災厄 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 176
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041056103

作品紹介・あらすじ

原因不明の症状により、市町村単位で住民が集団死する事件が発生した。高知県を発端に“災厄”は四国全域に広がり、なおも範囲を拡大していく。そんな中、政府の対策本部では災厄の原因を巡って厚生労働省と警察庁が対立。ウイルス感染説を主張する厚労省キャリアの斯波は、真相解明のため自ら四国へと乗り込むが――。超弩級のスケール感と押し寄せる恐怖! 未曾有の危機に立ち向かう、一気読み必至のパニックサスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • 周木律『災厄』角川文庫。

    まるで新型コロナウイルス感染禍を予言したようなパンデミック・サスペンス。因みに、この作品は2014年に刊行されている。

    原因不明の症状で瀕死の住民が次々と医療機関に収容され、次第に医療現場が逼迫する様子などはまさに今起きている現実を見ているようだ。また『災厄』を目の当たりにしてもなかなか原因と解決策を見出だせない政府の姿は東日本大震災やこの新型コロナウイルス感染禍での混乱ぶりを連想させる。ストーリーには幾分甘さがあり、諸手を挙げて納得出来るものではないが、なかなか面白い。

    突如として高知県で発生した原因不明の住民の集団死事件。次第に集団死は地域を拡大し、瞬く間に四国全域に広がる。政府の対策本部はウイルス感染説を主張する厚生労働省とテロ説を主張する警視庁が対立する。

    そんな中、自らウイルス感染説を主張する厚生労働省キャリア参事官の斯波は調査隊を組織して真相解明のために四国に乗り込む。しかし、感染源のウイルスは見付からず、斯波は埼玉に左遷される。政府はテロ説に傾くがテロリストの存在も掴めず、国会は紛糾する。果たして……

    この10年間は千年に一度と言われた東日本大震災とそれによる福島第一原発事故、百年に一度と言われる新型コロナウイルス感染禍と日本はまるで何かに呪われたかのように大きな災厄に見舞われた。しかし、本作のラストで暗示しているように、まだまだ予想しないような災厄は起こるのだろう。平穏無事な日常は失われたのだ。一寸先は闇。兎に角、油断すべからず。

    本体価格680円(古本100円)
    ★★★★

  • 「Fukushima50」が良かったので、他にどんな本を書いているのだろうと思って、手に取った一冊。
    あまり何も考えずに、読み始めたが、まさか、まさかのタイムリーな内容。でも、その分、単なるパニックミステリーとしてではなく、改めて今日本が置かれている現状を考える一冊となった。
    四国の小さな村から始まった謎の大量死。日を追うごとに範囲は拡大し、突然何人もの命が奪われることから、政府は生物兵器によるテロとして、対応を始める。そんな政府の中で厚労省の参事官・斯波は上官の田崎と共に感染症の疑いを訴え続ける。
    命を懸けてまで、四国まで行った斯波だったが、集めて来た検体からはウイルスも細菌も見つからず、責任を取らされて、埼玉へ左遷され、政府はまだ正体を掴めないテロリストとの戦いを続ける。
    そんな中、国会では何の解決策も見つけられない対策本部に、野党から厳しい追及の声が上がる…
    ここまで書くと、本当に今現在日本で起きている新型コロナの状況にそっくり。
    正体の分からないウイルス、パンデミックを認めなかったり、対策が後手後手に回る政府などなど。
    作品自体は2014年に書かれたものらしいが、このパニックをまるで予測していたような内容でびっくり。
    実はこの大量死をもたらしているものの正体については、作品のかなり序盤で分かってしまっていた。
    でも、その真相にたどり着いた後の官房長官を始めとする斯波、田崎、斯波の同期の宮野の英断は、今の日本政府に見習って欲しいと思った。
    そして、政府の中に斯波たちのような人物が実在することを願わずにいられない。
    ちなみにこの作品の事態の終息までには3ヶ月。現状のこの事態もやはり3ヶ月では収まらないだろう…
    世間では高嶋哲夫の「首都感染」が話題になってるが、この作品の方が評価されるべきだと思う。

  • 四国で発生した、殆どの住民が死亡する事件。
    厚労省の斯波はウィルスによるものではないかと主張するが証拠が無いと一蹴され、国は生物兵器によるテロとして対策本部を立ち上げる。
    自説を捨てられない斯波は四国へ行き、原因を究明しようとする。

    2014年に5月に刊行されたと言うが、なかなかにタイムリーな本だ。
    ただ、彼の妻である歩美のエピソードは如何なものか。
    理想の女性のように描写されているが、とてもそうは思えない。
    かつて友人であった男との確執を書くなら、もっと軽く触れるだけで良かったのではないか。

  • 今の時勢にマッチするパンデミック系小説ながら、一捻りある展開で先が気になり一気に読んでしまう。
    気持ちよい結末にしたいがためだろう、少々乱暴なほどに有能vs無能なキャラ設定にしているのが、いい意味で作り話感をかもしだしている。
    気楽に面白く読める一冊でした。

  • 著作にこんなパンデミックものがある作家にとって、このコロナ禍はあり得ることだったのでしょうか。どうしても現実と比較して読みたくなる。小説の中で起きていることを思えば、現実のほうが落ち着いているか。

    主人公は厚生労働省の職員。応援したくなったのは最初だけで、彼の過去が明らかにされると一気に嫌な奴の印象に。しかし最後はかつて裏切った相手と和解、ここからはまた応援したくなりました。この自体に人を罵倒するだけの官僚には辟易。警察との癒着または攻防も面白い。

    自然は悪意なきテロリストだという言葉が頭に焼き付いています。「悪気はなかった」という言い訳が厄介なように、悪意のないテロというのはどうしようもない。災厄は続く。

  • 図書館で借りた本。恐怖・ホラーを集めたコーナーができていたので適当に借りた本なのだが、司書の中にこの作家さんのファンがいるのかもしれない。2冊置いていたから。
    日本がパニックになる設定。ある日、四国で人々が自然即死する案件が続出。厚生省は調査を進める。政府はテロによるサリンをばら撒き路線だと疑い警察と協力しながら対策を進めるが…という話だが、雑な展開も垣間見えるし恐怖感をほぼ感じなかった。

  • 政府の人の対応、調査の仕方に、ちょっと…おかしくない?って思ってしまう所が多々。なんていうか、いや、わかるやろ、って言う感じの。オチのアイデアは面白かったです。

  • 思っていたのと違ったー!普通に病気のパンデミックものだと思っていたー!

    そもそも初期でたくさん人が亡くなってるのに何が原因なのか調べられなすぎでは…?それこそ証拠もないのにテロだと決めつけすぎては…?あと楡と井野塚が頭おかしすぎてイライラした。主人公も親友左遷させたり女盗ったりおかしいけど。菌の説明する時にしてもなんかもっと急いでやらなくていいの!?あと妻とのゴタゴタの話いる!?

    うーん、期待しすぎていたな…

  • 四国の老人しか住んでいないような僻村で村人や飼い猫など動物までもが突然死亡するという事件が発生する。
    果たして原因はテロなのか?感染症なのか?

    う〜む、評価が難しい。
    死亡原因の設定については個人的にはかなり斬新に感じ満足であった。しかし、ストーリーはというと少し不満が残った。
    原因究明されてからの後半〜クライマックスはすごく良かったが、それだけに前半〜中盤にかけての何というか主人公や上司の一本筋の通ってないような半端な信念とそれに伴う言動が残念。
    なので、星3つ


  • ある地方の村に端を発する集団死から、四国丸ごとへと加速度的に広がるスピード感が堪らないパニック小説。原因を追う厚生労働省の官僚を主人公に据え、★(書きかけ)

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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