- 本 ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041057063
作品紹介・あらすじ
トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて中山可穂が情感豊かに描く、悲しく切ない恋愛幻想譚。
感想・レビュー・書評
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「男役は男役に惚れるものであり、娘役にではない。それが宝塚における正しい異性愛のあり方である。」
この一文だけでもこの本を読んで良かった。ストーリーよりも、文庫版あとがき、がささる。
「一体なんでこんなにも好きになってしまったのか理屈では説明できない全くわけがわからない。」「もう恋人なんかはいらないが、ヅカ友が欲しい。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ボロ泣きだよう
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宝塚ファンでは無いですが、オペラ座の怪人が好きなので面白かったです。読みやすさもありました。
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宝塚ファンが読めば、あるある~な話が詰まってて、
「ファントム」の伝説を主軸したものがたり。
宝塚ファンとしては、ありそーな話が出てきてそこまで面白味は感じなかっけど、宝塚知らない人が読んだら、あの特殊な世界に触れられて楽しめるだろうなーって思った。でも、読むのにも苦戦するくらい幻想的な「美」な表現は素晴らしかった。『娘役』『銀橋』もぜひ読んでみたい。 -
実在する宝塚歌劇団に劇場に50年もの間魂として存在し続ける悲劇のトップスター。劇場公演のリアルな様子を描きつつもファンタジー(ホラー?)の要素が見事に混ざり合い、宝塚という舞台の特殊性も相まって見事に悲しくも美しい物語になっていると感じた。
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宝塚を見始めて約10年程になりますが、こちらの作品は宝塚の世界の"リアルとファンタジーの狭間くらいの世界観"として十分に楽しませてもらいました。幾度となく読み返しています。宝塚ファンとしては、あるよねーわかるわかる、と言うことと、それはちょっとないかなーということの混じり具合が、あまりリアルすぎずに"お話"として楽しませてもらえる良いところだと思っています。それでいて、私個人としてはファンが思い描く宝塚の世界の理想像のような一部を小説の中を通して垣間見ることができて楽しかったりもします。この本に出会えてよかったです。
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2021/12/01-12/04
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テレビで見たバラエティで、急に宝塚に興味が湧き3部作一気に購入。
本は分厚ければ分厚いほど、テンションが上がるので本作の薄さと価格にびっくり。銀橋にはさらに驚きを越し引いてしまった。
それはさておき、ちょっとファンタジー感はあったけど、宝塚を舞台としてるうえで納得というか、無知の私にはありそうかも!と思える設定で良かった。トップが故の孤独なども丁寧に描かれており魅力される。
うーん、みたいぞ宝塚!東京公演ではなく宝塚に行って舞台を見たくなってしまった!
著者プロフィール
中山可穂の作品





