- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041057261
作品紹介・あらすじ
明治6年。
松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は、持ち込まれた縁談に困惑していた。
密かに胸にあるのは、幼馴染みで使用人の息子、幸次郎。けれど、身分違いの恋など許されない……。
一方、区長を務める英の父もまた、悩んでいた。
富岡にできるというフランス式の最新の製糸場に、区から工女を出さねばならないのに、誰も協力してくれない。
父の窮地が家族の話題にのぼったとき、縁談を断ろうとしていた英は、つい勢いで言ってしまう。
「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」
そして区長の娘が富岡に行く、という安心感から、瞬く間に、個性溢れる少女たちが集まって……。
初めての長旅と共同生活、フランス式製糸場にフランス人上司。初賃金とホームシック、そして恋……。
あの時代、あの場所に、青春があった。少女たちの瑞々しい青春記録。
感想・レビュー・書評
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国に新しい産業を興すため富岡製糸場で働く少女達の奮闘記。
ティーンズ向けの本かもだけど、出てくる女の子達が時々すごく大人びた考え方をして、大人でも「働く」という意義を考えられる良書でした!
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「富岡製糸場」を舞台に繰り広げられる青春小説。
こちら映像化して欲しい素敵な作品でした。
正直もっと読んでいたかったなぁ。
女性が社会で活躍するなんて想像も出来ない。親の決めた相手に嫁ぐのが当たり前だった時代。
「フランスの製糸技術を学び故郷に広める」という役割を担った少女たちが故郷を離れ寝食を共にし、学び、働く姿が描かれています。
異国の文化に目を白黒させながらも、フランス人上司にあこがれを抱く少女。初賃金の喜び。育まれる友情、絆、身分違いの恋。他藩への対抗心。
いろんな経験を経て成長していく姿が眩しかった。
読みながら新たな時代の始まりを感じたし、その背景に多くの女性の活躍があったことにも感動しました。
切ない部分もあったけど、使命感をもって期待に応えようとする主人公の姿が潔く格好良かったです。スッと背筋が伸びる思いでした。
静かだけど熱い、そんな余韻を感じた。 -
その当時の場所の情景などが表現されており実際に富岡製糸場に行った人から見るとより楽しめる作品
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実際はもっともっと辛かっただろうに綺麗事に書かれている。でもメインは青春物語。ラストはその決断で良かったのだ。そして彼とは結婚できるという幸せな結末が見える。
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面白かった。
仕事を通して、恋を通して成長していく少女の物語。キラキラしてて、ちょっとほろ苦くて、ほんとに「ザ・青春物語」です。
だからこそ、なんだか物足りない。
もっと掘り下げてほしい。
富岡製糸場に行く前の少女時代のこと。
富岡製糸場でともに働く少女たちとの絆や、衝突、もどかしさや、友情。
働くということに対する気持ちや考え。
さらに、身分の垣根を超えることができるようになった明治という時代ならではの恋愛模様。
全部、すごく面白い。
主人公の周りの人物もとても魅力的。
もっと読みたい!
なんなら上・中・下で、主人公の成長をもっと丁寧に書いてほしい。
富岡製糸場から故郷へ帰ったあとのお話も読んでみたい。
朝ドラとかにしたらすごく面白いだろうなぁ。 -
『富岡日記』を残した伝習工女・和田英をモデルに、富岡製糸場で働く少女たちの成長を描いた青春小説。
縁談を先延ばしにするために工女志願した主人公が、初めて出会う異国の技師の指導の下、個性的な仲間たちとの共同生活の中で、働く矜持と喜びに目覚めていく。
若い女同士の集団における衝突や牽制、意地の張り合い、自ら稼いだ給金で施す化粧へのときめき。
そして、幼馴染みの使用人との、身分違いの恋の焦燥。
そうした、少女らしい心情がみずみずしく活写されている。
当時の製糸業の工程や宿舎生活の実態を踏まえて書かれているが、寧ろ、時代考証や歴史の意義という堅苦しさよりも、あの時代の中、外貨獲得の最先端の場所で、生き生きと輝いた女性たちの自立心に注目したジュブナイルノベルと見た方が適している。 -
元信州の松代藩の中級武士で数馬の二女、横田英(えい)の物語。
英は15歳になって、縁談が持ちあがった。しかし、英は使用人で4つ年上の幸次郎が気になっていて結婚はしたくない。一方、明治の世の中になって今は区長をしている父の数馬は、富岡製糸場の女工集めに奔走していた。しかし、富岡製糸場の異人技師たちが、生き血を飲んでいると悪い噂がたったせいで、誰一人として集まらない。
そこで英は縁談を延期したいために、富岡製糸場に行くことを申し出る。
時代の変わり目に生きる人々の様子、新しい時代になっても封建的な結婚の考えたがなくならず悩む少女たち、いつの時代も変わらない恋ごごろ、友情、家族愛などが描かれる。中学生は歴史を学び始めたし、悩み多い思春期真っ只中だ。そんな中学生にぴったりの一冊。 -
事実に基づくフィクション。富岡製糸場で働くことを立候補した松代の16人の少女たち。仲違いをすることもあったが、共に働く中で相手のことを知り、互いの絆を深めていく。なんとなく、なんとなく、製糸場では娘たちがひどい労働条件で働かされていた気がしていたけど、給料日には口紅を買ったり、日曜日にはお出かけをしたりと楽しそうで、読んでいて安心した。幸次郎が一之宮まで会いにきてくれたことに嬉しくて涙が出た。最後、僅かの時間で大きな決断をした英。悲しい選択だったけど、英にとってはその方が良かったと思う。
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明治の時代カラーというのが加味されているが,雰囲気は女子校ものといった感じ.富岡製糸工場の様子,松代藩の武士たちの困窮,さらには使用人との幼い恋も挟んで,どきどきする.最後は悲しい別れもあるものの,成長した英達の姿が輝いていた.
著者プロフィール
藤井清美の作品






素敵なレビューありがとうございます。明治の空気感が伝わってきました!
富岡製糸場はとにかく大きいです。ちなみに売店のカ...
素敵なレビューありがとうございます。明治の空気感が伝わってきました!
富岡製糸場はとにかく大きいです。ちなみに売店のカイコのぬいぐるみもかなりデカいです。
あれを買う人は果たしているのでしょうか( ̄▽ ̄;)
群馬サファリパークも近いのでおすすめいたします。
私のつたない文章で、伝わりました?
もっとね、感想としてはいっぱいあるのですが…
語彙力が…
蚕のぬいぐるみ⁉︎
めっちゃ欲...
私のつたない文章で、伝わりました?
もっとね、感想としてはいっぱいあるのですが…
語彙力が…
蚕のぬいぐるみ⁉︎
めっちゃ欲しいです。笑
行ったら絶対買いますよ。