銀橋 (3)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057179

作品紹介・あらすじ

宝塚という花園の、酸いも甘いも知り抜いた生き字引のような専科のアモーレさん。どこまでも渋く、成熟した大人のダンディズムを滲ませ、登場するだけで場の空気を締める――そんなプロフェッショナルな職人魂に憧れ、宝塚に入団したえり子。音楽学校で分担さんだった先輩、花瀬レオが組替えで同じ宙組になり、落下傘でついにトップスターに就任。レオンさんを幸せに卒業させるまでが自分の任期と思い定め、懸命にレオンを支えるえり子たち。
「本当に美しいものだけが、絶望している人の心に訴えかけて、人の心を救うことができる――こんな素敵な仕事がほかにあるか? だから私たちのやってることはお嬢様芸ではなくて、つねに命がけの芸術なんだよ」
ひたむきに芸の道に打ち込むジェンヌさんたちの愛と青春を謳いあげた、『男役』『娘役』に続く魅惑の宝塚シリーズ第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 宝塚を舞台にした物語、『男役』『娘役』に続く第三弾にあたる。前作で登場した人物も複数登場し、物語の一連の流れは続いている。

    前半はジェリコの愛称で親しまれる演技派の男役、後半は「たらし」の技術に優れるレオンという男役が主役のような扱いで、いつのまにか主人公が入れ替わっていることに少しだけ違和感を感じる。
    宝塚の世界、というものを描きたかったのかな、と思うのだけれど、物語の主軸が定まらない印象を受けた。

    宝塚ファンだとまた違った楽しみ方ができるのかも。

  • 素人のドリーム小説ですか...
    「娘役」はギャグで面白かったのになあ、今回はトンデモ設定はなし。作者あとがきで宝塚そのものがファンタジーだからファンタジー要素はいらないとか言ってるけど、それじゃあ小説にした意味は何なんだ。。。
    タカラジェンヌが青春をかけて舞台で輝く姿はどんな小説より美しくて儚くドラマチックで、それをそのまま2次創作したって面白くない。あ、これって宝塚知らない人向け?それにしてもストーリーがぐだぐだ、最初は専科のアモーレさんに憧れたジェリコの物語だったのに、途中からレオンの話になっちゃうし(読者からレオンが人気だったから、人気取りの週刊マンガかよ!)、アモーレさんはなんと死にかけで終わり...一体何を書きたいんだろうか。

  • 宝塚の中の人を題材にした二次創作的な。
    泣ける場面はたくさんあったし、宝塚好きなので妄想して楽しめた。
    ただ、ジェリコの話なのかレオンの話なのかアムールさんの話なのか、物語の軸がはっきりしない随筆みたいな話だなと思った。

  • 宝塚シリーズ第三巻。オペラ座の怪人的な男役の成長譚→娘役とヅカファンのヤクザの10年間→そして今回はついにトップとなったレオンのお披露目公演の話で今までの登場人物総出演。あの人の今はどうなったか?とか今まで以上に宝塚の煌びやかな世界とそれを表現する為の並ならない努力と覚悟がこれでもか!と描かれていてまさに集大成。「日々の暮らしに潤いとときめきを与えるもの」があれば人は頑張れるからその為にかくあるべし、という途中のレオンの演説には惚れてしまう。観たことないけど観に行きたくなりました。宝塚。

  • 宝塚シリーズの中で実は一番好きな作品。
    専科さんに憧れるというちょっと変わった男役さんがメインキャラクター。専科さんが大好きなので気持ちがとてもよくわかる……。
    トップスターになっても七転八倒しているレオンが愛おしい。
    物語はせつないけれど、それでも宝塚の夢は続いていくという印象で、これほど宝塚ものにふさわしい物語はないのではないかと思ってしまう。
    グランデアモーレ。

  • 今までの「男役」「娘役」に登場した人物も、たくさん登場するということで物語の軸がブレていたら嫌だなと思ったが、いい塩梅でそれぞれの物語を消化して読めて面白かった。
    宝塚歌劇団という内部に入らないことには未知の世界であることを踏まえて、「男役」の時よりも現実的にこんなこともあるのだろうと思えてしまうリアル感。宝塚の二次創作としておすすめするならこれだなと思えた。
    「銀橋」を第一作目として読むのもいいが、「男役」「娘役」を読むことでより一層面白さを感じられるだろう。

  • 宝塚シリーズの三作目。
    あとがきにも書かれているが、三作の中で一番ファンタジーが少なく、実際こんな感じなのかなと想像しながら読める。
    今までショーより劇の方が好きだったが、燕尾服の端にまで神経を行き渡らせている描写をよみ、以前より前のめりでショーを見るようになった。

    題材やキャラクターは好きだが、視点が色んな人に飛び、話の焦点がぼやけているように思う。主役は読者が決められるところが宝塚らしいのかなと思いながらも、小説としてはまとまっていない印象を受けた。

  •  宝塚3部作のフィナーレ!
     レオンさんに惚れる。

     素敵な夢を見られました。いつかほんとうの舞台を見たい。

  • 「男役」「娘役」に続く宝塚もの
    「銀橋」と言うタイトルでそうきたか!! と、膝を打つ
    宝塚歌劇でしか見られない銀橋をタイトルに持って来るところが分かる! と言う気持ちになりました
    最初は専科さんと専科さんに魅入られた生徒が究極のダンディズムに挑む話なのかと思ったら途中から主人公が変わってしまい尻切れトンボで終わった気がする。
    安否が心配である。
    宝塚歌劇を題材にした良い意味で二次創作だなって思いました。
    特殊な世界なので上手に説明しつつしのぎを削る厳しいけれど華やかな舞台を上手にまとめ上げていると思います。
    3冊ともめちゃくちゃ泣いたー!

  • 新刊楽しみにしていたからなのか、スイスイ読めてしまった

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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