インドラネット

著者 :
  • KADOKAWA
3.58
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本棚登録 : 998
感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041056042

感想・レビュー・書評

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  • 2022 8/11

  • 2022.8 焦燥感がグイグイ追いかけてくる小説でした。カンボジアの暑さがジリジリ感じられて面白かった〜。
    ラストは意外に…

  • なんだかよくわからないうちに、一気読みした…
    ちょっと想像力が追いつかなくて…

  • いろいろ考えるところはありつつも、とにかく主人公をはじめ出てくる人たちに全く感情移入出来ず、読むのがしんどかった。
    でも、実際のわたしたちってこの物語の登場人物たちみたいに、本当のところは俗物的で自己中でころころ気分が変わって楽に逃げたくなる性分なのかもな。

  • 主人公の晃は、同級生の空知に強く想いを寄せる。
    空知は、周辺の女子高生の注目の的になる程の美しい美貌を備え、男子生徒までが様子を見に来る程の美男子だった。
    そんな空知は、何の取り柄もない晃と、家族ぐるみで付き合ってくれた。
    空知に比べれば何の取り柄もないどころか、強いコンプレックスさえ抱いている晃は、親しく接してくれる空知に強い友情を感じ、これからも親友としてのお付き合いを強く望んだ。
    その想いは、単に友達同士の付き合いと云う範疇を越え、男性女性を問わない「愛」に近い感情だったのだと思う。
    その空知が晃に一言も残さず、突然に姉弟とカンボジアへ出国し、消息を絶った。
    投げやりな日々を過ごしていた晃に、謎の人物たちから空知とその姉と妹を探してくれとの依頼を受ける。
    晃にとっては依頼料の金も魅力となり、無謀とも言える親友を探すカンボジアへの一人旅が始まる。

  • なんという物語。
    主人公晃と一緒にカンボジアを旅し、人生がひっくり返り、死にかけ、全てを終わりにする疑似体験をしました。

    最初は冴えない派遣社員で愛せない主人公だなと思っていた晃が失踪した親友を探す旅の中で戸惑い、逡巡し、成長する中でいつのまにか晃を応援し、一緒に悩み、不安や喜びを共有していることに驚く。
    カンボジアの歴史をまったく知らない自分を恥じました…。

  • 33歳派遣会社勤務の晃
    高校時代の親友空知の父の通夜に呼ばれた
    空知は東京の美大に進学午後、カンボジアへ
    モデルの姉、美人の芋とも仲良くしていた
    空知の母から死んだ父親の写真を空知に見せて欲しいと依頼されカンボジアへ
    姉の元夫、妹のマネージャーと名乗る男達から渡航費用を渡される。
    貯金と合わせて残額七桁を上の桁に
    カンボジアに到着後、飛行機の隣席のオバさんの紹介で安ホテル泊。現金を全て盗まれた
    犯人はオバさん?疑われると泣いた。500ドル貸してくれた。人探しの手伝いを手伝ってくれた。

    安宿で働く。オバさんは姉が経営するエステに行ったことがある。既に空知が死んでいるとインスタに書き込み。自暴自棄になり泥酔。現地で成功者木村に助けられてた。木村から空知達3兄弟はカンボジア人だと教えた木村の仕事を手伝うのでパスポートを渡す。仕事はオレオレ詐欺の手伝い
    昼休みに逃げる。安宿の女客の木村経由で妹が高級ホテルに出入りしている。
    オバさんが、ひったくりに合い、取っ組み合いになり川に落ちて死んだ。

    養子もして野々宮家にいた。空知の父は反体制政治家のヒーロー。両親とも射殺。
    空知は父の後を継いだ。旧ポルポト勢力に射殺された。愛人をしている姉から空知は死んだと言われる。墓を探しに行く。
    墓は国境近くの治安の悪い悪い場所
    タクシー運転手が小さな村まで運転
    村町が破壊まで案内。村長は運転手が墓を確認しにきただけだ。村長がこっそりと街の名前を告げた。タクシー運転手も木村の手配
    体制派は反体制派シンボルの死を疑っている
    反体制のシンボル空知の死を晃に確認させていたのは木村。体制派に情報を流すため。
    カンボジアで知り合い親切にしてくれた人は全員自分を木村の依頼で監視していた。
    日本に帰国する際に空港で付き添いの男をまいてにげた。
    晃は村長が教えてくれた街へ行く。高級ホテルに泊まる。3泊めの夜、フロントの男が部屋にきた。船に乗って個人所有の島へ。
    薬をもられ拉致される。空知を探す理由をきくが信じてもらえない。熱中症になり島の中央の白いビルに。島の所有者ソルが面会
    ソルは空知ではない。身長185超イケメンではない。ソルが晃なのか?ソルは空知。
    目の前で爆弾が爆発。顔は8回手術。両目失明。脚は義足。左手は手首から先は義手
    ヒーローとして生かされている。この島はポルポト所有の島、麻薬製造工場。
    晃に会う感動より、ヤクの方がハイになれる
    こんな生活はやめたい。代わりにソルになってくれ、殺してくれと頼まれる、義手と義足を外す。軽くなった空知を窓から放り投げた。晃はヤクを飲む。ハイになった。
    扉があいた。自分のことをソルと呼んだ

  • 平凡な主人公、八目晃が高校時代親友だった野々宮空知を探してカンボジアを旅する話。
    東南アジアが舞台ではあるものの、ひとりの青年が「集団のなにか」に巻き込まれていく過程は日本のリアルでもありじわじわ怖い。エキゾチックな表紙、美しく逞しい青年は…誰?悪夢と現実の間で想像が広がる。さすが桐野夏生!おもしろかった。

  • 失踪した友人を探すサスペンス小説。

    主人公が自堕落なゲーム好きと来ていて、お気楽な感じでカンボジアで行方不明になった高校時代の友人を探すのだが、助けやヒントが自然に得られてしまう点がRPGっぽくて、ゲーム好きだから懐疑しないのかよと突っ込んでしまいました。
    だんだん、人が死んだり、裏社会が見えてきたり、政治的背景も加わってサスペンス色が強くなっていくのだが、主人公の性根がゆるゆるで、こちらとしては隔靴掻痒状態でした。
    ラストは目的を達するものの、オチとしてはゴールから一気に奈落に突き落とされた感覚で著者らしかったです。

  • 最後にやっと主体性が発揮された主人公

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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