蒼天見ゆ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 43
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057360

作品紹介・あらすじ

秋月藩士の父、そして母までも惨殺された臼井六郎は、固く仇討ちを誓う。だが武士の世では美風とされた仇討ちが明治に入ると禁じられてしまう。おのれは何をなすべきなのか。六郎が下した決断とは?

感想・レビュー・書評

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  • まるきりフィクションかと思って手に取ったが、実話をもとにして、作家の想像力を膨らませた歴史小説だそうだ。
    日本最後の仇討をしたという臼井六郎が主人公。
    しかし、著者は書中で、山岡鉄舟にこう言わせる。
    「わしらが目にしているのは、最後の仇討ではない。最後の武士の生き様だ」
    年下の者が年上の者の仇を討つという、かつては当たり前だった生き方が維新後数十年で失われてしまい、人を殺すことが禁じられた明治初期。
    それでも、親の仇を果たさんとする六郎に、鉄舟は諭す。
    「私怨ではなく天に代わって邪を討つのだ」と。
    そして、艱難辛苦の果て、遂に思いを果たす六郎。
    著者はさらに、幕末から明治初期にかけての事件を描いて、物語に膨らみを持たせている。
    山岡鉄舟、勝海舟等を主人公に絡ませ、星亨や大隈重信らも顔をだし、森鴎外の実話も綴られる。
    歴史好きには見逃せない作品と言っていい。

    人としていかに生きるかを問い続け、感動と静謐に満ちた数々の作品を描き続けた葉室麟氏の冥福を祈ります。

  • もう日本人の琴線に触れる葉室さんの小説は読めないのですね。

  • 2018.?.? 読了

  • 最後の仇討ちを行った人の話。
    仇討ち本懐、恩赦で罷免された後、世捨て人の様な生活の中でも晴れない心、「家族の所に生きて帰る奴が一番偉い、家族を泣きの涙で暮らさせちゃあ、男じゃない。どんなに手柄を挙げても人を殺すのは鬼。鬼のまま死ぬより、せめて人で生きて戻ってきたほうがいい。」

    父の教えである蒼天を追い求めた主人公がようやく見つけたのは故郷の空の青さだった。

    さすが!大好きな作家、泣けました。
    葉室麟さんの冥福を祈ります。

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プロフィール

葉室 麟(はむろ りん)
1951年1月25日 – 2017年12月23日
福岡県北九州市小倉生まれ。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て小説家に。2005年に短編「乾山晩愁」で第29回歴史文学賞受賞(のち単行本化)、2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞受賞、2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞受賞、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞受賞。
上記以外の代表作に、映画化された『散り椿』、第22回山本周五郎賞候補及び第141回直木賞候補だった『秋月記』がある。

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