鶏小説集

著者 : 坂木司
  • KADOKAWA (2017年10月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055755

作品紹介

トリドリな物語。旨さあふれる「鶏」小説を召し上がれ。
「トリとチキン」…似てるけど似てない俺たち。思春期のゆらぎと成長を描く/あげチキ
「地鶏のひよこ」…地方出身の父親と、都会生まれの息子/地鶏の炭火焼
「丸ごとコンビニエント」…コンビニバイトの僕が遭遇したクリスマスの惨劇とは/ローストチキン
「羽のある肉」…高校受験を控えた夏。彼女と二人で出かける/鶏手羽の照り煮
「とべ エンド」…死にたがりだった漫画家。そのエピソードゼロとは/鶏ハム

鶏小説集の感想・レビュー・書評

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  •  『肉小説集』という奇妙な短編集が刊行されたのが、約3年前。坂木司さんの新刊は、『鶏小説集』だそうである。肉の中でも、今回は鶏に特化?

     最初の2編は密接な関係にある。「トリとチキン」。見た目は瓜二つだが、まったく違う家庭で育った2人。お互い、相手の家庭に居心地の良さを感じる。こういうミスマッチは珍しくないだろう。しかし、贅沢な悩みであることもわかっている。

     「地鶏のひよこ」。今度は父親目線である。嗜好が合わない息子との関係に悩む父。瓜二つの息子の友人と過ごす方が、楽しい。それでも息子を理解したい。だから、あんな父は許せない。大人の対応を崩さないこのお父さんは、偉いと思う。

     「丸ごとコンビニエント」。年末年始にコンビニのバイトに勤しむ青年。こだわりの薄さを自認している彼が、強くこだわったこととは? そのこだわりのおかげで、命拾いしたとだけ書いておこう。ホラーのような心温まるような…。

     「羽のある肉」。こちらもあまりこだわりがなさそうな、中学3年生。流れで新聞委員を押し付けられた結果、思わぬ展開に。彼自身が気づいていない魅力とは。ああ夏休み。ああ花火大会。ああ青春だねえとだけ書いておこう。

     「とべ エンド」。引きこもり寸前の青年にとって、それは転機だったと言えるのだろうか? どんなに嘘がなくても、そんな知り合いは勘弁してくれ。表現のあり方にうるさい昨今である。彼を応援したい気もするし、でも読みたくはないかな。

     読んでみればわかる通り、最初の2編以外でも、登場人物がリンクしているのが特徴と言える。彼ら自身の与り知らないところで、それぞれの生き方に、影響を与えているのだった。坂木作品らしい優しさも光る、好編揃いの短編集だ。

     でもやっぱり、「鶏」が共通のキーワードである必然性はないような…。

  • 豚が表紙の「肉小説集」に続いて、今度は鶏。
    5作からなる短編集だが、皆、どこかでつながっている。
    中心にあるのは…コンビニじゃないかなあ~?
    夜の住宅街に、ポッとともる灯りは気持ちをほぐしてくれる。
    しかし、そこでクリスマスの惨劇が!!
    インパクト強し。
    そしてなんといっても、『あげチキ』
    貧乏神なるあだ名の店長の、才能に気づいているのは孤独な漫画家。
    やっぱり揚げ方で味が違うのでしょうか。

    忘れてはならないのは、鶏(肉?)は、翼を持った生きものであったということだそう。
    5つの作品にも、どこかに「飛びたい、飛び立ちたい」という気持ちが込められているように思いました。


    『トリとチキン』
    子ども時代、友達の家がうらやましかったことって、ある。

    『地鶏のひよこ』
    父親から見た息子。
    結構思い切ったことが書かれている。

    『丸ごとコンビニエント』
    広く浅く便利に生きて何が悪い。

    『羽のある肉』
    誤解から始まる、ピュアなラブコメ。
    気持ちが飛んでいくところ、よかった。

    『とべ エンド』
    バキも、秘めたる翼があるのだろうな。
    「わからない」の先にあるものを追いかけていきたい。
    その言葉は、人生そのものかも。

  • 「肉小説集」に続く、肉の部位ごとに人生の困難に降りかかっても前向きに生きる人々の話を描いている。クリスマスのコンビニを舞台にした、奇妙な事件の謎をコンビニ店員らが解いていく話は今の時期にピッタリであり、クリスマス商戦の舞台裏とミステリーにヒヤヒヤしたが、最後に無事事件が解決し無事クリスマス商戦を乗り切った安堵感を感じる。親子の話では思春期の友人の繊細な心や父子関係の繊細さをうまく表現され、親子間の葛藤の中に二人仲良くチキンを食べる姿が微笑ましく、困難の先に光明も感じられて良い。チキンが食べたくなる気分。

  • 肉がこわめだったので、どうかな?と思ったが、これは怖くなくて良かった。
    ゆるく繋がる連作短編集。
    とべ えんど が坂木さんらしくて好きかも。
    親子の関係は親側として身につまされた。
    親を捨てていくもの、健康に育ってくれることが恩返し

  • 鶏料理にそれぞれの悩みなどが絡みあい面白いです。
    また脇役が思わぬ形でそれぞれの話につながっているのも楽しめます。

  • 鶏肉料理を取り入れた5つの短編作品。

    「トリとチキン」は、小学生のハルと塾で知り合ったレンの友情の話。全く違う家庭環境で育った二人の無いものねだりの小学校時代と花火大会の思い出。

    「地鶏のひよこ」はレンのどこか寒々しい家、その主である父親の本音。愛情はあるのです。

    「丸ごとのコンビニエント」は事件もあって一番おもしろかったです。声出して笑いそう。浅くて広くて便利!の何が悪いのか。そして貧乏神の店長ナイス!

    「羽のある肉」にはハルの妹が登場します。

    「とべ エンド」は、羽のある肉で出てきたマンガの作家が主人公。上手く生きていくことが苦手な主人公、いじめっ子ジャイアンはそんなに悪い奴じゃない。

    全体通して、人生の悲喜こもごもが上手く書かれてて、さわやかで美味しそうで。とても読後感もよくて満足な一冊でした。

  • +++
    おまえの羽はどこにある? 様々な岐路で迷い、奮闘する全ての人へ―‐

    トリドリな物語。旨さあふれる「鶏」小説を召し上がれ。
    「トリとチキン」…似てるけど似てない俺たち。思春期のゆらぎと成長を描く/あげチキ
    「地鶏のひよこ」…地方出身の父親と、都会生まれの息子/地鶏の炭火焼
    「丸ごとコンビニエント」…コンビニバイトの僕が遭遇したクリスマスの惨劇とは/ローストチキン
    「羽のある肉」…高校受験を控えた夏。彼女と二人で出かける/鶏手羽の照り煮
    「とべ エンド」…死にたがりだった漫画家。そのエピソードゼロとは/鶏ハム
    +++

    豚肉の次は鶏肉である。おいしそうな鶏肉料理に絡めて、さまざまな(トリドリな?)エピソードが語られる。鬱屈したものを解き放てずに溜め込む若者たちの姿が、飾らずに描かれていて興味深い。ページの向こうにいる人を思わず応援したくなったりもする。鶏肉と同じで、噛めば噛むほど味わい深くなる一冊である。

  • 鶏にまつわる短編集。
    おかしくて、少し悲しい。
    何気に登場人物が重なっていくのが楽しい。
    コンビニの揚げ鳥が食べたくなる。
    そして…久々にトリハム作るか

  • 軽く鶏肉に絡めながら、そして少しずつ繋がってる短編集。育って来た環境で人って左右されるよねみたいな感じの話が根底にあったりするのかな?と思いつつも、軽く読めちゃうから、深く考える感じでもなく。読みやすい。パパの話が好きだったな。

  • コンビニの焼き鳥の「焦げ」感ってフレーバーで出していたのか。なんだかショック。なんとか農場とかいうチェーンの居酒屋に行きたくなる。

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