- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041057391
作品紹介・あらすじ
米問屋から立身した山崎種二は、昭和史と共に激動する株式相場の寵児となる。しかし戦争によって経済は崩壊し……。山種証券創設者の人生を軸に、現代に通底する日本経済の危機を描ききる、著者渾身の歴史経済小説。
感想・レビュー・書評
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2022.01.17
久々に先人の歩みに敬意を払いながら読んだ。こういう人が日本を作ってきたんだねえ。感服する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半,借金のある貧農の種二が東京に出て丁稚として働き始めてから独立するところまでが非常に面白く「働き一両,考え五両」という教訓を常に心に留め骨惜しみなく工夫して働き成長していくところなどわくわくした,ふうとの馴れ初めなども微笑ましく,ふう自身がとても魅力的だ.後半になって株取引が中心になりあまり知識がないので詳しい説明がある割にはさっぱりわからず,個人のエピソードも画家との交流ぐらいになってその辺りが面白さの失速になったと思われる.後半も終わりになるにつれ種二より清水浩に視点が移ったけれどワクワク感は減ってしまった.
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山崎種二の一生を描いた本。 現在のヤマタネと山種美術館、既に合併で無くなった山種証券の設立の話。相場師として、関東大震災、第二次世界大戦をくぐり抜けた立ち振る舞いの物語。かなり倉庫で眠って板が読み始めたら、思わずのめり込み。電車で読んでいて降りる駅を乗り越しました。(笑)
種二が借金を背負って上京し、親戚の開米商店に丁稚奉公し、苦労して店を立ち上げ、震災で無にした後の立ち上げていくところはなかなか大変であるがしっかり復活。その後に川合玉堂、横山大観などと交流し美術品を収集したことが戦後に山種美事術館の収集品となるとは。一度この美術館へぜひ行ってみたくなった。 -
山種証券創業者の山崎種二さんの生涯を金融のプロから見た生涯です。挫折もありながら勝負をしていく、但し私利私欲には走らない、そんな存在です。城山三郎の百戦百勝も次に読みたいと思います。