- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041056172
作品紹介・あらすじ
「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」
死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バレネ”。
それは、少年の人生を変える、色鮮やかな“革命”の始まりだった。
福島の保守的な田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色(アクアマリン)。
17歳にして半ば人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに現われた美しいコルセットに心奪われる。
頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着を――騒然となる町内を尻目に、伊三郎に知識を買われたアクアは、共に「テーラー伊三郎」の新装開店を目指す。
活動はやがて、スチームパンク女子高生や町に埋れていた職人らを巻き込んでいき……。
老若男女、強烈なキャラクターたちが活躍する骨太痛快エンタメ!
感想・レビュー・書評
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海色と書いてアクアマリン
母親はエロ漫画家
父親は蒸発
俺の人生終わったな…
と日々鬱々と暮らす高校生・アクアマリン
ある朝彼が寂れた商店街でこれまた寂れたテーラーに飾られた「コール・バネレ」と衝撃の出会いをする。
コール・バネレは昔のヨーロッパで貴婦人が着けてたコルセットのことです。
テーラーの主人・伊三郎、スチームパンクっ娘の同級生、近所の婆さん達を巻き込んで商店街に革命を起こす‼︎
面白かった〜♪
狭いコミュニティでの汚い大人達との闘いでアクアは成長し、老人達は輝きを取り戻す。
読後感最高のハッピーエンドでした\(//∇//)
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この作者の法医昆虫捜査官シリーズは、どれも面白かった。さてこれはというと、期待した以上に堪能した。どの登場人物も、滅茶苦茶個性的ではないか。そして、前向きである。ポルノ漫画家の主人公の母親など、なんて魅力的なんだろう。敵役の真鍋女史も印象は強烈だ。80歳を超えた伊三郎が、紳士服専門だったのに、いきなり19世紀フランスのコルセットのコール・パレネを展示したことから始まる大革命!主人公の母親がポルノ漫画家ということも上手くいかされているし、スチームパンク女子の明日香もズーズー弁が最高だ。
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megmilk999さん
川瀬七緒さんはお勧めですよ。どの小説も、水準以上の面白さがあります。法医昆虫捜査官シリーズも最高ですよ。捜査官が...megmilk999さん
川瀬七緒さんはお勧めですよ。どの小説も、水準以上の面白さがあります。法医昆虫捜査官シリーズも最高ですよ。捜査官が個性的!2022/02/17 -
ありがとうございます。ヴィンテージガールも面白かったので、そちらのシリーズも読んでみます。
ありがとうございます。ヴィンテージガールも面白かったので、そちらのシリーズも読んでみます。
2022/02/17 -
megmilk999さん
ぜひ。いろんな作家がいるので、読書には限りがありませんよね。ブクログのみなさんのブログ読むこと自体も楽しいです。megmilk999さん
ぜひ。いろんな作家がいるので、読書には限りがありませんよね。ブクログのみなさんのブログ読むこと自体も楽しいです。2022/02/18
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革命の話し。
小説に出てくる、話しを進める主人公にとって(そして物語りにとって)都合の良い役回りを演じる人物をマジカル◯◯と言う、と、柚木麻子さんのマジカルグランマで読んだ。老人が出てくると、マジカルグランマ、マジカルグランパになりがちで好きではないのだが、伊三郎さんは違う。火炎瓶(実際は改造ミシン)を持ち自分の人生を歩み続ける。
出てくる人が全員、力強く、自分の正義を生きている。志が違う人でも、作者が敬意を持って全員を描いているのだろう、立体感があって、実際、読み終わった晩に、全員で夢に出てきた。
私も心を燃やそう。 -
潰れたはずの仕立て屋のショーウィンドウに、ある朝、一体のボディが飾られる。
それは、18世紀ロココ調の白いコルセットを着せられていた。
退屈な田舎町に、凄腕の仕立て屋の老人と、服飾文化にやたら詳しい男子高校生が革命を起こす!
独特の世界観を持った、ズーズー弁のスチームパンクJKと、まだまだ自分の可能性を広げたい、もう一花咲かせたい三人の個性的な老女たちも同志となった。
「前例」と戦時中の隣り組みたいな「相互監視」にまみれて生きる田舎町。
それを牛耳るのは、元副校長の、なんでも「教育的指導」をしなくては気が済まない真鍋女史。
本作最大の敵だ。
地元権力と癒着した商工会の相馬とタッグを組んで伊三郎の店舗再生を邪魔してくる。
時代が変わったことをただ嘆いている死に体の商店街の代表が相馬だが…果たして商店街の人たちは相馬が代表だと思っているのかな?
それに対して、コール・バレネ(コルセットです)に見出された者たちは楽しい!
抑圧に必死になる奴等は、もしかして羨ましいの?それで気に食わないの?
なぜ、この作品の中心となるアイテムは『コルセット』なのだろう。
ファッションアイテムでもあり、医療用でもあるそれは、
【締め付けること】と【支え、補助する事】が紙一重であり、裏表であることを示している気がする。
真鍋女史は嫌いだが、彼女が「女性を守るため」という大義名分のもとで行きすぎた監視や抑圧を行うのも、その裏表と考えれば納得もいく。
漫画家の母親の背景アシスタントする男子高校生、カッコいい親子関係!と思っていたところが、まさかの事態に。
世間的にはそういうことなのか…
伊三郎の妻の話は切ない。
コルセットのさまざまな着こなしが披露される撮影の場面は、カラーイラストもしくは映像で見たいもの。
瀕死の商店街は、実は凄腕アルチザンの宝庫でもあった。
老人舐めんなよ、ってことです。
楽しくスカッと胸のすく話だった!
蒼穹に翔び立つハトとともに! -
第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。
高校2年生の津田は、ある日寂れた仕立て屋「テーラー伊三郎」に飾られた、女性の下着である美しいコルセットに惹きつけられる。母親が官能漫画家であり、その手伝いをしていた津田は、その時代の服装・文化に興味があり詳しかった。福島の中途半端な田舎町生まれ、海色(アクアマリン)と名づけられ将来を諦めかけていたが、仕立て職人の伊三郎、周囲の老人などと共に、コルセットで革命を起こす!
変人というかマニアックというか、個性の強いキャラクターが登場するところは川瀬さん。全く馴染みのないものなので、表紙の絵を何度も見直してしまった。楽しいエンターテイメント小説。 -
また豪快でハチャメチャな女性達が登場。川瀬さんらしい。
コルセットを中心とした西洋服飾の歴史やら、スチームパンク、平行世界…
マニアック満載の物語の渦に、よく分からないまま身をゆだねて、それなりに楽しく読み切りました。
ただ最後の、母と真鍋女史の対話は、ちょっと物足りない気がしました。 -
初めてこの作家さんを読みましたが、この話の展開の意外さと、キャラクターの濃さにはびっくりでした。他の本は昆虫とか、血なまぐさいのとか、推理とかの話が多いので、こちらの方が異色なのでしょうか。あっ、作者は文化服装学院ご出身なのですね。服装や文化の歴史がリアルです。話が、世界観が、どんどん想像つかない世界へ連れていかれるのですが、決してファンタジーな世界ではない。瓦町商店街は、現実とちゃんと繋がっています。寂れた商店街、頑固な爺さん、個性的な婆さん、職人気質、昭和ノスタルジー、権力を盾に正義感を振るう人、世間体を気にする役場の息子、官能漫画家の母、それらは「実在」しています。コール・バレネを巡って、これが全部結びつくんです。テンションダダ下がりの津田海色(アクアマリン)くんのモノローグから始まるこの物語が、怒涛の勢いでラストに向かって。
明日香ちゃんの夢と行動が希望をくれました。頑張れ、津田海色。猛烈にビジュアルが見たくなった。とんでもない話だけど、だれか映像化して欲しい。 -
ワクワクした。映像で観たい。
を思い出しました
を思い出しました
「よろずのことに」借りてきましたよ´▽`)ノ
「よろずのことに」借りてきましたよ´▽`)ノ
キラキラネームもある意味呪い笑
キラキラネームもある意味呪い笑