- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041057315
作品紹介・あらすじ
山男を死に誘ったのは、怪異なのか、山の怒りなのか、それとも自身への過信なのか……
山でしか起こり得ない人と人の出会い、生きる者と死者の思いをつなぐもの――。恐ろしくも心ゆさぶる山の怪異。
冬の雪山で、小さな避難小屋の静寂を破るけたたましいノックの音と叫び声。だが、その意味を理解した瞬間、恐怖が襲いかかる「雪山の叫び」。雪の大汝山で下着一枚という異様な姿で発見された男性の遭難遺体。残された日記の最終ページに戦慄する「最後の日記」。数々の奇跡的な生還を遂げ、”おれは不死身なんだ”とうそぶく男が屏風岩の登攀で陥った危機――彼の本音が哀切な「不死身の男」他、山の怪異を自然の風景描写を織り交ぜながらつづる21篇を収録。現実と地続きでありながらも、異界としての山の風景と霊気を堪能できる、山岳怪談の決定版。
感想・レビュー・書評
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前作よりは面白かった。しかし山の霊異記と言いながら、山とは関係のない怪異があるのはどうだろう……。終盤の長めの話もしみじみとした感じは悪くはないが、期待している方向性とはちょっと違うので、個人的には微妙。
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山であった金縛りの話が一番怖い。
語り部のおじいさんが語るのは、想像した経過の話。
現実に起こったことが確定しているのは、がけ下で身体が真っ二つになった友達がいるということのみ。
何があったのか、とても怖い。 -
もう行かないだろうけど、、、
単独行は、できませんね。こわー。 -
登山系の怖い話、不思議な話が半分。山麓での不思議な話が半分といったところ。
私の地元 奥多摩を舞台にした「ブランコ」 ちょっとSFチックなテイストの「不死身の男」 私も一度は経験してみたいと思った「美人霊の憂鬱」 ちょっとホロリとした「かくれんぼ」 あたりが私の好みだったかな?
恐ろしいというよりも不思議な感じのする話が多かったです。 -
怖さでいうと「最後の日記」と「三日月の仮面」。
ほっこりでいうと「幸せな背中」と「仙気の湯」。
ただ「悪い人」の得体のしれなさが一番イヤでした。
あの事件が怪異と結びついてしまうのはよくないよ。シチュエーションがそうさせたんだろうけど。 -
怖くて不思議な話がいくつも収められている。
仙気の湯が良かった。
人見知りな主人公が帽子を風に飛ばされた男の子に「とってやろうか」と声をかけたら、写真を撮って欲しい観光客に囲まれたり。
その後、話しかけてきたおばあさんに頼まれごとをしたら、実は‥という話。
ほっこりする話だった。
「三日月の仮面」の高草山にも行ってみたい。 -
稚児落としはホームタウンでありますが、そんな話が収集されているとは…
著者最新の山岳怪談。
雪女的な話の連続は、あれはずるい(笑)