鹿の王 4 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.11
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  • (2)
本棚登録 : 931
レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055106

作品紹介・あらすじ

ついに生き残った男――ヴァンと対面したホッサルは、人類を脅かす病のある秘密に気づく。一方、火馬の民のオーファンは故郷をとり戻すために最後の勝負をしかけていた。生命を巡る壮大な冒険小説、完結!

感想・レビュー・書評

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  • 物語は終わっても、物語の中の世界は終わらない
    明るい期待をもたせて締めくくってくれた。
    ユナという存在が最初から最後までこの物語の光だった。


    正直、読み始めた時は泥臭いおっさんが主人公か、、、
    と思ったけれど、
    ヴァンと寄り添っていく中で
    彼の人間的な魅力にすっかりやられてしまった。


    ヴァンと、ユナの言葉を必要としないつながりに
    胸が熱くなった。


    もう一度、「獣の奏者」の外伝を読みたい。
    この著者の描く親子が好きなんだな、と気づかされた。


    生まれおち、一度だけの生を生きていく。
    ヴァンも、ユナも、サエも、ホッサルも、ミラルも
    身の内で起こる事、外で起こる事を事象として受け止めつつ
    賢くも愚かにも生きていく。


    できる力を持つヴァンが半仔たちを率いて去って行き
    迎えに行ける力を持つユナたちが迎えに行く
    鹿の王をたらしめるのは、他者という事で
    ユナという存在がヴァンを救ってくれる事を信じ
    暖かい気持ちで本を閉じる事ができた。

  • ヴァンの行動が自己犠牲の方向に向かっているように感じた時から、もしかして悲しい終わり方なのじゃないかと気を揉みながら読み進めたけど、結局読者の想像に任せられるような結末だった。
    ハッピーエンド好きとしては少し物足りない終わり方だったけど、きっとこの先にも本には収まりきらない物語があるのだと思うことにする。

  • とうとう終ってしまった。感無量。ユナとヴァンは絶対に離れられない絆で結ばれているんだ。それがすごく嬉しかった。ヴァンは「鹿の王」となるべく、自己を顧みずユナを置き、離れていこうとしたけれど、ユナの血がそれを許さなかった。本当にすごい。こんなエンディングになるなんて想像していなかった。快哉を叫ぶとはこのことか。物語、冒険はまだまだ続きそうだけれど、私たちが関われるのがここまでかと思うととても寂しい。また何かのカタチでヴァンやユナ、サヤたちに会えるといいな。ユナがどんな女の子になっていくのかとても楽しみだ。

  • 作者の分身のような登場人物がひとりでに動き出して語られる物語ではなく、抗いがたい運命に必死で抗ってもがく人物たちを淡々と描き出していると感じた。
    生き生きとした躍動ではなく、絶望的な状況で生々しく苦悩する姿にこそ、この物語のよさと思った。
    それぞれの人物のその根底にあるのは民族や一族の生活、歴史という背景がリアルに感じられ、人物の行動や思考を強く縛っているからであり、余計にラストシーンが引き立つ。
    全然違うけど、ナウシカのラストのようなものを想像していたので、あのラストでよかったし印象深かった。

  • 上橋さんらしさ100%。精霊の守り人シリーズと同様,未知なる自然と人との繋がりに引き込まれてしまう。
    あらすじ(背表紙より)
    岩塩鉱を生き残った男・ヴァンと、ついに対面したホッサル。人はなぜ病み、なぜ治る者と治らぬ者がいるのか―投げかけられた問いに答えようとする中で、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づく。その頃仲間を失った“火馬の民”のオーファンは、故郷をとり戻すべく最後の勝負を仕掛けていた。病む者の哀しみを見過ごせなかったヴァンが、愛する者たちが生きる世界のために下した決断とは―!?上橋菜穂子の傑作長編、堂々完結!

  • 読みやすい文体で流れるように勢いのある物語が描かれている。
    他民族の思想が絡まることで、スケールが広く深くなっていて惹きこまれます。
    病気への向き合い方もそれぞれの人が思う気持ちも多種多様で、どれも理解出来て、だからこそ難しく苦しく、又面白い。

  • 途中、泣いてしまいましたねー。
    上橋さんならではの、ここで、ああなってしまうのではないか、とか、悪い想像も働かせてしまいましたが、思ったほど、最悪のシナリオにはならず、ほっとしました。
    あの終わり方、あそこで終わる、というのも、含みがあって、良いと思いました。

  • 児童書だと思っていたら、主人公がおじさんだった事にまず衝撃を受けた。
    各地の歴史や民族たちの特長とか良く出来ていて、なんとも壮大な世界を体験できました。
    命の不思議さを実感。面白かった。

  • 最後のページをめくり、エピローグがないかと探してしまった。
    鹿の王たる運命というか、宿命というか。わかっていてもハッピーエンドを願わずにはいられない。
    ヴァンが孤高が故の愛されキャラで
    四巻あっという間。
    上橋先生、サイコーです。

  • ようやく読み終わった。
    終始、異世界にトリップしてる感じ。(入院とかの)まとまった時間が取れるときに、また一気に読みたい。
    そしてファンタジー要素だけではなく、医療小説の要素も絡み合っているのが面白かった。菌とは?それで組成される人体とは?その行動原理は?……現代ほど最新技術がないからこそ自然に本質に迫る姿は、色々と考えさせられた。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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