インドラネット

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  • KADOKAWA (2021年5月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784041056042

作品紹介・あらすじ

平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えて、この小説のイメージを一言でいうと「渇いた死」。

    非正規雇用でうだつの上がらない男・八目晃は、消息を絶った高校時代の友人・空知を探しにカンボジアへ旅立つー。

    不気味なまでに感情を排した、中立的な文章(に、僕は感じた)が続き、途中から「これはどこにもたどり着かないし、救われないんだろうな」という予感を持ちながら、読み続けた。
    結末はやっぱりというか…意外というか…。

    ひとまずの場所にたどり着くけど、解釈は人それぞれ。
    深読みすると味わいが出てきます。
    そこらへんは、さすがベテラン作家という感じ。

    • hiromida2さん
      naonaonao16g さん、
      確かに…(笑)
      naonaonao16g さん、
      確かに…(笑)
      2022/01/30
    • たけさん
      naonaoさん、コンフィデンスマン観にいきましたぜ!
      「プリンセス編」も映画館行きましたが、今回の「英雄編」はさらに面白かった。
      ヒゲダン...
      naonaoさん、コンフィデンスマン観にいきましたぜ!
      「プリンセス編」も映画館行きましたが、今回の「英雄編」はさらに面白かった。
      ヒゲダンの今回の曲も素晴らしいし最高でした。
      コロナでなかなか劇場に行くのをオススメしづらい時期ですけどね…

      読書気分の波、確かにありますね。
      今は正直乗れそうにありません。
      こんなときは、ブクログで立てる読書目標、ただただウザいだけです笑
      2022/01/30
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      おおー!英雄編、凄いんですね!
      安定の髭男なんですね!
      早くアマプラに追加されないかなぁ…笑

      そうなんですよ!波に乗れない時は...
      たけさん

      おおー!英雄編、凄いんですね!
      安定の髭男なんですね!
      早くアマプラに追加されないかなぁ…笑

      そうなんですよ!波に乗れない時はちょっときついですよね…
      わたしは映画で稼ぎます笑
      って、稼ぐ必要もないと思いますが…
      2022/01/30
  • マジか!の一冊。

    最初から最後まで面白さはハンパない。

    高校時代の親友探しのためカンボジアへ渡った主人公 晃。

    知人もいない異国の地で不安感しかない時に言葉が通じる人達と出会ったら否応なく心をオープンにしちゃうよね。

    次第に強くなっていく晃。次第に掴めていく親友、空知達の複雑な生い立ちと消息。

    晃の空知を想う心には時に胸アツ、時に涙で心うたれた。
    人を疑わなければいけないつらさに哀しみが、数々のピンチにはこちらまで恐怖に襲われた。

    そしてこの結末。マジか…!この一瞬の、ある意味サッパリ、バッサリ感がすごい。

  • 主人公の八目晃は20代半ば過ぎ、IT企業の子会社で契約社員をしているが、仕事にやる気もなく、周囲からも嫌われている。高校時代の友人であり、自宅にいつもお邪魔していた野々宮空知の父親が亡くなったという知らせを受けて通夜に行く。そこで知り合った安井から空知の姉を捜して欲しいという依頼、三輪という男から空知の妹を捜して欲しいという依頼を受ける。姉と妹を探すためには、空知を捜すべき、との二人からの依頼もあり、八目は空知捜しのために、カンボジアに出かけ、カンボジアで色々な目にあいながら、空知捜しを続ける。

    前半は、八目のやる気のなさに合わせるように物語のテンポもゆるやかで、やや退屈しながら読んだ。カンボジアで色々な苦労に遭ううちに、八目も徐々に空知捜しにのめり込むこととなり、それと共に物語のテンポもあがり、最後の方は一気に読んだ。ネタバレになるので書けないが、ラストはかなり衝撃的。

    カンボジアには、アンコールワットの遺跡を見に行ったことがある。シェムリアップに2泊した。カンボジアは不幸な歴史を持った国である。ポル・ポト率いるクメール・ルージュによる恐怖政治のあとは、内戦が続いた。ポル・ポト時代には、総人口の20%以上の人たちが命を落としたと言われ、また、内戦時代には国の至る場所に地雷が埋められ、それにより命を落とす、あるいは、深い傷を負う人が後を絶たなかった。アンコールワットの遺跡を見学した際も、地雷で足を亡くした人たちが物乞いをしている姿を数多く見かけた。
    桐野夏生が、この物語の舞台にカンボジアを選んだのは、もちろん、この国の抱えるそのような不幸な歴史を物語の背景として使うためであり、その歴史がなければ、この物語は成立していないし、この物語が醸し出す、理不尽で怖ろしい雰囲気は生まれていない。
    作家のイマジネーションがどこから生まれて、どのように物語に結ばれていくのかは分からないが、この物語は、桐野夏生がカンボジアの歴史からインスピレーションを得たのではないかと想像する。

  • 私が読む、初、桐野夏生さん作品。
    主人公の晃を全く好きになれず、これは一体どういうお話なの?とわけわからず、これは「読み続けられなかった本」カテゴリ行きになるか?と思うも、決して文体が読みにくいわけではない。
    そのように悩んだ時にたまにやるのだが、早々に皆さんのレビューを、ネタバレ含めて拝見して、読み続けるかやめるか決めることにした。

    結果、決して惹きつけられたわけではないが、不思議と読み飛ばすことなく最後までしっかり読めた。
    その分、★ひとつ追加でなんとか3つ。

    三輪も結局、安井と同じく木村の仲間だったということ?
    三輪と一緒にいた野々宮母、雅恵も?
    この2人は私にはあやふやで終わった。
    一番可哀想なのは晃の母。
    息子が旅行に行ったきり行方不明だなんて、母としたらこんな不幸は無い。

    全くの個人的な感覚だが、『王とサーカス』(米澤穂信著)・『サラバ!』(西加奈子著)・1巻(香港・マカオ)しか読んでいないがその先も読みたいと思っている『深夜特急』(沢木耕太郎著)と本書は同じくくり。
    いずれも自分は絶対に訪れることはないであろう国の話であり、なんだかわけわからないなぁと思いつつも不思議ときっちりと読み切った本。

  • やっぱり桐野さんって、凄い!!
    いつもいつも読み終えた時に頭に浮かぶのは『容赦ない』という言葉。今回も第六章のあまりの衝撃に、ラスト20ページは、すぐに丸々読み返した。怖いんだけど、2度目にゆっくり読んだら、なんともいえない哀しみを感じ…。こういう結末をもってくる桐野さんに圧倒されたのでした。

    主人公の晃の自堕落で無防備で怠慢な、そして行き当たりばったりな性格といったら、もう…前半は呆れながら「しょーもない男だなあ」と思いつつ読んでいた。
    いきなり外国に(しかもカンボジア)手ぶらで行き、あまりにも無知で不用心な晃が、危なっかしいことったらもう…自分だったら、どんなに若くてもこんなこと出来ない。怖すぎるもん。知らない土地で、信用できる人を見つけるのがいかに困難なことか。しかし、世の中にはこんなふうに生きていってしまう人がいっぱいいるんだろうなあ〜とも思う。ああ〜怖い。

    ブクログ登録出来ている、私が読んだ桐野夏生さん、これで34作品でした。(昔ので忘れてるのがあるかもしれないけど)
    桐野さんって、本当に文がシンプルだし的確で無駄がない。なのでいつもスイスイ読んじゃうけど、なんていうのかな、心の芯の内側をえぐられるような気持ちになるの。

    読み終えると、インドラネットの意味がじわじわ染みてきます。

    印象に残ったセリフ、ちょっとだけ(中略あり)
    ーーーーー
    「だけど、私は戦争で変わってしまった人はたくさん見たよ。人間は追い詰められたら変わる」

    「一番怖いのは、人間の悪意だ。悪意は執拗で、どんどん広がって、大きくなる。そんな世界が俺を待っていることなど、想像もしなかった」
    ーーーーー
    インタビューで「ずっと戦ってきた」と語っていた桐野さん。まだまだその戦いを、読み続けていきたい、やっぱり桐野夏生さんが大好きだ!と、強く感じたのでした。

  • 平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……

    桐野さんは好きな作家でシンパシーを感じるのだけれど、本作のダークなラストに打ちのめされた。カンボジアにポルポト政権が暗い歴史を残したのはある程度知っていたつもりだったが、ここまで悲惨だったとは。最初は、晃と同様にカンボジア甘ちゃん旅行記を読んでいる軽い気持ちだった。日本同様に次々と登場する不可解な人物達。まるで晃は張り巡らされた網にかかった蜘蛛のようだった。空知との再会を信じて疑わずに、晃と一緒に東南アジア独特のぬるい風を肌で感じながら、旅行した心持にさせてもらえたのは特筆しておきたい。

  • 本当に冴えなくて浅はかな主人公が、危険な香りしかしない依頼を安易に受ける時点で、全く共感はできないけど、続きが気になってあっという間に読むことができました

    読んでる間はカンボジアに吸い込まれるように、旅してる気持ちになって読めます
    街並みやトゥクトゥク、ちょっと美味しそうな食べ物も出てきてワクワクしたけど、自分にはとてもじゃないが出来ない旅を体験できた気がします

  • 【こうして、野々宮三きょうだいは、ほとんど同時期に、日本から消えていなくなった】【ものは相談ですが、あなた、まず空知君を捜しに行きませんか?】 マスクも消毒も気にしないで熱く混沌とした異国の地、町の匂いも喧騒も肌で感じるほどに本の世界へのめり込んだ。誰が本当の事を伝えているの?何を信じたらいいの?晃と、空知。二人はきっとこの先永遠に離れることは無いのだろう、読了し、ぶるりと震えた。【サイン本】

  • 著者の前作、怖くて挫折した身としては今回は最後に戦慄するも、なんとか完読した。けど、やっぱり怖かった。

    今回は八目のいい加減さが物語を重くせずなんとか救われながらも、アジアの混沌とした世界を知ることになる。

    そして、次回作を読むとき、更なる覚悟が必要である。

  • さすが桐野夏生って感じでグイグイ読めた。最後がいまいちだったけど、面白かった。
    カンボジアの振り込め詐欺集団が出てきて、サガミはルフィーなのかっとちょっと思ってしまった。

  • なんとなく桐野夏生さんぽくないなあと思って読むと最後は「ああ・・・」となります。
    人生上手く行かない甘ちゃん駄目男が、友人の失踪を追ってカンボジアに旅立つ事で、少しずつ逞しく成長していく物語です。
    カンボジアの観光案内的な部分と、暗部観光な部分が楽しめる本で、読んでいると結構いい処っぽいなあと思いました。治安は悪いから怖いけれど、人的には素朴で楽しそうです。
    主人公が追い求めるかつての親友空知と、その美人姉妹の出生の秘密。彼らを追う怪しい人物たち。その割に陰鬱にならず明るい雰囲気が漂っているのは、陰鬱女王の筆者としては珍しい気がします。主人公が間抜けだからかもしれませんが。
    結末で「え」となるのは桐野夏生あるあるかもしれません。今回もなかなかびっくりなラストです。

    正直な所カンボジアを書きたかったんじゃないかなと感じました。物語はカンボジアを書く為の材料だったのかもしれません。
    やはりこの方の書く文章は力があります。読みやすいけれど軽くないし、それなのにグイっと物語に引っ張り込まれるのは力が衰えていない証拠だと思います。また読んでいない桐野作品を読んで行こうと思います。

  • おもしろかったけど、『日没』と似ている…?
    共感したり新しい世界を知ったりというより、
    ストーリーを楽しむだけのお話なのかも。。

    主人公の晃が、なんとなく学がなさそうなのに
    語彙力があったり英語でちゃんとコミュニケーションをとってるのが、人物像にはまらなくて、最後までそこを埋めることはできなかった。

  • 東南アジアに友人を捜しに行く八目晃の成長ぶりが凄まじい。スパイだらけの恐ろしく危険な旅だったが真相に辿り着けてほっとした。促音、拗音表記が少し大きいような気がしたのは気の所為だろうか。

  • 前に読んだ本があまり好きではなかったので躊躇していたがよく出てくるのとたまたま目に入ったので借りてみたら嫌悪感なくあっという間に読了。頼りない男だったのが周りからも見違えるほどに逞しくなっていく様は翻弄されながらも鍛えられていくのかなぁと思ってしまう。中身は全然変わっていないのに、それとも小説だからか。知識もなく海外に行く勇気や疑わずに信じるのは私には絶対できないからこの小説で冒険させてもらった。やはりこういうムリな設定でのありそうであり得ない話を読む醍醐味を堪能できた。

  • インドラネットというタイトルと、本の絵から神秘的な内容かな?と思ったがあまり関係なかった…
    冴えない生活を送っている主人公が、アジアに旅立ったまま消息が絶えた友達を探すよう依頼されて、自分も会いたいので探しに行く話
    カンボジアでお金でも散々ぼられて、出会った人にはほぼ全員に騙されて、依頼された理由ももちろん嘘だった
    いてソラに会えるんだろうと読み進めていくのが面白かった
    焦らされて最後はソラに会えたけど、結末は桐野夏生ぽいな、と思った

  • 桐野夏生は容赦ない。

    金に目が眩み人探しの旅に出た主人公。
    肌に纏わり付く湿り気のある空気、ドロドロに溶けた赤土、様々な匂いが混合したアジア圏独特の香り。
    ねっとりとしたカンボジアの町並に主人公と共に放り込まれ、同じ目的意識を持たされる。

    次々と現れる胡散臭い登場人物達。
    誰が味方で誰が敵なのか全く判断が付かない。

    自堕落な生活を送っていた主人公の浅はかさと、あまりにも無防備な行動にじりじりする。
    ポルポト時代の恐怖政治を絡めた事で恐ろしさに拍車が掛かり凄みさえ感じた。

    衝撃のラストまで一瞬たりとも気を抜いてはいけない。

  • 退廃的なイマドキの若者が日本を飛び出し最後には物凄いところに辿り着く。
    これぞ奇想天外。
    [図書館·10月9日読了]

  • 2021/08/16 読了。
    感想は某所のブログで書いたものの再掲です!

    ・昨日労働に行ったとき、「まだちょっと見るんでこれ持っておいてください」と客の人に言われ、預けられた文芸書の書影がめちゃくちゃ良かった。

    あらま~素敵な表紙。精悍な顔つきの美男子。タイトルにグロス加工がされていてオシャレ。タイトルも素敵なタイトル。

    ・本当はこういう「預けられたもの」は後ろの棚の上にでも置いておくんですが、暇だったし文芸書1冊だけだったので横に置いておいてじろじろと眺めておりました。

    ・ひっくり返してあらすじを読んだところ、容姿も能力も平々凡々、何の取り柄もないことがコンプレックスな主人公の晃。彼の唯一の誇りは高校の同級生で、カリスマ性を持つ空知という人と、美貌の姉妹と親しく付き合っていたこと。だけどその空知くんがカンボジアで消息を絶ったという。晃くんは空知くんの行方を追って東南アジアに向かうのだが、彼を待っていたのは美貌の3きょうだいの壮絶な過去であった…… というもの。

    ・ほう…… おもしろそうだな。表紙もう1回見よっと…… おお……?

    ・おそらく、本文中の一文が帯に記されておりました。「この旅で、おまえのために死んでもいい。」これってもしかして晃くんから空知くんに向けたものですか!!?おい!!!!!(うるさいよ)


    ・neeのボーイズレーダーがビンビンである。誤解のないように言っておきたいのだが、わたしはボーイズラブではない小説に(「これはボーイズラブの小説である」と名言されていないものを指している)「これはボーイズラブですね!?」と言いたくて読んでいるわけではなく、同性間の巨大感情が読みたくてこんなことをしているのである。

    ・ミステリが好きでミステリを読むように、恋愛小説が読みたくて恋愛モノを探すように、同性間の巨大感情が読みたくてそのあたりを探しているだけなんです。ただこういうものってカテゴリがないから、ちょっとそれらしいものを感知するとおや!?となってしまうだけなんですね。

    ・長野まゆみ読むときは少年(青年)愛を求めて読んでいます。これは素直にそうです。



    ・『インドラネット』読み始めました。単行本、おも~い! 主人公の晃くんが予想以上にどうしようもないやつで、おまえ~!どうしようもねえ~!となる。

    ・空知くんが行方不明になったと同時期に空知くんの姉と妹も行方不明になるんですね。その姉妹に心酔している人物2人に晃くんは「空知を見つけたらあの姉妹も見つかると思うから探しに行ってくれ」と頼まれます。晃くんはカンボジアへの渡航費やもろもろ合わせて100万くらいもらうんですが、いつまで経っても行きやしない。会社も辞めて昼夜逆転ゲーム三昧。こら~! 結局晃くんは「なんで行かないの!!」ってめっちゃんこ怒られてやっと動き出す。

    ・初めて読む作家さんだけど、読みにくいとかは今の所特になく楽しく読んでいます。



    ・イ…… ギィ~~~~~~~……

    ・ギ…… ギ……


    ・ギィ~~~~~~~~~~~~…………

    ・苦しい。



    ・面白かったです。表紙買いしたにしては当たりでしたね。ギ、ギ……
    ・面白かったです。



    ・ギ……



    ・ギィ~~~~……



    ・桐野夏生っていつもこんな感じなんですか!? 誰か桐野夏生を2冊以上読んだことがあって『インドラネット』も読んだ人っていないんですか!? この感情どうしたらしい。

    ・最初に散々言ってた「ボーイズの予感」というものは大当たりでした。晃くんから空知くんへ向ける感情は単なる友情に留まらず愛であり恋情でもありました。ギィ~~~~……


    ・駄目だ。なんにも言えません。正直文庫まで待ってもよかったかな~とは思います。なぜなら苦しすぎたので。でも文庫までずっと期待して待ってこれだったら本当に色々終わってしまうかもしれなかったので、やっぱりハードカバーでよかったかな。装丁が本当に好きだし……



    ・あー…… なんか、久々に「どうしようもないやつ」を読んだので本当に終わっている。『ののはな通信』はハッピーエンドと言い切れる終わり方ではありませんでしたが、暗くはなく、美しい光が照らしているラストでした。

    ・『インドラネット』はダメ!!!!!!!!!!!



    ・でも心の中のどろどろした部分を担っているオタクが泣きながら喜んでいるのも感じる…… 心の中のそのオタクによると、救いの物語であることは確かで、別にバッドエンドだと言っているわけではないそうです。

    ・晃くんがしてきたこと全部、空知くんを救うために繋がっていたことは本当にたまらないですね。

    ・終盤晃くんがえらい目に遭い始めるのに残ページ数がかなり少なかった理由が、ギ、ギ……



    ・桐野夏生怖い。

  • 最初から最後まで主人公を好きになれずだったが、話が面白いのでぐいぐい読めた

    が、ラストのページで呆然としてしまった

    どう解釈するべきなのか
    全ては空知の妄想で晃というのは別人格で日本〜カンボジアでの冒険譚はドラッグをキメた時にみる幻覚?

    ???
    混乱している

  • 長く複雑な話なのに、ぐんぐん引き込まれて読んだ。

    卑屈で世間知らずだった主人公が物語が進むにつれどんどん逞しくなり、同じ人だと思えないほどに成長していた。

    騙し合いや、途上国でサバイバルする様がリアルでおもしろい。

    エンディングは、そうきたか…という感じ。

    初めて読んだ作家さんだが、読みやすいし展開もおもしろくて、もっと読んでみたいと思った。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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