地獄の犬たち

著者 :
  • KADOKAWA
3.78
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本棚登録 : 302
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057230

作品紹介・あらすじ

警察官の俺に、人が殺せるのか!?
東京のやくざ組織・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、ターゲットの喜納修三を殺害した。その夜、一人になった兼高は激しく嘔吐する。実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのだ。後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続いており、喜納殺害はその一環だった。兼高の最終任務は東鞘会会長である十朱の殺害。十朱は警視庁を揺るがす、ある“秘密”を握っていた。ボディガード役に抜擢された兼高は、身分が明かされた瞬間に死が迫る中、十朱への接近を図るが……。
『果てしなき渇き』『アウトバーン』の著者が挑む、ノンストップ・エンターテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • ★4.8
    これは、面白かった。
    ハードボイルド。って感じだ。
    警察小説であって、警察小説でなし、なんともカッコいい漢達のものかたり。

  • 面白くて後半は一気読みでした。
    映画の評判が良かったことを上映が終わってからしばらくして知り、映画がすぐ見られないならと原作を手にとってみました。
    アクションが鮮やかでした。かなりグロテスクでつらいところもありますが、心理描写が織り交ぜられているのでどんどん読み進めてしまいます。
    続編も読んでみたくなりました。

  • バイオレンス、漢、警察、陰謀、裏切り…
    リアリティ

    読了120分

  • 得意な分野ではなく、とばしながらさらっと読んだ。映画を見る前にと思って読んだが、映像にしたらどうなるのか。自分は見れないかも。

  • 関東最大の組織暴力団 東鞘会を舞台に組織内の抗争や警察との攻防が描かれています。

    彼は東鞘会に属しているが、本当の姿は警視庁の潜入捜査官。背中一面には鮮やかな入れ墨が彫り、誰が見ても極道。そこまでして潜入する目的は……。警視庁も揺るがす東鞘会の暗部に迫る。正義とは何か?最後は私情か?信念を持ち続けられる人間は本当にいるんだろうか?

  • この著者は「果てしなき渇き」でバイオレンス作家だと認識していたが、本作は「太陽は動かない」と「狐狼の血」を合わせた様な作品だった。たかが公務員の警察がここまでしてヤクザ潰しをするとは思えず、既に暴対法でカツカツの生活をするか生活保護を受けている情けないヤクザが大方だと思う。しかしこの終わり方では兼高(出月)の社会的復帰は考えられず、ヤクザによる親類縁者への報復も考えられる。続編があるようだが、どうも一世代前の話のようだ。何にしても全ては私情によるもので片付けるのはどうかと思う、室岡が哀れであった。

  • 東京のヤクザ組織・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、ターゲットの喜納修三を殺害した。その夜、一人になった兼高は激しく嘔吐する。実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのだ。後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続いており、喜納殺害はその一環だった。兼高の最終任務は東鞘会会長である十朱の殺害。十朱は警視庁を揺るがす、ある“秘密"を握っていた。ボディガード役に抜擢された兼高は、身分が明かされた瞬間に死が迫る中、十朱への接近を図るが……。
    (2017年)
    — 目次 —
    地獄の犬たち

  • スタートから良い、悪いことしてるなと思っていれば潜入捜査官!面白かったです。

  • タイトルどおり地獄のような救われない話だった。
    暴力描写もしんどい。
    ただ物語としては、先が気になって読むのを途中で止められない面白さがあった。
    どんな所にいようとも人と人との交わりがあるところには絆が生まれる、暴力団への潜入捜査官が主人公のこの物語ではそれがまた切なく感じる。

  •  主人公は、窓を開けた茶の間で宿題をしていたとき銃声を聞いた。しかし真夏とあって爆竹かロケット花火の類かと思っていた。

     翌日から出月家の平穏は打ち破られた。小さなスーパーで発生した強盗殺人事件で、スーパーは家の隣にあった。あまりの凄惨な事件現場に、警官のなかには涙する者もいた。殺害されたのは全員女性で、そのうち三名が近所に暮らす女子高生、初恋の相手もいた。彼女の顔はろくに覚えていない。記憶しているのは、三発の弾丸で頭を破壊された彼女の死体だけだった。正体不明の単独犯によって惨殺され、事務所の金庫の中の売上金を奪っている。帰宅の準備をしていた店員の手足を拘束して、無慈悲にも中国製のトカレフで全員射殺したのだ。

     初恋の女が命を奪われた。そのときから将来は決まったようなものだった。使用された凶器が当時の裏社会で大量に出回っている自動拳銃であったため、県警は大規模な捜査本部を組み、事件解決に並々ならぬ力を入れていた。事件から三十年近くたった現在も解決に到っていない。

     高校三年時に警視庁の採用試験を受けた。剣道で、インターハイに出場したのが評価され、地元埼玉県警と警視庁の両方から勧誘を受けた。警察学校の成績は一般教養や法学では劣るものの、典型的な体育会系の頑丈な新人として、卒業配置ではさっそく大繁華街の新宿署地域課に配属されたのを皮切りに、歌舞伎町交番にも配属された。その後、立川の第四機動隊で厳しい訓練の後、法律や警察実務を学び直し刑事になった。そして全くあり得ない異動の辞令が下った。配属先は警視庁の組織犯罪対策部特別捜査隊だった。しかも辞令が下った当時の夜、地下和食レストランの個室に案内された。

     巨大警察署の署長と一介の巡査部長がともに行動すること自体、ただ事ではなかったが、既に個室には驚くべき面々が揃っていた。
     しばらくの間、食事をしながら歓談の後、組対部特捜隊の隊長である阿内将から質問と職務を告げられた。

    「人を殺せるのか」ヤクザ組織に潜入せよ!要はヤクザになりトップの首を狩れ!

     答えに窮するが、ようやく物語が始まった。

      読書は楽しい。

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著者プロフィール

1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年『渇き。』として映画化、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書に『卑怯者の流儀』『探偵は女手ひとつ』など多数。

「2022年 『天国の修羅たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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