- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041055663
作品紹介・あらすじ
辺境の遊牧民が、わずか数年でMITに進学!!
謎の国家の新設校が起こした、奇跡のような本当の話。
解説・高野秀行氏
世界のフロンティアは、ソマリの子どもたちの中にあった。
破綻国家・ソマリアの中にある、平和な“未承認国”。謎の独立国家として一躍その名を知られたソマリランドに一人の男が飛び込んだ。
元ファンドマネージャーの男が私財を投げ打って挑んだのは、学校創り。それも、ハーバードやMITに進学しうるグローバルエリートを育成する学校だった。ナショナリストの突き上げは無論のこと、学校乗っ取りを企む地元有力者まで現れて七転八倒! しかし、イスラム教徒でもない白人男性は、不可能とされた夢を生徒たちと実現していく。
わずか数年で逆境を覆した教育革命は、世界の辺境から起きた!!
感想・レビュー・書評
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教育の機会を渇望して得た人には、のほほんと受動的に学んできたような私では敵わない。
学校を作る過程で邪魔をしてくる人とのバトルの部分が多かったが、生徒が学校内でどのように学んで成長していったかをより詳しく書いて欲しかった。
バトルの部分が話として面白いのは確かなのだが。 -
アメリカ人である著者が
アフリカのソマリランドに一から学校を
作るという実話。
とにかく著者の熱意がすごい!!
自分の国のことならまだしも
歓迎されてもいない(初めは)他の国に
そこまで身を投じれるということに脱帽。
そしてアフリカの、というか教育の機会に
飢えている子どもたちに学ぶ環境を
与えた時の伸び代の凄さにも驚き。
勉強ができることは幸せなことと
小さい頃から言われ続け、
自分も子どもに対してそのように言うが、
なかなかぴんとくる日本の子どもたちは
いないように思う。
ぜひ、この本を通して、学ぶ機会があるということがいかに大切か、子どもたちにも伝えたいと思う。
ソマリランドのことを全く知らなかったので
ググったところ、治安はかなりいいらしい!
いつか行ってみたい。
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学校のことしか考えていない、と言うこともできる著者のやり方は極端に思える部分もあったけど、あくまで子どもたちの教育のため!という目的に絞ってとことんやったことで目覚ましい成果を上げている。子どもたちの変化には勇気をもらったし、自分も夢のため、精いっぱい頑張ろうと思った。
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実話とはにわかに信じがたい驚嘆の物語。
本著はアメリカ人である著者がアフリカのソマリランドに学校を創設し、MITやハーバードのような名だたるアメリカの大学に生徒を輩出するまでの闘いの日々を綴った奮闘記。
「アフリカの辺境の地に学校を建て、世界に通用するエリートを養成する」、一筋縄でいかないことは想像できたが、その実際は私の想像をはるかに超えていた。
運営資金の確保、宗教の相違から生まれるソマリ氏族からの反発、共同経営者の裏切り、教育省の妨害など、著者に降りかかった困難は枚挙にいとまがない。
しかし、著者はそんな次々と降りかかる困難に屈することなく挑戦を続けた。それを支えたのは、「ソマリランドの子ども達に優れた教育を受けさせたい」という熱い想いだった。私はその著者の情熱とどんな逆境下でも物事を前に進めようとする行動力にただただ感服した。
最後にもう一点、非常に印象に残ったことがある。それはソマリランドの子ども達の学びへの意欲だ。私にとって、学校に行くことは義務だった。行きたいから行くのではない。行かなくてはいけないから、行っていた。しかし、ソマリランドの子ども達は違った。学校に行きたいのだ。勉強がしたいのだ。過去の自分を恥じたくなるくらい、学びに対して貪欲で勤勉な子ども達が輝いて見えた。「教育を受けたい」そう思っている人がちゃんと教育を受けられる環境が必要だと切に思った。
著者の飽くなき情熱と子ども達の学びへの意欲にソマリランドの明るい未来を見た思いがした。