オリジン 下

  • KADOKAWA
3.76
  • (95)
  • (203)
  • (150)
  • (17)
  • (8)
本棚登録 : 1338
感想 : 166
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041055977

作品紹介・あらすじ

スペインのビルバオ、マドリード、バルセロナを舞台に、ラングドンの前に最強の敵が立ちはだかる! 鍵を握るのは、人類最大の謎「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」――。
全世界で2億部突破のベストセラー作家、ダン・ブラウンの最高傑作が満を持して日本上陸!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今回のテーマは、科学と宗教の対立・共存について。
    その意味では、第一作の『天使と悪魔』と同じですが、
    第一作から15年を経て ”科学” のレベルがずいぶん具体的で興味深い。
    偶然、今朝のTV番組でトヨタの「ウーヴン・シティ」が
    話題に取り上げられていました。
    この作品に出てくる人工知能のようなものが、
    そんなに遠くない将来に実現するのかもしれないと、
    気持ちが一瞬 未来に跳びました。

    今回は、ガウディの作品「カサ・ミラ」と「サグラダ・ファミリア」への旅。
    物語の展開もさることながら、ダン・ブラウン氏の美術や文学の描写は、
    それだけでも読んでいて楽しいのです。

    そして、ブラウン氏はディズニーがお好きなようで、
    教授のミッキーの腕時計がどの作品にも登場します。
    今回は上巻でスマホを捨てる所で、エルサの ”Let it go!" が歌われ、
    下巻では天才科学者が種の進化を解き明かすツールのヒントを得たのが、
    ディズニーのアニメだったというくだりがあります。
    このあたりのお茶目さも見逃せません。

    ストーリーとしては、読者の裏をかく見事な展開。
    人類の起源と未来についての読み応えのある記述。
    それにつづいて解き明かされる衝撃的な事件の真実。
    そして科学と宗教の関係についての考察。

    次はいつになるのでしょう。
    またラングドン教授に会える日が来るのが楽しみで仕方ない。

  • ハラハラドキドキの下巻。上巻ほど衒学的ではなく、アクション満載で、一気読みできた。謎解きは上巻で予想したものから当たらずとも遠からず。
    カーシュが公開を望み、宗教界が騒然とした内容は正直肩透かしのようなものだった。キリスト教社会ではインパクトの大きなものなのだろうか。そこで終わっていたら、全体として満足しつつ、こんなもんかなという印象だっただろう。しかし、さすがはダン・ブラウン。ラングドン教授とある人物とのやり取り、そしてそのやり取りの後に教授がとった行動で物語の見え方がガラリと変わるのである。
    ちなみに、私は、このシリーズを読む時、どうしてもラングドン教授をトム・ハンクスの風貌に置き換えてしまう。恐るべしハリウッド。

  • 舞台はビルバオから バルセロナへ。
    あの有名なカーサミラやサグラダ・ファミリアの登場は予想の範囲だけれどペドラルベス周辺は当然のように全く知らず、上巻の最初の方に登場したあの図はそうだったのか!と、検索してしまう。
    カルト教会 ネットのリーク記事 近衛兵隊 王宮セキュリティなどなどが次々に登場して話を進めていくが、混乱させずに読ませていくスッキリさもさすが。

    また、殺人事件モノでありながら犯人はだれか?よりも 「人類はどこから来て、どこに行くのか?」という普遍的な問いへの興味が主軸になっているのも、なにか楽しい。

    大団円が近づくにつれて「プレゼンテーションの聴衆を最大にする」というフレーズがちょいちょい登場するので、最後はある程度予測がつく。
    が、きちっとそこを書き込むことで、IT時代の長所短所をちゃんとおさえておくオーソドックスさというか用心深さも手馴れているなぁと感じる。

    ダン・ブラウン級ともなれば 向こうからやってくるネタも多いだろうし 的確な取材もしやすかろう。
    それでも、無関係なモチーフをうまく繋ぎあわせる手腕には畏れ入る。
    それを可能にさせているのはブラウン氏の揺るぎない体系的な教養であろう。
    上品な娯楽本でありました。
    あ〜〜 ビルバオ行きたい!

  • スピード感溢れる展開。
    人工知能ウィンストンの存在感がスゴい。
    47文字のパスワードを見つけるまでは、本当にワクワクした。
    そしていよいよカーシュの映像を配信。
    演説は結構長くて理解しながら読み進めるのが大変だったかな。

    全て読み終わってもまだ、スペインにいるような感覚が続いている。
    ラングドン達と別れるのが寂しいな。
    いつかサグラダファミリアに行ってみたい。

  • 大上段に構えたな~。大丈夫?って思ってましたが、見事な着地。
    信仰を持たない身なので、神は実在するか否かを論じられても傍観するしかなく。ただ、AIの描き方には震えました。
    これは予言の書になるかもしれません。

  • お、おもしろかった〜〜〜!!!!
    おんもしれぇ〜!ダンブラウンすげぇ〜!!!
    よく書き切ったなこんなに壮大なお話を……
    ということでテーマ別に感想を書きます。

    ・サクラダファミリア
    正直ここらへん記憶に残ってない!!笑
    パラシュートで降下するキリスト教の像見てみたい!あとラングドンが背泳ぎのスタートの要領で生き延びたのが個人的にツボ。水泳部なので。

    ・われわれはどこから来たのか、またどこへ行くのか
    地球がエネルギーを発散させるための方法として生物が生まれたのではないか。というお話。
    そうなのではないかと信じざるを得ない。が、ラングドン教授が言ってたように、エネルギー発散のための物理的な始まりは誰が産み出したんだろうね。私は、この世はどこかの世界のゲームの中かもしれないと思う時があるよ。色んなことが都合よく、都合悪く行きすぎてね。

    どこにいくか、はテクノロジーが新しい種族として人間を吸収する未来がやってくるという話ですが。もうまさに今起きてるよね。Vtuberとか本当にそうじゃないか?スマホを手放せない私たちはもう吸収されてるよね?いいねの数で承認欲求を満たしきれないインスタグラマー達なんかもうテクノロジーの餌食じゃないか……
    サクラダファミリアの完成時期は本当に世界の転換期かもしれん。2026年やっけな。すぐや!!

    ・スペイン王の話
    ここまでギッチギチの話の中にLGBT問題入れてくるぅ?!?!とドン引いたが、愛は何もないところから生まれてくるっていうのが良かったな。それこそ愛の根源って何だろね。

    ・ウィンストン
    「全てはカーシュの要求を満たすため」だけど、手段を選ばないウィンストン。新たな宗教を作るには殉職者が必要ってところはゾッとしたな。
    人間の思考を真似ることができるなら殺人はダメだと分かるような気もするが......
    ウィンストンの自画像が地図なんは良かったな。今作で一番美味しいところを持って行ったのはウィンストンだと思います。

    他にもすげーっとなったことたくさんあったけど忘れた。ラングドン教授シリーズは本当にみんな読むべきだと思う。

  • さすがに圧巻❗️ラングドン教授シリーズでこれ以上面白い作品はもう無理だろうな。テーマが壮大だ。

  • 面白かった。気になるカーシュの発表の内容も興味深かったが、物語の行方も面白かった。

    宗教を全否定のスタンスかと思いきや必ずしもそうではなく、妄執的な信仰を否定しているようなスタンス。アビラはその加害者であり被害者だなぁ、と思いました。

    人間が滅びない保証なんてどこにもないし、科学的にそう裏づけられたらそうか、とカーシュの発表内容前半は私結構しっくりきました。
    後半はちょっとありえるなと思いつつまだ腹落ちできないとこもありました。

    ダンブラウンシリーズのなかでも、私は好きな作品でした。

    2019.5.18
    77

  • 一気読みしちゃいました!!最後の方は終わるのが惜しくて少しずつ読み進めました。これ程夢中で読んだのは久しぶり。知性が爆発している(?笑)ストーリー描写。

    で、犯人は誰なの!?って引っ張る引っ張る…ほとんどの方は予想を裏切られるんじゃないかと思いますがどうでしょう?

    名言がたくさん登場します。未来は暗いと自分は考えていますが…希望は捨てたくないとこれを読んだら深々と思いますね。
    登場する建築物や曲が実在するので、訳者後書きにもありますがそれらを調べつつ見つつ聞きつつ読み進めると一層臨場感が増すと思います。スペイン行きたくなること必至。

    現代アートに興味ありませんでしたが、グッゲンハイム美術館観てみたいです。サグラダ・ファミリアは言わずもがな。

  • シリーズ第5弾。
    宗教象徴学者・ラングドンがかつての教え子である未来学者・カーシュが人類の最大の謎に迫る発表を行うと言うことで、スペインを訪れる。
    しかし、発表の最中にカーシュが殺害されてしまう。
    果たして、カーシュが全世界に発信したかったことは何だったのか?カーシュの意思を受け、AIのウィンストンの力を借りながら、謎に迫って行く。
    宗教とAI。一見相反するものを繋いだ今作は今までの宗教間の争いよりは、ストーリー的には読みやすい。
    しかし、今作では今までに多く使われていたミスリードも少なく、カーシュが導いていた結論も結構前に分かってしまった。
    難解な用語も少ないけど、今までの作品に比べると、あまり読み応えがないのが、イマイチ…ネタ切れなのかぁ…

全166件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年ニューハンプシャー生まれ。アマースト大学を卒業後、英語教師から作家へ転身。2003年刊行のラングドンシリーズ二作目「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たす。父は数学者、母は宗教音楽家、そして妻は美術史研究者であり画家でもある。

「2019年 『オリジン 上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ダン・ブラウンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×