自閉症の僕が生きていく風景 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.00
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 51
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041056677

作品紹介・あらすじ

「僕は、きっと死ぬまで自閉症なのでしょう。それは、自分にとって一体どんな意味があるのか知りたいのです」
人との違いを知り自分を嫌いになった幼稚園時代。思いが伝えられないつらさの中で「心が石ころだらけ」にならなかったのはなぜだろう。どんな未来が待っているのだろう。自閉症者として生きる日々の様々な場面での感情や体験を、18~20歳の視点で綴った感動エッセイ。連載時から反響を呼んだ単行本『風になる』を改題して文庫化!宮本亞門氏さんとの対談も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東田直樹(1992年~)氏は、千葉県生まれの作家・詩人・絵本作家。会話の出来ない重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングにより、コミュニケーションができる。
    13歳のときに書いた著作『自閉症の僕が跳びはねる理由』(2007年)が、2013年、同じ自閉症の息子を持つ英国の作家デイヴィッド・ミッチェルとケイコ・ヨシダよって英訳され、以後、世界30ヶ国以上で出版され、100万部を超えるベストセラーとなっている。2020年には、同書を基に、世界各地の5人の自閉症の子どもたちの姿やその家族たちの証言を通したドキュメンタリーが英国で制作され(監督:ジェリー・ロスウェル)、本年4月から日本でも公開されている。
    また、『自閉症の僕が跳びはねる理由2』、『ありがとうは僕の耳にこだまする』、『あるがままに自閉症です』、『跳びはねる思考』、『自閉症の僕の七転び八起き』、『自閉症のうた』など、成長の各段階で多数の作品を発表している。
    本書は、18~20歳の視点で書かれ、2015年に出版された『風になる~自閉症の僕が生きていく風景』を、2020年に改題・加筆修正の上、文庫化したもの。
    私はこれまで、大隅典子『脳から見た自閉症』、岩波明『発達障害』など、医学・医療の専門家が書いた本や、ASD(自閉症スペクトラム障害)の中でも、アスペルガー症候群に属するダニエル・タメットの『ぼくには数字が風景に見える』やジェイコブ・バーネットの『ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい』(著者は母親のクリスティン・バーネット)などを読んできたが、アスペルガー症候群ではないASDの人による本は初めて読んだ。(ASDの人の多くは、話したり書いたりすることが難しいと言われており、著書があまりないのは当然ともいえるのだが)
    読了して最も驚いたのは(正直に言うと)、ASDの人にもこのような豊かな内面があるということだった。ASDではない人の多くが持つ部分を持っていなかったり、ASDではない人の多くが持たない部分を持っていたりすることはあるにせよ、全体としてみればとても豊かなもので、著者も語っている通り、ASDは(少々強い)個性のひとつに過ぎないということが感覚的に理解できた気がする。
    著者は、巻末の演出家・宮本亜門との対談の中で、宮本から「自分の役割」について問われて、次のように答えているのだが、著作活動を通して、その役割を十二分に果たしていると言えるだろう。
    「僕は、人は誰かに必要とされて生きることがいちばんの幸せではないかと思います。けれども僕たち障害者は、自分がこの社会で生きる存在理由をなかなか見いだせません。そのことがどんなにつらいかを世の中に人にわかってもらうこと、それから、僕のように重度の自閉症者にも、みんなと同じ内面があることを知ってもらいたいと思っています。」
    (2021年7月了)

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00605557

    障害者のこんな思いに、気づいたことがありますか?

    「僕は、きっと死ぬまで自閉症なのでしょう。それは、自分にとって一体どんな意味があるのか知りたいのです」
    人との違いを知り自分を嫌いになった幼稚園時代。思いが伝えられないつらさの中で「心が石ころだらけ」にならなかったのはなぜだろう。どんな未来が待っているのだろう。自閉症者として生きる日々の様々な場面での感情や体験を、18~20歳の視点で綴った感動エッセイ。連載時から反響を呼んだ単行本『風になる』を改題して文庫化!演出家・宮本亞門さんとの対談も収録。(出版社HPより)

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東田直樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヨシタケシンス...
凪良 ゆう
辻村 深月
寺地 はるな
カズオ・イシグロ
レティシア コロ...
朝井 リョウ
宇佐見りん
村田 沙耶香
砥上 裕將
宇佐見りん
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×