後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 652
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041056943

作品紹介・あらすじ

皇太后の陰謀を食い止めた功績を買われ、女装で後宮潜入中の少年・遊圭は、皇帝のお妃候補に選ばれることに。それは無理!と焦る遊圭だが、滞在中の養生院で、原因不明の火事に巻き込まれ……。

感想・レビュー・書評

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  • 麗華妃がなんとも悲しすぎる。
    やっぱり皇太后はしぶとい。

  • 2周目
    族滅法を廃するために遊圭奮闘!
    玄月がどんだけ遊圭のために考え、手を回してくれてるか、、いくら趙婆の願いがあるといっても、なかなかここまでできないよ。本気で遊圭を手駒とするなら、もっと優しくして恩に着せることも出来るはずなのに。玄月ほんとなんなの。不器用なのかな。
    宦官の暗い部分も書いているこのシリーズ。
    玄月のこれまでを察すると低い声を作り、武術の鍛錬を欠かさず、背筋をしゃんと伸ばしている。その意地、誇りに頭が下がるばかり。。そんなことばかり見えた再読。

    物語的には遊圭が自由を手に入れ、陽元を弑しようとしていた娥娘一派が倒され、いったんまとまって良かった良かった。魅力的な登場人物もどんどん増えてこの世界のことをまた読めるのが嬉しい。次巻もすぐ読もう。

  • 女医を目指すことになった遊圭。そこで合う男子学生からのさまざまな意地悪。
    現代に生きる女であっても、地方へ行けば未だに「女に学歴はいらない」と平然と言われる。性別だけを理由に学べない女性が世界中にたくさんいる。女の立場で読んで、女学生たちを心底応援していたけれど、これを読んだ男性はどう感じるだろう。…なんてことを考えたり。
    前の巻の公主様の悲哀が深くて苦しくなる。これも、根の深い問題。公主様には安寧に暮らしてほしい。
    胡娘とも離れる遊圭、この先に何が待つか。

  • 面白くて一気に読みました!
    最後の最後まで色んな事が起こるので、もしや続くのかな?とまで思ってましたが一気に畳み掛けるように終息しましたね。遊圭の成長物語ではありますが、まだまだ一人で生きるには難しそうなので続きを追わねば。

  • 後宮編の完結。
    永娥娘のナント強いこと!
    今後は怨霊になって出てくるのでは!?と思うほどでした(笑)
    全ては遊圭の望む形で終わったのですが、実際、不安要素はたっぷり。
    外戚族滅法が廃止されたいま、外戚のない皇后と皇帝。
    我が子を次期皇帝にと願う、外戚を持つ妃達。
    後宮を出た遊圭が、この先、玄月や陽元とどう関わっていくのか。
    あぁ!はやく続きが読みたい!!

  • ライトノベルやキャラクター文芸寄りの作品かと思って読み始めたので、しっかりした舞台設定、衣装や小物、薬草など、作者の知識やそれを生かす筆力に驚きました。
    主人公の少年が女装、ということでそわっとしたのが手に取るきっかけでしたが、上記の理由やお話の面白さ、登場人物たちの魅力に夢中になって読みました。

    今巻の、女性蔑視、女性は男性と同じように学ぶことができない、という世界規模で見れば未だ時代遅れでもないテーマに立ち向かう主人公たちに感動しました。
    どちらも家のため生き延びるために、女装をすることになった少年遊圭と、宦官になった玄月。生物学的には男性でありながら、社会的には男性であることを赦されないふたりが、女性の平等な権利のために奮闘する、という図が面白いです。
    ふたりとも頭の良い人物だし、とくに遊圭の傍には胡娘がいたので、もともと差別思想はそこまで強くなさそうですが、「男性」という身分を剥奪されたことで初めて見えた現実、理不尽や暴力などを体験して、考えを改めたり、思いを強くしたりしたこともたくさんあったのだろうな、などと想像してしまいました。

    明々と遊圭も可愛くて好きなのですが、胡娘さんと遊圭の絆がとても好きです。玄月と陽元の関係性も、萌えと悲しみの渦巻く感じで良かったです。何より、遊圭と玄月がどうにか和解できる未来がくるように、と頁を閉じました。
    新章を読むのが楽しみです。

  • 後宮編、完結。

    女装にも限度ってモンがあるでしょうよ、とこちらがハラハラし通しでしたが、なんとかなりました。

    女官も医学生に。ゆくゆくは女医を。
    遊圭が放った石は、かなり大きな波紋を広げます。
    この1冊で3冊にわたった外戚族滅法の廃止を完結させるためとはいえ、少しだけ性急さが垣間見えるのは仕方ないことなのかな。

    ひとまず、遊々こと薫藤は、皇弟が企てたクーデターのため落命します。
    でも、めでたしめでたしなのです。

    次は、新章。
    星家再興なるか。
    ますます楽しみです。

  • 2018/07/13。
    はあ、ほんと面白かった。
    春先にハマった本が続きが気になるまま待ち状態に入ってしまい、もうまた本はいいかなぁなんて思っていたけど。
    いやいややはり物語っていうのはなんて素晴らしいのでしょう。

    架空の王朝の後宮が舞台だけど、現代にも通ずるものがあるなあと。
    寓意に満ちていて、だからって説教くさいわけでもなく、ほんと面白かった。
    そしてちゃんと完結したので嬉しい。

    キャラクターが魅力的だし、続きが気になってどんどん進んでしまう。
    最後の一ページまでしっかり楽しめました!!

    新章も楽しみだな〜♪♪(〃ω〃)♪

  • 金か国春秋、3部作と思っていたら、帯に後続ありますと、予告。
    女の子が、男装して男社会を泳ぐ話は、ままありますが、逆バージョンは、思いつかない、病弱主人公は、あっても後宮世界と2重のしばりの中成長する遊圭の素直さがいとおしい、対極の玄月が、自分が棄てざるを得なかったものに対するジレンマと今ある自負心を覗かせるあたりがたまりません。最後の「敵になるなよ」は、本音だね。

  • わりとあっさり解決したような気がしました…。おそらく主人公たちは色々と苦労したんでしょうが…。話が今ひとつ広がらなかったような印象。

    外戚を廃す法律って今の王朝の超特記事項のような気がするのに。後宮の中で話が終始してしまうから。
    ただの後宮内部のドタバタ劇のように終わってしまったんでしょう。
    一応医師の試験とか色々山あり谷ありでしたが、軽く読むのであれば楽しい小説でした。

    中々難しいですね…。結局後宮から外の世界に出て行く展開になってしまいました。私の欲しい物語ではなかったというだけの評価です。

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著者プロフィール

1966年島根県生まれ。神田外語学院卒業。プログラマー、介護職などを経て、現在ニュージーランド在住。2013年、第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、受賞作を改稿、改題した『天涯の楽土』でデビュー。著作に「座敷わらしとシェアハウス」「金椛国春秋」「親王殿下のパティシエール」シリーズ、『狩猟家族』『蒼天の王土』『マッサゲタイの戦女王』『霊獣記 獲麟の書(上・下)』がある。

「2023年 『蒼天の王土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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