でしたが、2巻の後半あたりから物語に入り込み、ぐんぐん読み進めることができました。

    物語の主軸となるのは、
    黒狼に噛まれ病素を体に宿したヴァンと
    魔術使いの天才医術師と謳われるホッサルの二人。


    激動の人生を歩む二人は、幾度となく自分自身に問いかけます。

    病とは何か。人とは何か。民族とは何か。
    そして、国とは何か。


    大きな大きなテーマを掲げた小説だと思いますが、幼子のユナの描写等に癒されながら、気負うことなく読むことができました。

    続編もつい先日発売されたようなので、ぜひ読んでみたいです。

  • ついに完結。
    読みやすく、しっかりと物語にはいっていくことができた。

    34頁
    『この世に生きる者、誰ひとりとして、病から完全に自由な者はいないんだ。』

  • 最終巻、4巻。
    ついにヴァンとホッサルが邂逅、完結へ。

    最後まで敵の狙いがわからなかったかったけど、まさかでした。
    そこかー。そして黒幕・・・。

    途中からヴァンが最後になにを選択するのかが途中からわかってね・・・切なかったよね。

    2巻かな、清心医術とオタワル医術が一緒に黒狼病に立ち向かうシーンが好きでした。登場人物は多いけど、理解できないほどではないしずっと楽しかったです。
    好きなキャラはサエかなあ。ユナの旅として、この後続編が出たら嬉しいです。

    上橋先生の作品、全部よみます。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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