テーラー伊三郎

著者 : 川瀬七緒
  • KADOKAWA (2017年12月8日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041056172

作品紹介

死にかけた田舎町の商店街、老舗テーラーのウィンドウに突然現われた美しいコルセット“コール・バレネ”。それは、ある仕立て職人と貧困家庭に育つ高校生・海色の人生を変える、色鮮やかな“革命”の始まりだった。

テーラー伊三郎の感想・レビュー・書評

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  • 第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。
    高校2年生の津田は、ある日寂れた仕立て屋「テーラー伊三郎」に飾られた、女性の下着である美しいコルセットに惹きつけられる。母親が官能漫画家であり、その手伝いをしていた津田は、その時代の服装・文化に興味があり詳しかった。福島の中途半端な田舎町生まれ、海色(アクアマリン)と名づけられ将来を諦めかけていたが、仕立て職人の伊三郎、周囲の老人などと共に、コルセットで革命を起こす!
    変人というかマニアックというか、個性の強いキャラクターが登場するところは川瀬さん。全く馴染みのないものなので、表紙の絵を何度も見直してしまった。楽しいエンターテイメント小説。

  • 古ぼけた仕立て屋のショーウィンドウに飾られた〈コール・バレネ〉。場違いな女性下着の登場は、保守的な田舎町を騒然とさせていく。
    母親を筆頭に、クセのある人物ばかり。一風変わった人間たちが、その個性を活かし、のびのびと動き回る。枠にはめられることなく、自分たちのポリシーをつらぬこうとする姿が、痛快。
    楽しいエンターテイメント作品で、読後感もさわやか。
    花園あずき『麗しのドレス図鑑』のおかげで、コルセットや服飾の話題は、具体的にイメージしながら読むことができた。

  • 保守的な田舎町の老舗紳士服店に飾られた
    美しいコルセット”コール・バレネ”。
    それは、貧困家庭に育つ高校生・海色の人生を
    変える、色鮮やかな「革命」の始まりだった…。
    痛快エンタメ。

  • 良かった。
    ここ最近読んだ本が立て続けに期待外れだったので余計によかった。
    登場人物がみな味が濃くも、生き生きとしており楽しめた。           読んでいてこっちまでわくわくする感じが心地よく
    コルセットの書き方もとてもきれいで、割合想像しやすかったけど、だからこそ
    それを裏付けるコール・バレネもご婦人方の着こなしも挿絵がほしい!と思った。
    スチーム・パンクの世界も気になるところ。

  • 地方の小さな紳士服仕立て店から革命を起こす。

    「昆虫」の警察小説で、無類の強さを見せる、昆虫学者のはちゃめちゃなのに一本筋が通っているところとエンターテイメント性を抜き出して自由に縦横無尽に動かした、という感じ。
    痛快無比。

  • 好きなものにのめり込んでいる人々がとても魅力的に描かれていて、読んでいるこちらまで心沸き立つ気分にさせてくれる。一般受けしづらいテーマや主人公の背景だけれど、それだけに与えられる衝撃もまた一入のものがある。

  • 冒頭からなかなかぶっ飛んでいてとても興味深く読ませてもらった。元々が服飾が専門だった筆者らしい作品。内気な学生と老人をコルセットが媒介となって突き進んで行くところに惹かれた。もちろん彼ら以外にも明日香やアクアの母親などが主人公級の個性があり、人物以外でも文化史的な視点からも楽しめる点が素晴らしかった。また真鍋女史や児相についても一方的な視点だけで描かれていない点もより作品を引き立てたのではないかと感じた。

  • 海色と書いてアクアマリンと読む超絶キラキラネームをつけられ、片親の母親は〆切が迫るとロココ調の漫画背景を描くようにごり押ししてくるポルノ漫画家という凄まじい環境で生活しているため、自然と頭を低くして意見を言わずに日々をやり過ごすことが習慣化してしまった男子高生、津田アクアマリン。

    福島の片田舎で相互監視をしている閉塞的な地域社会に倦み、しかしそこから出ていく事も考えられず、漫然と毎日を過ごしていたが、ある朝、通学路にある古びたテーラーに、素晴らしい技巧で作られたコルセット(コール・バレネ)が飾られているのを目にしたことから、彼の日々は一変する。

    随所に織り込まれた昔の服飾の小ネタが興味深く、個性的なキャラクターたちのやり取りが楽しい。(特にギアが入った終盤からのやり取りは小気味が良くてついつい笑ってしまう)

    ものごとは見方を変えればまるで違ったものになる、違ったものにできる、ということの凄さ、楽しさが伝わってくる。

  • 福島の小さな町のテーラー。
    そのショウウィンドゥにある日めちゃめちゃ凝った女性用のコルセットが飾られた!
    主人公は官能漫画家の母と暮らす男子高校生。名前は海色と書いてアクアマリン。
    生まれて以来様々な困難と不幸に襲われ続けて、既に人生を達観している。
    彼がテーラーの老主人である伊三郎とタッグを組んでコルセット革命に挑む物語。
    スチームパンクの少女とか機械ヲタクの写真館主とかオシャレでタフなオバーチャンズとか脇役のキャラも濃い。
    コルセットとジャポニズムがスチームパンクの世界観のもとに融合していく様子はエキサイティング。
    期待以上に面白く読めた。

  • 好きな設定がもりもり。
    コルセットとか中世ヨーロッパ的なゴスロリ的なお洋服や着物だとか。
    職人さんだとか。
    カッコいい年配の方々だとか。
    破天荒でありながらブレないかあちゃんだとか。
    お仕事小説であり、少年の成長譚でもあり、最後にワクワクするカタルシスあり、好きなタイプの小説でした。
    着物とコルセットとかありそう。絵が浮かんできた。見てみたいな〜。
    敵役は必要なんだけど、真鍋女史は受け付けなかったな。彼女なりの美学や信念があるのでしょうが。

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