怪盗不思議紳士

著者 :
  • KADOKAWA
3.16
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本棚登録 : 116
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041057414

作品紹介・あらすじ

戦後間もない日本。孤児の瑞樹はひょんなことから探偵・九条響太郎探偵の助手を務めることになる。凶悪な事件を引き起こす謎の強盗集団、怪盗不思議紳士の追跡に協力することになった矢先、衝撃的な事件が起きる!

感想・レビュー・書評

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  • こちらのサイトで当選して。

    元々表紙に惹かれていたので、大変嬉しゅうございました。

    仲間とスリをすることで生き抜いてきた戦災孤児・瑞樹。私立探偵の九条響太郎の助手として働くことになり、事務所を手伝って来たが、ある日神出鬼没の怪盗「不思議紳士」によって罠によって爆死してしまう。信じることができずに、事務所を閉められずにいた瑞樹の元に「九条の影武者だった」と山田大作という男が現れた。九条を慕っている令嬢・蝶子と共に、新たに来た不思議紳士からの挑戦状に挑むことになる。

    元々は声優・関智一さんにの劇団でやっていた題目を、依頼されて「リメイク」した我孫子さん。そこからこの物語が出来たらしい。うわ~見たいわ~響太郎(大作)はスネ夫がやるのか。すごく動きかある話だから面白そうだ。

  • かつてはスマートな怪盗だったのに、戦争を経て、凶悪な殺人さえ辞さない悪党になってしまった怪盗不思議紳士。そしてそれを追う探偵・九条響太郎。これはもう筋書きだけで胸のときめく冒険活劇なのですが。なんといきなり殺されてしまう探偵……展開に絶句。
    しかし。残された少年助手と、探偵の影武者がコンビを組んで繰り広げる怪盗との対決は、それこそ本物の探偵顔負けです。助手の瑞樹が子供ながらに頑張るのは、無条件に応援したくなっちゃうし。最初はヘタレなダメ男にしか思えなかった大作がなんだかどんどんカッコよくなってくる! まさか本物!? ってのは私も何度も思いました(笑)。
    そして怪盗不思議紳士との息詰まる対決。そしてまさかそんな真相&結末になるとは! やっぱり探偵と怪盗の対決ってのはたまりませんねえ。最後までわくわくさせられっぱなしの一冊でした。

  • この度は当選して戴きました、ありがとうございます。
    我孫子さんだから読みたい、という単純な理由だったが、戦後日本、名探偵、怪盗……などなど興味を惹かれるものがたくさん散りばめられていた。

    孤児であった瑞樹は探偵九条によって拾われ助手となるが、師である九条が目の前で殺されてしまう。現実を受け入れられない瑞樹の元に現れたのは、九条にそっくりな顔をした役者。九条の影武者をたまにやっていたという彼に、瑞樹は死んだ九条の役を演じさせ、師を殺害した犯人を追い詰めて行く計画を練った。

    本来は舞台用だったらしいが、全体的にはジュブナイルミステリのような印象を受けた。
    瑞樹の13歳という中途半端な年齢は、世間的に大人と認められにくいものの、彼自身は名探偵九条に認められるほどの有能な知識を持っている。少年らしい無鉄砲さと冷静な判断のちぐはぐさが、そのどうにもできない葛藤を表している気がする。

    九条と瓜二つの山田大作という男の、読めない存在がまた気になる。大して親しくもなかったくせに、九条の死を知って金をせびりにくる、最初の印象としては最低な男だ。時代背景もあるだろうが、楽に働いて金が欲しいと豪語する印象は良くない。その大作が九条の真似事を始めると、自然とそのだらしない成を潜め、本当に九条が生きているかのような姿を見せる。

    九条に入れ込んでいた蝶子もキーパーソンだが、ひとまずそれぞれのキャラの際立ちはとても強い。身代わりものというと、小心者の私はいつバレるのかとヒヤヒヤしてしまい苦手なのだが、この作品にはあまりそういった場面が見られず安心して読むことができた。

    ただ「名探偵九条響太郎は生きている?」というまやかしに引きずられてしまい、スピード感は途中で失速する。際立つキャラクターや異常な殺人計画にどんどん読んで行けそうなものだが、なかなかページが進まなかったのが残念だった。

  • 初読みと思ったら2作目でした。
    「殺戮にいたる病」と全然違うので同じ人とは気付かずでした。

    カッコイイ名探偵が出てきたのに早々に殺されてしまう。
    でも、なんと、影武者が。。。

    戦後、探偵のもとで見習いをする少年、探偵を慕う深窓の令嬢。
    素材も舞台もスパイスもよかった、楽しんで読了。

    ところで名探偵はほんとに死んじゃったの?
    ほんとは・・・と思ってるのは私だけかしらん。

  • 戦前に人を殺さず富裕層の財産ばかりを狙っていた義賊怪盗不思議紳士とそれを追っていた探偵九条響太郎。
    戦後、再び現れた不思議紳士は残虐な手口を使う強盗と化していた。
    不思議紳士に大切なものを奪われた探偵助手の草野瑞樹は密かに復讐に執念を燃やす。
    不思議紳士に狙われた旧華族の屋敷を舞台に繰り広げられる冒険活劇。

    神出鬼没の怪盗と、知的で警察からも一目置かれる人望の厚い探偵。戦災孤児の少年助手。予告状でのやりとり。今ひとつ頼り甲斐のない警察。GHQの横槍。
    これ以上はないくらいベタな設定だけれど、そのベタさ加減が好き。
    読み進めるうちに誰が本物で誰が偽物か、誰が味方で誰が敵か、疑心暗鬼になってくる。
    希望を捨てきれずに揺れる瑞樹と蝶子の心情が切ない。
    最後は性急にたたみ過ぎた感があって、不思議紳士と九条響太郎そのものの謎がフワッとしたまま物語を閉じられたのが少し残念。
    続編の為にあえてそうしたのなら今後が楽しみだけれど、どうなんだろう??

  • 終戦間もない日本。
    戦災孤児の草野瑞樹は、ある事件をきっかけに探偵の九条響太郎の助手になる。
    警察にも頼りにされる名探偵・九条響太郎は、「不思議紳士」と名乗る、神出鬼没で変幻自在の怪盗とは宿敵同士で、数々の対決は伝説であった。
    戦時中鳴りを潜めていた不思議紳士の仕業と思われる強盗殺人事件が久しぶりに発生するが、調査の最中、探偵は爆殺されてしまう。
    悲しみと怒りにうち震えながらも瑞樹は虎視耽々と機を狙っていた。
    百戦錬磨の怪盗を相手に、少年の孤独な闘いが、幕開ける―!!
    (アマゾンより引用)

    探偵が早々に死んだのにビックリよ(´・□・)ア-
    けど物語は面白かった。
    終わりがちょっとあっけなかったかなって感じやったけど

  • +++
    少年探偵と、宿敵である怪盗のバトルがいま始まる! 痛快ミステリ活劇。

    戦後間もない日本。孤児の瑞樹はひょんなことから探偵・九条響太郎探偵の助手を務めることになる。凶悪な事件を引き起こす謎の強盗集団、怪盗不思議紳士の追跡に協力することになった矢先、衝撃的な事件が起きる!
    +++

    怪人二十面相と明智小五郎を思わせる、怪盗と名探偵の対決物語である。だが、肝心の名探偵は、物語が始まって間もなく怪盗不思議紳士の手によって暗殺されてしまう。名探偵・九条響太郎の遺志を継いだ助手の瑞樹が、響太郎に思いを寄せる蝶子の手も借り、響太郎の影武者だった大作を響太郎に仕立てて、怪盗不思議紳士と対決することになるのだが、目の前には次々に苦難が立ちはだかる。困難な状況を共にしているうちに、大作が本物の響太郎に見えてきたりすることもあって、次第に信頼関係が深まっていくように見える。真相は明かされないまま事件は解決されるのだが、果たして解決編はあるのだろうか。気になるところである。怪盗不思議紳士と九条響太郎の正々堂々の対決も見てみたいと思わされる一冊である。

  • 表紙買い。
    時代設定が良く、冒頭数行から早くも、我孫子氏の描いたこの不思議な世界に引き込まれた。それからの怒涛の展開、どんどんと不穏になっていく内容……全体的に非常に良く面白かったが、ラストの方はあまり好きじゃかった。なのでどこかもやもやする気持ちはあったものの、作者の話を読んで納得した。読後感はなんだかんだ爽やかだったような覚えがある。こういう雰囲気だけで二杯はご飯が食べれるね。

  • 乱歩を思わせる設定。怪盗に探偵に少年に旧華族。この手の活劇ものにしては怪盗が乱暴なのが意外だったけど、最後にひっくり返される。らしいっちゃらしい結末か。

  • 戦後すぐが舞台。
    孤児の瑞樹は探偵・九条響太郎と知り合い、彼の助手を務めることになる。
    教育をまともに受けられず、貧しさと戦う生活の中にいた瑞樹だが、九条の人柄や知的さに惹かれ、彼を尊敬して師と仰ぐようになる。
    一方で、謎の泥棒・怪盗不思議紳士が巷を賑わせていた。
    この怪盗不思議紳士と九条は因縁の間柄。九条と瑞樹、それに九条の「自称」フィアンセ・蝶子は調査を進めるが、そのさなか、九条が怪盗不思議紳士の罠にかかり、爆死してしまう。

    九条をなくして落ち込む瑞樹と蝶子。そこへ、九条の影武者だったという男・大作が現れる。大作は役者崩れの粗忽者だが、影武者をしていたというだけのことはあり、九条にそっくり。
    瑞樹は大作を「本物の九条」と偽り、「九条が生きていた」ことにして、怪盗不思議紳士をおびき寄せる作戦に出る。

    怪盗不思議紳士は、あるお屋敷に予告状を出していた。
    九条の不利をした大作と瑞樹、蝶子はそのお屋敷に向かう。
    時代は戦争直後。GHQの役人が華族の財産を没収しようと調査にやってきていた。
    瑞樹たちはその役人とともに屋敷の調査を進める。

    もともとは舞台の脚本のために描かれた話らしいですね。
    推理要素はなく、瑞樹少年の冒険譚のような感じ。

    始めはただの代役でしかなかった大作が、どんどん本物の九条みたいになっていって、瑞樹や蝶子と絆を深めていく過程が良かった。
    この三人で新たな、本格推理みたいな話が読みたいです。
    あと、やっぱり探偵vs怪盗はいいね。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に『人形はこたつで推理する』に始まる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』などがある。ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作、ヘロヘロQカムパニーの舞台脚本を手がけたことでも知られる。

「2018年 『怪盗不思議紳士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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